グレゴリー式望遠鏡は、2枚の凹面鏡を用いて光を集め、焦点を結び、主鏡の後方にある接眼部へ光を戻す初期の反射望遠鏡の設計である。この構想は1663年、スコットランドの数学者・天文学者であるジェームズ・グレゴリーによって提案された。グレゴリーはこの光学的な着想を公表したが、グレゴリー式に基づく反射望遠鏡の実用的な最初の製作は、その後ロバート・フックによって完成された。グレゴリー式は、初期の望遠鏡製作で主流だったレンズ式の器具に取って代わる、あるいはそれを補ういくつかの古典的な反射設計の一つであり、像を作るためにレンズではなく意図的に鏡を用いる。また、歴史的・技術的な関心を保ち続けている望遠鏡の一種である。
設計と光路
光は筒の開口端から入り、大きな凹面の主鏡に当たる。主鏡は光線を主鏡の手前で実像として結ばせるが、その焦点に達する前に、光は主焦点の先に置かれた小さな凹面の副鏡によって受け止められる。副鏡は収束している光束を主鏡中央の穴を通して後方へ反射し、観察者や機器は主鏡の後ろから光を受け取ることができる。どちらの鏡も凹面であるため、グレゴリー式は焦点面に正立像(上下反転しない像)を結び、初期の地上観測や一部の計測用途に有用だった。
特徴と技術的な注記
- 鏡: 主鏡・副鏡ともに凹面であり、主鏡は通常、光を集める深い鏡、 副鏡は焦点を再結像させるように形状と位置が決められる。
- 像の向き: 多くの反射設計のように像が反転せず、追加の光学系を使わずに正立像を得られる。
- 実効焦点距離: 2枚鏡の幾何学により、同じ焦点比の単純な単一鏡構成よりも、筒の長さに対して長い実効焦点距離が得られる。
- 後焦点距離: 一般に十分に長く、主鏡の後方に機器を置きやすい。
歴史と比較
グレゴリーは17世紀にこの反射設計を公表したが、競合する反射配置であるニュートン式望遠鏡は1668年にアイザック・ニュートンによって製作され、平面の斜鏡と側方配置の接眼部を用いた。グレゴリー式が実際に使われるようになったのは、グレゴリーの記述から約10年後にフックが製作してからである。凸面の副鏡を用いる関連設計であるカセグレン式と比べると、グレゴリー式は両方の鏡が凹面で、正立像を返す。一方、カセグレン式は同じ実効焦点距離なら通常は筒を短くでき、現代の大型天体観測装置ではより一般的である。
用途・利点・限界
グレゴリー式の配置は、正立像が有利な場合や、長い後焦点距離へのアクセスが重要な場合に利点がある。歴史的には、地上用の望遠鏡や一部の天文用器具で製作者の関心を引いた。限界としては、同等のカセグレン式配置に比べて物理的な筒が一般に長くなること、さらに副鏡の形状と位置に対する感度が高いことが挙げられる。現代では、変形型や最新の光学補正により、グレゴリー式の副鏡は、特定の工学的要求に合う場合に電波アンテナのフィードや特殊な光学系に採用されることがある。
今日ではカセグレン式やニュートン式ほど広く使われてはいないが、グレゴリー式望遠鏡は光学設計史において重要な位置を占める。その発明は、色収差や純粋なレンズ式望遠鏡の他の限界を克服するために反射面を利用しようとした最も早い提案の一つであり、後のアマチュア用・ პროფესიული用機器の両方の発展に影響を与えた原理を形作った。