ノーフォーク(イングランド東部の郡)— ノリッチとノーフォーク・ブローズの概説
ノーフォーク州の魅力を凝縮:歴史あるノリッチと自然豊かなノーフォーク・ブローズ、海岸線や野生動物、観光スポットをガイド。
ノーフォーク州はイングランド南部のイースト・アングリア地方に位置する低地の郡である。西はリンカーンシャー、西と南西はケンブリッジシャー、南はサフォークと国境を接している。北と東の境界はザ・ウォッシュを含む北海沿岸である。郡庁所在地はノリッチである。ノーフォークには、有名な観光地であり野生動物の宝庫であるノーフォーク・ブローズがある。
地理と地形
ノーフォークは概して平坦で低地が多く、湿地帯や干潟、長い砂浜の海岸線が特徴である。内陸部には穀物畑や牧草地が広がり、川や運河が網の目のように通っているため、排水や治水が重要な課題となる。人口は比較的散在しており、主要都市はノリッチを中心に形成されている(人口はおおむね約90万人規模)。
気候
海洋性気候の影響を受け、冬は比較的温暖で夏も過度に暑くならない。降水量は年間を通じて均等だが、海岸地域やブローズの湿地では霧が発生しやすい。
歴史の概略
ノーフォークは古くから人々が住む地域で、ローマ時代・アングロ・サクソン期を経て発展してきた。中世には羊毛や織物業で栄え、ノリッチは重要な交易都市としての地位を築いた。第二次世界大戦中は沿岸防備や航空基地が置かれ、現在でも軍事施設が点在する。
ノリッチ(郡庁所在地)の見どころ
- ノリッチ大聖堂:12世紀建立の歴史的建築で、塔や美しい内部装飾が見られる。
- ノリッチ城:かつてのノーマンの城塞で、現在は博物館や展示施設として公開されている。
- 大学:イースト・アングリア大学(UEA)など教育・研究機関があり、文化・学術の拠点となっている。
ノーフォーク・ブローズ(The Broads)
ノーフォーク・ブローズは運河や河川、広大な湿地が織りなす水辺の景観で、ボート遊びやバードウォッチングで知られる。多様な野生動物が生息し、特に水鳥や湿地性植物が豊富である。ブローズの保全や水域管理はBroads Authorityが主に担っており、観光と自然保護の両立が図られている。
自然と野生動物
- 水辺の鳥類(チュウヒ、アオサギ、カモ類など)
- 希少な湿地植物や水生昆虫
- 干潟や砂浜は渡り鳥の重要な中継地となっている
経済と産業
農業(穀物、ビート、野菜など)が経済の基盤である一方、観光業も重要な収入源だ。沿岸部では漁業やマリーナ産業が発展しており、近年は洋上風力発電など再生可能エネルギー関連の活動も増えている。
交通とアクセス
ノリッチへは鉄道(ロンドン方面への直通列車あり)や主要道路(A11など)でアクセスできる。地域内は道路が中心だが、ブローズでは水上交通が観光の重要な手段となっている。空路ではノリッチ国際空港が国内・一部国際便を運航する。
文化と暮らし
ノーフォークには独特の方言(ノーフォーク方言)や民俗行事が残り、田園的なライフスタイルが色濃い。食文化では海産物や地元産の農産物を使った料理が親しまれている。
観光のヒントと注意点
- ブローズや海岸を訪れる際は、潮汐や天候の変化に注意すること。
- 湿地帯では足元がぬかるみやすいため、歩行時は適切な靴を履くこと。
- 自然保護のため、指定されたルートやルールを守って行動すること。
ノーフォークは穏やかな田園風景と豊かな湿地生態系、歴史的な町並みが共存する地域であり、自然観察やのんびりとした観光を楽しみたい人に向いている場所である。

ノーフォーク州の旗

イギリス・ノーフォーク
ノーフォーク州の人々
- イギリスの海軍司令官ホレイショ・ネルソン(1758-1805)は、ノーフォークのバーナム・ソープで生まれました。
- テットフォードに住むスティーブ・フリント(1961年生まれ)は、19歳の時、ノーフォークの選手として初めてマイルで4分を切る走力を身につけました。彼は、1980年5月26日にバーミンガムで開催されたインターカウンティ選手権でこれを達成しました。
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