ビット(ハミ・馬具)とは|役割・種類・選び方と使用上の注意

ビット(ハミ)の役割・種類・選び方・使用時の注意点を図解と実践アドバイスでわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

ビットとは、馬の口内に装着して馬を導き、制御や合図を伝えるための馬具(ハミ)の一種です。馬の頭部に固定するための手綱や、騎手が握って馬を操作する手綱(手綱はビットに取り付けられる)を介して作用します。ビットの「マウスピース」は口に入る部分で、材質は通常金属が多いですが、プラスチックやゴム、シリコン、銅芯入りなどさまざまなものがあります。

ビットの構造と作用のしくみ

ビットは主にマウスピース(口に入る部分)とチーク(頬部の金具、シャンクやリング)からなります。作用はおもに次の2つの原理で馬に伝わります。

  • 直接的圧力(ダイレクトコンタクト):口の両端(口角)や舌、歯茎に短い力で直接伝わる。代表例はスナッフル(snaffle)系。
  • てこ(レバレッジ)作用:シャンク(柄)の長さやカーブにより、顎革(キューブ)や鼻、下顎に圧力がかかる。代表例はペルハム(Pelham)やカーブ(curb、シャンク付きビット)系。

主な種類と特徴

  • スナッフル(Snaffle):レバレッジがほとんどなく、直接的に口角や舌に作用する。シングルジョイント、ダブルジョイント(フレンチリンクなど)、ウォーターフォードなどマウスピース形状の違いがあり、滑らかなマウスピースは一般に「柔らかい」と感じられる。
  • カーブ(Curb、シャンク付きビット):シャンクの長さで作用が強くなる。顎革や口の底部に圧力がかかるため、使用には注意が必要。
  • ペルハム(Pelham):スナッフルとカーブの両方の要素を持ち、2本の手綱で制御できる。レバレッジと直接作用を組み合わせた使い方ができる。
  • ダブルブライドル(Double bridle):ブリドルに2つのビット(通常はブリストル(小さめのスネーク?)とカーブ系)を組み合わせ、2本の手綱で非常に細かい指示を出す。競技や上級者の調教で用いられることが多い。

材質と馬への影響

  • 金属(ステンレス、スチール、銅混合):耐久性が高く反応がはっきり出やすい。銅を含むと唾液分泌が促されやすい。
  • ゴム・シリコン:柔らかく馬の口に優しいが、壊れやすい場合がある。噛む癖のある馬には向くことがある。
  • プラスチック:軽くて扱いやすいが、熱変形や破損の恐れがある。

用途別の選び方

  • 初心者や口先が敏感な馬:まずはシンプルで柔らかいスナッフル系(滑らかなマウスピース)から始めるのが安全です。
  • 引っ張る癖がある馬や強い制御が必要な場面:ペルハムやカーブなどレバレッジのあるビットを検討する。ただし使用者の技術と馬のコンディションに応じて慎重に選ぶ。
  • 上級調教や競技:ダブルブライドルなど、2本の手綱を使い分けることで細かな指示が可能になる。扱いには熟練が必要。
  • 競技規則:競技種目や級によって使用できるビットが制限されていることがあるので、事前に規則を確認する。

ビットのフィッティング(装着時の注意点)

  • 幅:ビットは馬の口幅に合うものを選ぶ。幅が広すぎると横に動き、狭すぎると口角を圧迫する。
  • 高さ:嘴(くちばし部)の位置ではなく、口角の端に軽く触れる程度で、通常は口角に2~3つのしわ(しわが寄る程度)になるのが目安。
  • 顎革(キューブ)の調整:カーブ系やペルハム使用時は顎革で圧力を分散させ、適切に装着する。
  • 定期点検:装着前にサドルやブリドルの状態、ビットのバリや変形、さびを確認する。

使用上の注意(安全・馬の健康)

  • 強く引っ張りすぎない:過度の力は口内の損傷や痛みを引き起こす。特にレバレッジの強いビットは誤用で重大な傷害を与える可能性がある。
  • 馬の反応を観察する:よだれの増加、口を開ける、頭を振る、拒否反応(後退・噛む・舌を出す)などが見られたら調整や別のビットの検討を。
  • 段階的なトレーニング:新しいビットは短時間から始め、馬が慣れるまで徐々に使用時間を延ばす。
  • 定期的な口内ケア:歯の不正咬合や切れ傷、口腔内の炎症があるとビットで悪化する。獣医や馬の歯科(歯均し)専門家に診てもらう。
  • 初心者は穏やかな選択を:経験の浅い騎手は馬を傷つけないために柔らかめのビットを使用し、指導者の助言を受けること。

まとめ

ビットは馬とのコミュニケーションを取る重要な道具であり、種類や形状、材質によって馬への影響が大きく変わります。正しいフィッティングと適切な使用法、馬の状態を常に確認することが安全で効果的な乗馬の基本です。ビット選びや使い方に迷ったら、信頼できる調教師や獣医、経験者に相談してください。

質問と回答

Q:ビットとは何ですか?


A:銜えとは、馬をコントロールするために馬の口にくわえる器具の一種です。手綱や銜え紐に取り付けて、騎乗者が持って馬に合図を送ります。

Q:ビットは通常どのような材料でできていますか?


A:ビットは通常金属製ですが、プラスチックやゴムでできている場合もあります。

Q:ビットの種類によって、どのように機能するのですか?


A: ビットの種類によって効き目が異なります。ビットの種類によっては「柔らかい」ものがあり、引っ張られたときに、硬いビットに比べて馬に優しく作用します。例えば、滑らかなマウスピースは、ねじれたマウスピースよりもソフトです。

Q:ビットは正しく使えば残酷なものですか?


A:いいえ、正しく使用すれば、ビットは馬にとって残酷なものではなく、効果的なものです。しかし、騎乗者が強く引っ張りすぎると、馬の口を傷つける可能性があります。特にきついビットを使用した場合は注意が必要です。

Q:経験の浅い騎乗者はソフトビットを使うべきですか?


A:はい、経験の浅いライダーはソフトビットを使用した方が、ミスをしたときに厳しいビットのように馬を傷つけることがありません。経験豊富なライダーは、より厳しいビットを使用することで、馬を傷つけずにコントロールすることができます。

Q:ウエスタン乗馬ではどのようなビットが一般的ですか?


A:ウェスタン乗馬では通常、カーブビットを使用します。

Q:鞍乗りと上級馬場馬術にはどのような銜が必要ですか?


A:乗馬や馬術では、2種類の銜を装着するダブルブライドルを使用します。


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