ZIPとは:意味と用途 — 圧縮ファイル・郵便番号などの解説
「ZIPとは?」をわかりやすく解説。圧縮ファイルや郵便番号などの意味・用途を図解と実例で詳述。検索で役立つ基礎知識を短時間で理解。
zipまたはZIPを意味する場合があります。
圧縮ファイルとしてのZIP
ZIPは、複数のファイルやフォルダを一つのアーカイブにまとめ、必要に応じて圧縮するためのファイル形式(拡張子は通常 .zip)です。1989年にフィル・カッツ(Phil Katz)が開発した PKZIP が起源で、現在でも最も広く使われているアーカイブ形式の一つです。主にデータの配布やバックアップ、フォルダ単位での送付に用いられます。
ZIPファイルの主な特徴
- 複数ファイルの結合:複数のファイルやフォルダを1つのアーカイブにまとめられます。
- 圧縮方式:デフォルトでは Deflate(可逆圧縮)がよく使われますが、ストア(圧縮しない)やより高度な方式(AESなど)を使うこともできます。
- ディレクトリ構造の保持:元のフォルダ構成をそのまま保持できます。
- メタデータ:各ファイルのタイムスタンプや属性を保存できます。
- 署名・暗号化:従来のZIP暗号(zipcrypto)は脆弱ですが、AES暗号をサポートする実装もあります。
- MIMEタイプ:一般的には application/zip。
- ファイルシグネチャ:先頭バイトは通常 PK\x03\x04(16進で 50 4B 03 04)です。
よく使われるツールとコマンド例
- Windows:エクスプローラーで右クリック → 「送る」→「圧縮(zip形式)フォルダー」
- macOS:Finderで選択して右クリック → 「圧縮」
- Linux・コマンドライン:
zip -r archive.zip フォルダ名 unzip archive.zip
- フリーソフト/サードパーティ:7-Zip、WinRAR、PeaZip、The Unarchiver など(7-Zipは高圧縮・多フォーマット対応)
- 7-Zipコマンド例:
7z a archive.zip フォルダ名 7z x archive.zip
暗号化とセキュリティ上の注意
- パスワード付きZIP:パスワードで保護できますが、従来のzipcryptoは解析されやすいので機密性が必要な場合はAESなど強力な暗号をサポートする実装を使ってください。
- マルウェアの配布:ZIPはメール添付やダウンロードでよく使われるため、悪意のある実行ファイルが含まれることがあります。差出人不明のZIPは開かない、アンチウイルスでスキャンするなどの対策を行ってください。
- 内容の確認:アーカイブ内のファイル名に相対パス(../)や長いパスで展開先を意図せず上書きされるリスクがあるため、信頼できるツールで展開することが重要です。
ZIPと他の圧縮形式の比較
- .zip:互換性が高く、ほとんどのOSで標準サポート。
- .tar.gz / .tgz:Unix系でよく使われ、tarで束ねてからgzipで圧縮する形式。ディレクトリ属性の保存に優れる。
- .7z:7-Zipの形式で、圧縮率が高いが一部環境での互換性が劣る場合がある。
- .rar:WinRARの形式で強力だがライセンス上の制約がある。
郵便番号(ZIPコード)としての「ZIP」
英語圏では ZIP code が郵便番号を意味します。特にアメリカ合衆国の郵便番号制度(ZIP=Zone Improvement Plan)で用いられ、通常は5桁、拡張形式の ZIP+4(5桁+ハイフン+4桁)もあります。日本の郵便番号は通常「〒」で表し、形式や運用が異なりますが、海外向けの住所記入では「ZIP code」を使う場合があります。
その他の意味・用例
- 俗語:「zip」は「ゼロ(何もない)」を意味することがあります(例:I got zip = 何も得られなかった)。
- 製品名:Iomegaの「Zipドライブ」など、過去に「Zip」というブランド名の記憶媒体がありました。
- 動詞として:圧縮する、素早く移動する、といった意味で使われることもあります。
実務でのおすすめポイント
- 互換性重視ならZIPを選ぶ。ほとんどの環境で扱える。
- 機密データはAESなど強い暗号で保護するか、別途暗号化(例えばGPG)を併用する。
- 大容量のバックアップや高圧縮が必要なら .7z 等も検討する。
- 不審なZIPは開かない、またはサンドボックスや仮想環境で中身を確認する。
以上が「ZIP(zip)」の主な意味と用途の解説です。用途に応じて圧縮形式や暗号方式を選び、セキュリティに注意して利用してください。
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