『めまい』は、アルフレッド・ヒッチコック監督、ジェームズ・スチュワートとキム・ノヴァク主演による1958年のアメリカ映画である。ミステリー、ロマンス、精神分析的な主題を織り交ぜ、引退した探偵が、ある不穏な事件の調査に巻き込まれていく過程を描く。その物語の曖昧さ、映像表現、音楽の組み合わせにより、映画史上もっとも精査されてきた作品の一つとなった。

あらすじと中心主題

物語の核にあるのは、あるトラウマ的な出来事の後、依頼されて尾行することになった女性に執着していく調査員の姿である。『めまい』は、執着、アイデンティティ、記憶、そして男性の視線といった反復されるモチーフを探る。すっきりした解決を与えるのではなく、心理的な葛藤と、知覚や欲望が現実をどのように変えてしまうのかを強調している。

様式、音楽、映画技法

『めまい』は、独特の撮影と音響設計でも広く知られている。色彩と構図の使い方は主人公の内面を映し出し、カメラの動きと編集は方向感覚を失わせる効果を生む。作曲家ベルナルド・ハーマンのスコアは雰囲気づくりに不可欠で、サスペンスと感情的な不安をいっそう強めている。

  • しばしば「ドリーズーム」と呼ばれる革新的なカメラ技法は、めまいの感覚を視覚化しようとする試みとしてこの作品と結びつけられている。
  • 撮影、プロダクションデザイン、衣装が一体となって、時間感覚と心理を形づくっている。
  • 主演二人の演技は、脆さ、支配、そして変化するアイデンティティを際立たせている。

製作、公開、批評史

公開当時、作品は批評面で賛否が分かれ、興行成績も控えめだったが、数十年にわたり学術的・批評的な関心を高めていった。20世紀後半の修復作業と再評価が、その評価を確かなものにした。映画は複数のアメリカのフィルム登録簿や批評家のリストに載っており、しばしばヒッチコックの芸術的頂点を論じる文脈で言及される。アメリカ映画協会や国立フィルム登録簿のような機関も、その文化的・歴史的重要性を認めている。

遺産と影響

『めまい』の影響は、映画製作者、映画理論、そして大衆文化にまで及んでいる。物語構造、心理的深さ、形式上の革新性から、たびたび研究対象となる。映画史の正典における位置づけをめぐる議論は続いているものの、多くの批評家や投票では史上最高の映画の一つに挙げられており、物語、映像、心理の相互作用に関心を持つ人にとって中心的な作品であり続けている。