2016年トルコクーデター未遂(7月15日)—概要・被害・エルドアン政権の粛清

2016年7月15日トルコクーデター未遂の経緯と被害、逮捕・逃亡の実態、エルドアン政権による大規模粛清の背景と影響を分かりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

2016年7月15日、トルコでクーデター未遂事件が発生し、大統領レジェップ・タイップ・エルドアンの国の運営方法に異を唱え、政府を乗っ取ろうとする集団が現れました。この人たちの多くはトルコ軍出身者であったと考えられています。100人以上が死亡し、1,000人以上が負傷しました。数千人の兵士が、反乱に参加したなどの理由で逮捕された。数百人がギリシャや他の外国に逃亡しました。2016年のトルコの粛清で、数千人の教師、裁判官、その他の政府職員が解雇された。

出来事の経緯(概要)

2016年7月15日の未遂クーデターは、トルコ国内の一部軍人が政府を打倒して権力を掌握しようとした試みです。クーデター勢力は首都アンカラや最大都市イスタンブールを中心に行動し、戦車や軍用機を動員して主要な橋や空港、国会議事堂、国営放送局(TRT)などを一時的に制圧しました。政府側とクーデター勢力との間で銃撃や空爆が発生し、市民も大規模な抗議・抵抗行動に参加しました。大統領(原文の表記はレジェップ・タイップ・エルドア)は国外にいるところから直接ではなかったものの、携帯電話で通話し市民に街頭に出るよう呼びかけたと報じられています。

死傷者・被害

  • 死者数:報道や政府発表により異なりますが、公式発表では数百人規模の死者が出たとされ、民間人や治安部隊、クーデター参加者を含みます。初期の混乱の中で多数の民間施設や車両も被害を受けました。
  • 負傷者:数百〜数千人が負傷し、病院での治療や救助活動が行われました。
  • インフラ被害:主要道路や橋の封鎖、空港機能の一時停止、テレビ局や国会議事堂への攻撃などがあり、市民生活と交通に大きな混乱をもたらしました。

背景と関与が疑われた勢力

トルコ政府はクーデター未遂の背後に、米国在住のイスラム指導者フェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gülen)とその支持者(いわゆる「ギュレン運動」)がいると断定しました。ギュレン自身は関与を否定しており、米国は法的手続きに従う考えを示しましたが、トルコ側は強く引き渡しを求めました。独立した調査や国際機関の評価は分かれており、クーデターの全容解明は国内外で議論が続いています。

政府の対応と大規模な粛清・弾圧

  • 非常事態宣言:トルコ政府は7月20日に非常事態(State of Emergency)を発令し、その後数回延長しました。非常事態は治安対策強化の名目で多くの行政措置を可能にしました。
  • 逮捕・拘束・解雇:政府発表では、クーデター関与の疑いで数千人の軍関係者が拘束・逮捕されました。また、数万〜十数万規模で教員、裁判官、警察、官僚、大学職員、報道関係者などが職を解かれたり停職処分を受けたりしました。正確な数字は政府発表と国際人権団体の報告で差がありますが、規模は非常に大きく、社会全体に広範な影響を与えました。
  • メディア・学術界への影響:非常事態下で多くのメディア機関が閉鎖され、ジャーナリストが拘束されました。大学や市民団体にも弾圧が及び、学術の自由や表現の自由が大きく制約されるとの国際的な懸念が表明されました。
  • 司法と政治の変化:クーデター未遂後、政権は治安対策と並行して国家機構の再編を進め、2017年には大統領制強化を内容とする憲法改正(国民投票)を実施しました。これは大統領の権限拡大をもたらし、国内の政治的対立をさらに深めました。

国際的な反応と影響

欧米諸国やNATOはクーデターそのものには原則として反対し、トルコの民主的秩序の尊重を求めましたが、一方でトルコ政府による大規模な粛清や人権侵害には懸念を示しました。特にEUや人権団体は報道の自由や司法の独立の後退を批判しました。米国はギュレンの引き渡し要求に対して法的手続きを重視する姿勢を示し、両国間で緊張が生じました。

経済面では、政治的混乱が信頼を損ない通貨や株式市場に悪影響を与え、観光への打撃もありました。長期的には外国投資や対外関係に影響を残しています。

その後と現在の評価

  • クーデター未遂の直接的な影響は鎮静化しましたが、事件を契機に拡大した粛清・弾圧はトルコ社会の分断を深めました。
  • 多数の裁判が行われ、多くの有罪判決や懲役刑が言い渡されましたが、公正な裁判手続きや証拠開示に関する国際的な疑念も指摘されています。
  • 長期的には、国家安全保障と人権・法の支配とのバランスが問われ続けており、国内外からの監視と批判が続いています。

まとめ(要点)

  • 2016年7月15日のクーデター未遂はトルコ現代史における重大事件であり、死傷者と広範な社会的・政治的影響を残した。
  • 政府はギュレン運動を主導者と断定し、大規模な粛清を実施。これにより行政、司法、教育、報道など多方面で大規模な人事・制度変動が起きた。
  • 国際社会はクーデター自体の非合法性を非難する一方、トルコ政府の対応については人権・法の支配の観点から懸念を表明した。

注:本文中の数字や評価は情報源や時期により差異があるため、正式な統計や詳細な検証には公式報告書や国際機関の調査報告を参照することを推奨します。また、原文表記(例:レジェップ・タイップ・エルドア)は本文の一部として保持していますが、トルコ語の一般的な表記は「レジェップ・タイイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdoğan)」です。



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