カーミット・アーネスト・ホリングスヘッド・ラブ(Kermit Ernest Hollingshead Love、1916年8月7日 - 2008年6月21日)は、アメリカの人形師、衣装デザイナー、俳優であり、子供向けテレビやブロードウェイで幅広く活躍した人物です。特に彼はマペットの制作で知られ、なかでもセサミストリートのために手がけた仕事が最も有名です。
初期の経歴
ラブは若い頃から、人形製作やマリオネット制作に携わり、ブロードウェイの舞台や舞踏(バレエ)関係の仕事で経験を積みました。当時の劇場やバレエ団の演出家や衣装チームと密に協働し、舞台用衣装や身に着ける大型の造形物の製作技術を磨きました。こうした舞台経験が、後のフルボディ型(全身)人形の設計・製作に大きく役立ちました。
ジム・ヘンソンとの協働とビッグバードの誕生
1960年代、ドン・サーリンのすすめでラブはジム・ヘンソンと面会しました。舞台での長年の経験により、ラブは全身を使う大型人形(フルボディ・パペット)の制作法や構造に精通しており、その技術はすぐに評価されました。その結果、ラブはビッグバードをはじめとするセサミストリートの大型マペット制作に参加し、衣装の設計から内部構造の工夫までを担当しました。なお、彼自身の名前が「カーミット」であったことと、ヘンソンが既に制作していたカーミット・ザ・フロッグの名前ではありませんでした。
業績と影響
ラブはセサミストリート以外にも、多くの舞台作品やテレビ番組の衣装・人形制作に携わり、1990年代から2000年代初頭にかけても創作活動を続けました。舞台用の精密な衣装制作技術と人形工学を結び付け、テレビの人形表現を一段と豊かにした点が彼の大きな功績です。また、多くの人形師や衣装デザイナーに影響を与え、後進の育成や助言にも貢献しました。
晩年と死去
ラブは2008年6月21日、ニューヨークのポキプシーで心不全のため逝去しました。享年91。彼は長年のパートナーであるクリストファー・ライアルを遺しました。ラブの仕事は今も多くの人形師や番組制作者に影響を与え続けており、彼の設計した人形や衣装は演劇史・テレビ史に残る重要な遺産となっています。