チューバとは|歴史・種類・構造・奏法をわかりやすく解説

チューバの歴史・種類・構造・奏法を初心者にもわかるように図解&実例で詳解。音色・演奏法から選び方まで完全ガイド

著者: Leandro Alegsa

チューバは金管楽器の中で最も大きな楽器です。交響楽団の中では比較的あとの時代に加わり、19世紀半ばに初めて登場しました。現在ではほとんどのオーケストラや吹奏楽団、ブラスバンドに欠かせない低音楽器として使われています。標準的なチューバは楽器を伸ばすと約16フィート(約4.9メートル)のチューブ長になるものが多く、この長い管が深く豊かな低音を生み出します。

歴史の概略

チューバの祖先には天然ラッパやホルンの変化形があり、18〜19世紀にかけてピストンやロータリー式バルブの発明とともに現在の形に近づきました。19世紀半ばにフリードリヒ・ヴィルヘルム・ワーグナーらがバルブ機構を発展させ、オーケストラに低音を安定して供給できる楽器として採用されるようになりました。その後、軍楽隊やブラスバンド向けに、演奏時に持ち運びやすいスーザフォンやヘリコンなどの派生型も生まれました。

種類(調・形状・用途)

  • 調(キー):チューバは通常、FEb、CC、BBbなどの調で作られています。調が低いほど管の長さは長く、音はより低くなります。
  • コントラバス系とバス系:BBbやCCはオーケストラでよく使われるコントラバス系(非常に低い音域)で、FやEbはブラスバンドや室内編成で好まれることが多いです。
  • スーザフォン/ヘリコン:野外での使用や行進に適した形。ベルが前方に向いていて、肩にかけて演奏します。
  • ピストン式・ロータリー式:バルブの種類。国や伝統、奏者の好みにより使い分けられます。

構造のポイント

主な部品は次の通りです:

  • マウスピース:唇を振動させる部分。形状やサイズで音色やレスポンスが変わります。
  • リードパイプ(リードパイプ/リードパイプ):マウスピースから最初に入る管。
  • バルブ(3〜6個):管長を変えて音高を調節します。一般的に3〜5個のバルブを持つものが多く、非常に大きな楽器ではコンペンセイティングシステムを備えています(後述)。
  • チューニングスライド:音程を微調整するための可動部。
  • ベル:音が出る開口部。ベルの大きさや形で音の広がりが変わります。

コンペンセイティングシステムとは

非常に低い調のチューバでは、バルブを組み合わせたときに理想的な管長にならず音程が不正確になることがあります。これを補正するために、4番目・5番目・6番目のバルブや追加のスライド機構を持ち、長い管長を自動的に補正して正しい音程に近づける仕組みをコンペンセイティングシステムと呼びます。特に低音域でのピッチや音色の均一性が向上します。

奏法の基本

  • 呼吸と支え:深い低音を出すには腹式呼吸で肺容量を効率よく使い、息の支え(ブレスサポート)を安定させることが重要です。
  • アンブシュア(唇の形):唇の緊張と位置をコントロールして、音の高さや音色を作ります。チューバ用のアンブシュアは他の金管楽器より広めで、唇の振動面積が大きくなります。
  • 音の始め方(アーティキュレーション):舌の位置や動かし方で音の切れ目(タング)を作ります。低音域では舌の使い方が異なり、柔らかく始めることが多いです。
  • ダイナミクスの幅:非常に大きな音を出せる一方で、弱音での表現も可能です。口と息のコントロールで幅広い音量差を作れます。
  • ミュート:演奏表現のためにベルにミュートを入れることがありますが、大きな楽器のため効果的なミュートは特殊なものが多いです。

オーケストラやバンドでの役割

チューバは低音部の土台を支える役割が中心です。ベースラインをしっかりと支えて和音の基礎を作るほか、時にはソロ的な旋律を担当することもあります。映画音楽や近現代の作曲家による派手なソロパート、あるいはブラスバンドでの主要な低音としての活躍など、用途は多岐にわたります。

メンテナンスと注意点

  • バルブオイルやロータリーオイルでバルブの動作を滑らかに保つ。
  • チューニングスライドにはスライドグリスを塗って動きを確保する。
  • 演奏後は水抜き(ウォーターキー)を行い、内部の水分をためない。
  • 定期的な内部洗浄やプロの整備で大きな凹みやずれを修理する。

練習のコツと上達法

  • マウスピースだけで唇を震わせる「バズィング」を行い、音の芯を鍛える。
  • ロングトーン(長く安定した音)練習で息の支えと音色を整える。
  • スケールやアルペジオで指使いとイントネーションを確実にする。
  • 録音して自分の低音のピッチや音色を客観的に確認する。

レパートリーと代表的な作品・奏者

チューバ独奏曲や協奏曲は数は多くないものの、20世紀以降に増えてきました。オーケストラ作品ではマーラー、ストラヴィンスキー、ラフマニノフなどの作曲家が印象的なチューバパートを書いています。ブラスバンドやジャズでも重要な役割があり、スーザフォンを用いたソロや即興演奏も人気があります。

まとめ:チューバは大きさと低音の豊かさが特徴の金管楽器で、さまざまな編成やジャンルで不可欠な存在です。息とアンブシュアのコントロール、機構の理解、日々の手入れを通して、深い低音表現を身につけていくことができます。

チューバの使用

チューバは比較的高い音も出せますが、通常は低音(一番低い音)のパートを演奏します。

チューバはあらゆる音楽で使われ、オーケストラ、吹奏楽、ブラスバンド、ジャズグループ、ポップスグループ、ブラスアンサンブル、さらにはチューバカルテット(4人編成)でも見かけることができます。



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