ウルムとは|ドイツの歴史都市 — ウルマー・ミュンスター&アインシュタイン生誕地ガイド

ウルムの歴史と見どころを完全ガイド:世界一高いウルマー・ミュンスター、ドナウ河畔の街並み、アインシュタイン生誕地や大学・劇場の魅力を詳しく紹介。

著者: Leandro Alegsa

ウルム(Ulm)は、ドイツバーデン・ヴュルテンベルク州にある歴史都市です。定住の記録は西暦850年頃にさかのぼり、中世以降は商業と手工業で栄えました。現在は歴史的建造物と現代的な研究・産業が共存する街です。

ドナウ川の左岸に位置し、川を挟んだ右岸側は バイエルン州のノイウルムです。両市を合わせると人口は17万人以上になり、ウルム市単独でも約12万人前後の住民が暮らしています。街はドナウ沿いの旧市街(Altstadt)を中心に発展しており、川沿いの景観や古い木組みの家並みが魅力です。

主な見どころ

ウルマー・ミュンスター(Ulmer Münster)は街のシンボルで、教会の塔の高さは約161.53 mで「世界で最も高い教会の塔」として知られています。塔には約768段の階段があり、登るとドナウやアルプスまで見渡せる絶景が広がります。教会自体はゴシック建築の代表例で、内部のステンドグラスや彫刻も見どころです。

旧市街には古い市庁舎(Rathaus)や壁画のある建物群、石橋や運河に面した美しい「フィッシャーヴィートル(Fischerviertel:漁師地区)」があります。狭い路地や木骨造の家が残るこの地区は写真スポットとして人気です。

ウルム博物館(Ulmer Museum)は考古、民俗、美術のコレクションを所蔵し、先史時代やローマ時代の出土品から近代美術までを展示しています。また、街には小規模ながら特色ある個人博物館や展示施設が点在しています。

アルベルト・アインシュタイン生誕地

アルベルト・アインシュタインは1879年にウルムで生まれました。生誕地を記念するプレートやモニュメント、関連展示が街にあり、物理学者の生涯や業績に触れられる情報が得られます。アインシュタインゆかりのスポットは市内散策の際の見どころの一つです。

学術と産業

ウルム大学(Universität Ulm)は1967年に設立され、医学・自然科学・工学・情報学などを中心に研究教育を行っています。学生数は約7000人で、地域の研究開発・医療・ハイテク産業と強く結びついています。

また、ウルムは1953年から1968年まで存在したウルム造形学校(HfG Ulm)の発祥地で、国際的に影響力のあるデザイン教育の伝統があります。現在も中小企業からハイテク企業まで多様な産業が集積しています。

文化・イベント・郷土料理

ウルムでは伝統行事としてシュヴェルモンターク(Schwörmontag)という年に一度の祝祭があり、市長が市民に向けて誓いの演説を行うなどの儀式が行われます。街には「ウルマー・シュパッツ(Ulmer Spatz)」という伝説や、それにちなんだ像・土産もあります。

郷土料理はスワビア(シュヴァーベン)地方の影響を受け、シュペッツレ(Spätzle)マウルタッシェン(Maultaschen)などが名物です。カフェや地元レストランで郷土料理を楽しめます。

交通とアクセス

ウルム中央駅(Hauptbahnhof)は長距離列車(IC/ICE)の停車駅で、ミュンヘン、シュトゥットガルト、オーストリア方面への接続が便利です。高速道路(Autobahn)や地域道路も発達しており、車や自転車での移動もしやすい街です。ドナウ川沿いのサイクリングルートや遊覧船も観光の一部として人気があります。

観光のヒント

  • ウルマー・ミュンスターの塔に登るときは季節や営業時間を事前に確認してください(混雑時は待ち時間が発生します)。
  • 旧市街は徒歩で回りやすく、写真映えするスポットが多いので歩きやすい靴がおすすめです。
  • 夏はアウトドアイベントや川辺の散策が楽しめ、冬はクリスマスマーケットが開かれることがあります。

歴史的な風景と現代の研究・産業が共存するウルムは、短時間の観光から学術目的の訪問まで幅広く楽しめる都市です。興味がある分野に合わせて見所をピックアップすると良いでしょう。



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