2012年フランス大統領選挙は、2012年4月22日(第1回投票)と5月6日(第2回投票)に実施されたフランスの大統領選挙です。現職の大統領であるニコラ・サルコジは再選を目指して2期目に立候補しました。フランスの大統領選は過半数を得た候補がいない場合、上位2名による決選投票(2回投票制)で勝者を決定します。

主な候補者

主要候補は以下の通りです。

  • 大衆運動連合」ニコラ・サルコジ(現職)
  • 社会党」のフランソワ・オランド
  • 「国民戦線」のマリーヌ・ルペン
  • 「左翼戦線」のジャン=リュック・メランション
  • 「民主主義運動」のフランソワ・バイルー
  • 「緑の党」のエヴァ・ジョリー
  • 「Debout la France」のニコラ・デュポン=アイグナン
  • 「新反資本主義党」のフィリップ・プウトゥ
  • 「Lutte Ouvrière」のナタリー・アルソー
  • 「連帯と進歩」のジャック・シュミナード

投票結果(概要)

第1回投票(2012年4月22日)では、上位2候補が決選投票に進出しました。得票率はおおむね次の通りです(小数点以下の数値は公式集計とほぼ一致します)。

  • フランソワ・オランド:約28.6%(第1回) — 第2回に進出
  • ニコラ・サルコジ:約27.2%(第1回) — 第2回に進出
  • マリーヌ・ルペン:約17.9%(第1回)
  • ジャン=リュック・メランション:約11.1%(第1回)

第2回投票(2012年5月6日)では、フランソワ・オランドが過半数を獲得して当選しました。最終的な得票率はオランド約51.6%、サルコジ約48.4%で、投票率は依然高く、約80%前後でした。

争点と背景

選挙は、欧州債務危機の余波、経済停滞と高い失業率、財政赤字といった経済問題が中心課題となりました。オランドは経済成長と雇用の創出を重視し、緊縮財政一辺倒ではない政策への転換を訴えました。一方、サルコジは治安対策や経済改革の継続を主張し、実績を前面に出して再選を図りました。

また、マリーヌ・ルペン率いる「国民戦線」の躍進は、移民問題や国民の不満を背景にした極右勢力の影響力の拡大を示し、左派のメランションも注目を集めるなど、従来の二大政党以外の勢力も存在感を示しました。

選挙の意義とその後

オランドの勝利は、1995年以降の中道・保守政権からの転換を意味し、社会党の大統領誕生は長年にわたる政治地図の変化を示しました(フランソワ・ミッテラン以来の社会党系大統領の復活と位置づけられることが多い)。当選後、オランドは首相に社会党のジャン=マルク・エロー(Jean-Marc Ayrault)を任命し(任命日は2012年5月中旬)、続く6月の国民議会(下院)選挙でも社会党を中心とした連合が過半数を獲得しました。

政権交代は欧州レベルでも注目され、ユーロ圏の財政規律と成長戦略の調整、対独関係や対EU政策での調整が求められました。オランド政権は当初、成長重視の政策を掲げつつも、財政再建とのバランスを取る難しい課題に直面しました。

補足

フランス大統領選は有権者の関心が高く、地方選や欧州選挙と合わせて国内政治の方向性を左右します。2012年選挙は、経済政策の優先順位や社会福祉・雇用対策、移民・治安問題といった多層的な争点が重なった選挙でした。