鋤骨(Vomer)とは|鼻中隔の解剖、構造・連結・機能をわかりやすく解説

鋤骨(Vomer)の解剖・構造・連結・機能を図解でわかりやすく解説。鼻中隔との関係や咬合、臨床的意義まで専門的要点を簡潔にまとめました。

著者: Leandro Alegsa

鋤骨(vomer)は頭蓋顔面の不対骨で、鼻中隔の後下部を形成する薄い板状の骨です。正中線上に位置し、上方では篩骨(垂直板)や蝶形骨と、下方では左右の上顎骨・口蓋骨と接して鼻中隔を構成します。

構造

鋤骨は薄く平らで、鋤(すき)の刃に似たやや三角形・四角形の形状をしています。骨は正中線に沿って垂直に配列し、鼻腔の後下部に位置します。表面はやや凹んでおり、側面に小さな溝があって血管や小神経が走ることがあります。

縁(境界)と連結

  • 上縁(superior edge):深い溝(または切れ込み)を示し、蝶形骨の吻(rostrum of sphenoid)および篩骨の垂直板と接合します。これにより鼻中隔の上部と連続します。
  • 前縁(anterior edge):やや長く前下方へ傾斜し、上部は篩骨の垂直板と癒合し、下部は鼻中隔軟骨(中隔軟骨)の溝と対合します。
  • 下縁(inferior edge):上顎骨と口蓋骨が作る鼻底の辺(鼻腔底の接合部)に嵌まり、これらの骨と咬合して安定を保ちます(上顎骨・口蓋骨の鼻中隔隆起と接する)。
  • 後縁(posterior edge):比較的薄く、上部で分岐する形をとり、骨性の突起や筋付着は少ないです。

まとめると、鋤骨は次の骨と関節(咬合)します:蝶形骨(1)、篩骨(1)、上顎骨(左右各1、計2)、口蓋骨(左右各1、計2) — 合計6個の骨。さらに、鼻中隔軟骨とも接しています。

機能と臨床的意義

  • 鋤骨は鼻中隔の後下部を形作ることで、左右の鼻腔を隔てる構造的支持を与えます。
  • 鼻中隔の偏位(いわゆる“鼻中隔湾曲”)や外傷・骨折では鋤骨が関与することがあり、鼻閉や呼吸障害の原因となることがあります。
  • 耳鼻咽喉科の手術(例:鼻中隔矯正術=septoplasty)では、必要に応じて鋤骨の一部を除去・修整することがあります。
  • 解剖学的ランドマークとして副鼻腔手術や頭蓋底手術で重要です。

名称の由来と混同への注意

“鋤骨(vomer)”という名前はラテン語の「vomer(鋤の刃)」に由来し、骨の形状から名付けられました。

注意点として、英語で“vomer”と似た語に“vomeronasal organ(VNO)=ヤコブソン器官(vomeronasal organ/ボメロナル器官)”がありますが、これは別の構造です。鋤骨は骨組織であるのに対し、ヤコブソン器官は一部の動物で発達する化学受容器(フェロモン感知に関与)です。多くの哺乳類(猫や馬など)ではVNOが発達しておりフレメン反応(Flehmen response)で知られますが、人間ではVNOは退化的で機能については議論があります。鋤骨そのものが化学受容器である、という記述は誤りです。

まとめ

  • 鋤骨は鼻中隔の後下部をなす薄い不対骨で、鼻腔の左右を分ける重要な支持構造である。
  • 蝶形骨、篩骨、左右の上顎骨・口蓋骨と接合し、鼻中隔軟骨とも連結する。
  • 鼻中隔の変形や外傷、鼻科手術において臨床的に重要な骨である。
  • ヤコブソン器官(vomeronasal organ)とは別物である点に注意する。

質問と回答

Q: vomerとは何ですか?


A:鼻腔の中央に位置する顔面および頭蓋骨(頭蓋)の、対になっていない薄い骨です。

Q:糸球体はどこにあるのですか?


A: 鼻腔の中央にあります。

Q:糸球体はどんな形をしていますか?


A:台形をしています。

Q:糸球体の役割は何ですか?


A:鼻中隔という鼻の呼吸器の真ん中の壁の一部です。

Q: 対になる骨ですか?


A:いいえ、対にならない骨です。

Q:大きい骨ですか、小さい骨ですか?


A:小さな骨です。

Q: 鼻中隔の一部を構成している他の骨は何ですか?


A:鼻中隔の一部を構成する他の骨には、篩骨(しこつがい)と上顎骨(じょうがくこつ)があります。


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