トリガー(英: trigger)は、一般には「何かを起こすきっかけ」や「引き金」を意味します。分野によって具体的な意味や使われ方が大きく異なり、日常語から専門用語、固有名まで幅広く用いられます。以下に代表的な用例と分野別の定義・説明を整理します。
主な用例・固有名詞
- トリガー(一般用語としての「引き金」やきっかけ)
- 電子打楽器のトリガーパッド(打撃をセンサーで検出して音源を鳴らす装置)
- 潜水艦USSトリガー(SS-237)
- 潜水艦USSトリガー(SS-564)
- カウボーイスターのロイ・ロジャースが所有するトリガー(馬)。
- ウィリー・ネルソンが弾いたマーティンN-20のトリガー(ギター)。
- トリガー(Only Fools and Horses)、BBCのシットコム「Only Fools and Horses」の架空のキャラクター
心理学・倫理学での「トリガー」
心理学では「トリガー」は、過去のトラウマや強い感情反応を引き起こす刺激(出来事・言葉・映像など)を指します。PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの文脈で使われることが多く、特定の刺激が当事者の不安・フラッシュバック・パニックなどを誘発することがあります。被害再体験を避けるために用いられる「トリガー警告(Trigger Warning)」という配慮も一般化しています。また、倫理学や臨床現場ではその扱い方(告知の有無や配慮の程度)について議論があります。
- 他のイベントを開始したり、反応を煽ったりするイベント。
- リリーザーの項も参照。
コンピュータ・情報技術での「トリガー」
IT分野では「トリガー」はイベント検出や特定条件で自動的に動作する仕組みを指します。代表的な例:
- イベント駆動型プログラミングにおけるトリガー機能:ユーザー操作やタイマー、センサ入力などの「イベント」を契機に処理が実行されます。
- データベーストリガー:特定のテーブルに対するINSERT/UPDATE/DELETEなどの操作が行われたときに自動的に実行される手続き(ストアドプロシージャなど)。データ整合性チェックや監査ログ生成などに使われます。
- トリガー回路(ハードウェア):論理回路や記憶素子としてのフリップフロップなど、状態遷移を制御する回路。IBMのフリップフロップの名称としての由来もあります。
物理学・素粒子実験での「トリガー」
素粒子物理学や高エネルギー実験では、膨大な量のデータから物理的に興味のある事象だけを選別して保存・解析するためのハードウェア/ソフトウェアを「トリガーシステム」と呼びます。オンライン(実験時)に素早く判定を行い、保存するべきイベントを決定します。大規模実験での代表例としては、ATLAS トリガーシステムも挙げられます。
音楽・楽器での「トリガー」
音楽分野では複数の用法があります。電子打楽器のセンサー(トリガー)や、MIDI信号を発生させるトリガーパッド、あるいは特定の演奏法や機材(例:ウィリー・ネルソンのギター「トリガー」)の名称として使われます。ドラムのスティックで叩いた瞬間に音源(モジュール)を鳴らす仕組みを指すことが多いです。
その他の分野での用法
- 銃器の「引き金」(引いて発射させる機構)としての意味。
- 写真・動画撮影におけるシャッターやリモートリリース(撮影を開始する装置・命令)を指すことがある。
- オシロスコープなど計測器におけるトリガー:特定の電圧変化や信号条件で記録を開始する機能。
- 地震学や工学では、ある条件で別の現象を誘発するきっかけを「トリガー」と呼ぶことがある(例:小さな地盤変動が大きな崩壊を引き起こす等)。
まとめ
「トリガー」は「引き金」「きっかけ」というコアの意味を持ち、心理学、IT、物理学、音楽など分野ごとに具体的な実装や概念が異なります。文脈に応じて意味が大きく変わるため、使われている分野や用途を確認することが重要です。