アンブレイカブル(Unbreakable)は、トータル・ノンストップ・アクション・レスリング(TNA)が製作したプロレスのペイパービューショーである。2005年9月11日、フロリダ州オーランドのTNAインパクト!ゾーンで開催された。本大会はTNAが開催した唯一の「Unbreakable」名義のイベントであり、2005年のTNAペイパービュースケジュールにおける9番目の大会に当たる。
大会概要
この大会は本編9試合とプレショーマッチ2試合で構成され、Xディビジョンの高速・高難度の技術戦とヘビー級の激しい王座戦が同一興行で両立された点が特徴だった。観客からは試合内容に対して高い評価が寄せられ、特にメインイベントの三つ巴によるXディビジョン王座戦が後の評価で象徴的な位置を占めることになった。
主な対戦と結果
- メインイベント:当時の王者クリストファー・ダニエルズ、A.J.スタイルズ、サモア・ジョーのスリーウェイ戦 — A.J.スタイルズが勝利し、新たなXディビジョン王者となった。
- NWA世界ヘビー級選手権(レイヴンズ・ルールズ戦):レイヴンが挑戦者のRhinoを下し、王座を奪取した。
- そのほか、9試合の本編と2試合のプレショーを通じて、Xディビジョンの若手やシングル・タッグの争いなど多彩なカードが組まれた。
試合内容の特徴
- メインの3ウェイXディビジョン戦は、スピード感のある連続技、激しい打撃戦、巧みな連携と複数のニアフォールを積み重ねる構成で観客を引き込んだ。
- レイヴンズ・ルールズというルール(事実上のノールール戦)を採用したNWA世界ヘビー級戦は、物語性と派手な肉弾戦が強調された試合展開となった。
- 大会全体としては、Xディビジョンの先進的な空中技と、ヘビー級勢による激しい衝突の対比が印象的だった。
評価と遺産
アンブレイカブルは批評家やファンから高い評価を受けた。特に3ウェイTNA Xディビジョン選手権の試合は、プロレス界で著名な批評家であるデイブ Meltzerから、TNAにとって初めてとなる稀少な5つ星評価を獲得したことで広く注目を集めた。この評価は当時のTNAのクオリティを示す象徴的な出来事となり、団体とXディビジョンの評価向上に寄与した。
カナダのオンライン媒体(Canadian Online Explorer)のプロレス評論家コリー・デイヴィッド・ラクロワ(Corey David Lacroix)は、本大会に10点満点中8点を与え、「TNAのUnbreakable PPVは、プロレス・ファンのさまざまな好みに応えうる、アクション満載の見事なビュッフェだった」と評している。評論家の肯定的な評価は、当時のTNAが持つ魅力(特にXディビジョンの革新性)を改めて示すものだった。
その後、本大会での名勝負はTNA内部の長期的なストーリーテリングとレスラー個々のキャリアに影響を与え、A.J.スタイルズ、クリストファー・ダニエルズ、サモア・ジョーらの評価をさらに高めた。Unbreakable自体は同名の大会としては一度きりの開催だったが、ここで生まれた試合や瞬間はプロレス史における「クラシック」の一つとして語り継がれている。