ウェットスーツとは ネオプレン製断熱衣の定義、発明者、用途と種類
ウェットスーツは、スキューバダイビングやシュノーケリング、ウィンドサーフィン、サーフィンをする人が冷たい海水の中で体を温めるために使用する衣服である。ウェットスーツは、ジャック・オニールによって発明された断熱材として機能し、体の熱を保持するのに役立つ。ウェットスーツは、プラスチックやネオプレンなどのゴム素材でできている。ウェットスーツには、胴体カバー、レギンス、頭カバー、手足カバーがある。
定義と基本的な機能
ウェットスーツは、体と水との間に薄い水の層を保持することで体温を保つ断熱衣です。素材の気泡構造が断熱性と浮力を与え、冷たい水の熱を奪われるのを抑えます。完全に水を遮断するドライスーツとは異なり、ウェットスーツは適度に水が入ることを前提としています。
発明者と歴史
ジャック・オニールが20世紀中頃に現在のウェットスーツの原型を考案し、サーフィンやダイビングに広がりました。以降、素材や縫製技術の改良により薄手・厚手・伸縮性を高めた製品が開発され、さまざまなスポーツ用途に合わせたタイプが生まれました。
素材と構造
- ネオプレン:現在もっとも一般的な素材で、閉泡(クローズドセル)構造の合成ゴム。断熱性・浮力・耐久性に優れる。
- 表面加工:ナイロンやスパンデックスの裏地で耐久性と着脱性を向上。
- 厚さ:通常2mm〜7mmが多く、用途や水温により選ぶ。例:夏用の薄手(2mm)、冷水用の厚手(5〜7mm)。
- 縫製と接合:縫い目は「縫い合わせ」「グルー+ブラインドステッチ」「シームテープ処理」などがあり、防水性と伸縮性が変わる。
主な種類
- フルスーツ(ロングジョンとも):全身を覆う一般的なタイプ。冷水向け。
- スプリングスーツ(ショートジョン/ショーティ):半袖・半ズボンで温暖な水域向け。
- ファーマージョン/ファーマーレス(シングレット型):胴体重視の保温をするタイプ。
- セパレート(ジャケット+パンツ):着脱が容易で体温調節がしやすい。
- フード、グローブ、ブーツ(ブーティー):頭部・手足の保温用アクセサリー。
- トライアスロン用:泳ぎやすさと浮力を両立する専用設計。
断熱の仕組み
ウェットスーツ内部には薄い水の層が入り、体温でその水が暖められます。ネオプレン自体の気泡(空気)も断熱層として機能し、熱の放散を減らします。適切にフィットすることで余分な水の出入りが抑えられ、保温効果が高まります。
用途
- スキューバダイビング、シュノーケリング:水中での体温維持と浮力確保。
- サーフィン、ウィンドサーフィン、カイトサーフィン:波や風にさらされる外気と水温から保護。
- ウェイクボード、カヤック、ボート活動:冷水・冷風からの防寒。
- トライアスロン:泳ぎの効率と一時的な保温(大会では規定あり)。
フィットとサイズの選び方
ウェットスーツはぴったりとフィットすることが重要です。ゆるすぎると大量の水が出入りして保温効果が落ち、きつすぎると血流が阻害され動きにくくなります。試着時は腕や脚を動かして違和感がないか確認してください。
接合・ジッパーの種類
- バックジップ:着脱が容易だが背中に水が入りやすい。
- チェストジップ:水の侵入が少なく柔軟性が高い。
- ジッパーレス(セミドライ設計含む):縫い目の工夫で最大限の防水を図る。
お手入れと保管
- 使用後は真水でよくすすぎ、海水や塩分・砂を落とす。
- 直射日光や高温を避け、風通しの良い日陰で裏返して干す。
- 金属部分(ジッパー)は塩分で腐食するため、特に洗浄・乾燥を徹底する。
- 長期保管は平らに置くか、太めのハンガーで形を崩さないように保管。
環境面と代替素材
従来のネオプレンは石油由来ですが、近年は石灰石ベースのネオプレンやリサイクル素材、廃タイヤや発泡ゴムの再利用など環境負荷を下げる取り組みが進んでいます。製品ごとの素材表示を確認すると良いでしょう。
注意点
- ウェットスーツは完全な保温を保証するものではなく、極端な低温環境ではドライスーツや追加の保温具が必要。
- 熱中症や低体温のリスクがあるため、水温や活動内容に応じた厚さ・タイプの選択が重要。
- ダイビング時の減圧に直接関係するわけではないが、保温状態は安全な浮上や体調管理に影響する。
以上を踏まえ、ウェットスーツは素材・厚さ・縫製・フィットを目的に合わせて選ぶことが大切です。適切なケアを行えば長持ちし、安全で快適なマリンスポーツを支えてくれます。


ウェットスーツ姿の2人
部分用ウェットスーツ
水があまり冷たくない地域でダイビングやウォータースポーツをする場合、胴体カバーやレギンスなど、ウェットスーツの一部だけを着用することがあります。
ウェットスーツとは、海に行く人が着る衣服のことです海やダイビングに行くときは、生命やシステムを守る役割を果たすので、とても重要です。
フルウェットスーツ
水深の深いところでは、胴体、脚、頭、手足を覆うフルウェットスーツを着ることが多い。水温が非常に低い場合は、ドライスーツを着用することもあります。
- ドライスーツ:スクーバダイバー用の防護服の一種で、ダイバーを濡らさないようにするもの。ドライスーツは、ダイバーの体に水が触れることがない。北極海などの極寒の海でも着用できる。