米国国立測地調査局(NGS・NOAA所属)とは|座標系・測量・海図・潮汐の役割

米国国立測地調査局(NGS/NOAA)の役割を分かりやすく解説。座標系・測量・海図・潮汐・磁場計測まで、航行・測量・科学を支える基盤を詳述。

著者: Leandro Alegsa

National Geodetic Survey、旧称U.S.C.G.S.は、全米座標系を定義・管理するアメリカ合衆国連邦機関である。国土を計測し、地図を作成する。また、磁場や潮汐の測定も行う。1807年に議会が海岸の地図を作成するためにスタートした。交通や通信、地図や海図の作成、多くの科学や工学の用途に役立っている。1970年以降、米国商務省の海洋大気庁(NOAA)に所属している。

概要と役割

NGSは、地球上の位置や高さを正確に示すための国家基準(National Spatial Reference System, NSRS)の維持管理を主な任務とする機関です。NSRSは、経度・緯度・高低の基準となる座標フレーム、基準点(ベンチマーク)、およびそれらを結ぶ測地モデルから成り、測量、地図作成、土木設計、災害対応、海図作成、海岸管理など多岐にわたる分野で基盤データを提供します。

主な業務と提供サービス

  • 座標基準の設定・維持:国家座標系(例:従来の NAD83、NAVD88)を管理し、より高精度な新基準(例:2022年に導入が進められた新しい地理空間基準フレーム)への移行を支援する。
  • 測地基準点の管理:トラディショナルな物理的ベンチマークや、GNSS観測で用いる基準点を設置・記録。CORS(継続運用GNSS基準点)ネットワークの運用・データ配信によりリアルタイム/後処理で高精度な位置決定を可能にする。
  • 高低測定と重力観測:垂直基準の定義やジオイドモデル作成のために重力データ収集(例:GRAV‑D プログラム等)に関与し、地表高と海面との関係を精密に決定する。
  • 潮汐・海面高度の基準化:潮位基準点の設置や潮位データとの整合を図り、海抜(高)と潮位との換算や沿岸管理に必要な情報を提供する。潮汐観測や海面高度に関する他部門(CO‑OPS 等)との連携も行う。
  • データ配信とツール:測地成果(座標、基準点データ、ジオイドモデル、CORSデータ等)を公開し、オンライン処理ツール(例:OPUSなど)や変換サービスで利用者が容易に座標変換や位置決定を行えるようにしている。

歴史的背景

NGSの起源は1807年に設立された「海岸測量調査(Survey of the Coast)」に遡ります。その後組織名や役割は変遷し、19世紀末から20世紀にかけて海岸測量と測地調査を統合した組織として発展しました。1970年のNOAA創設時に海洋大気庁の一部となり、現在の名称と任務体系へと整理されました。長年にわたり、海図作成、航行の安全、沿岸管理、国家インフラ整備のための基準づくりを担ってきました。

現代の技術と利用分野

近年はGNSS(GPS 等)技術、リモートセンシング、航空重力測定、数値モデルを駆使して精度と利便性を向上させています。提供される情報は以下の分野で重要です:

  • 土木・建設(測量基準、設計基準の確立)
  • 沿岸保全・海岸管理(海面変動・高潮対策)
  • 災害対応(洪水予測、地殻変動の検出)
  • 地震学・地殻物理学(地盤変動の観測)
  • 航行や海図作成(NOAAの海図部門と連携)

他機関との連携

NGSはNOAA内部の他部署(海図作成や潮汐予測を担う部門など)や州政府、大学、国際測地機関とも緊密に連携しており、国境を越えた測地基準の整合やデータ共有も進めています。

利用者へのメリット

  • 公共・民間を問わず正確で一貫した座標・高さ参照が得られる。
  • オンラインツールとオープンデータにより、専門家だけでなく一般利用者でも高度な測位・データ変換が可能。
  • 新しい測地基準への移行支援により、将来の測位・測量ニーズに対応できる基盤が整備される。

以上のように、National Geodetic Survey(NGS)は、歴史ある測地機関としてアメリカ合衆国の地理空間基盤を支え、現代の測量・航海・防災・科学研究に不可欠なデータとサービスを提供しています。

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測地線標識のクローズアップ



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