インヒアレント・ヴァイス(2014年の映画)
ポール・トーマス・アンダーソンがトマス・ピンチョンの小説を映画化した2014年作品。1970年代ロサンゼルスの私立探偵を描く、サイケデリックなネオ・ノワールで、ホアキン・フェニックスの主演と賛否の分かれた評価で知られる。
『インヒアレント・ヴァイス』は、トマス・ピンチョンによる2009年の小説を原作とし、ポール・トーマス・アンダーソンが脚本・監督を務めた2014年のアメリカ映画である。ダークコメディと時代の空気を色濃く含むネオ・ノワールとして提示され、ピンチョンの濃密でエピソード的な物語を、1970年代初頭の陽光に満ちながらも猜疑心の漂うロサンゼルスへと移し替えている。探偵ものの約束事とカウンターカルチャーのサイケデリアを混ぜ合わせ、意図的に霞がかかったような、省略の多い映画体験を生み出している。
あらすじと主題。物語は、私立探偵で常習的なマリファナ使用者でもあるラリー「ドック」・スポーテロを追う。彼は元恋人シャスタ、裕福な不動産王の失踪、そして企業、犯罪組織、法執行機関が絡む複雑な事件に巻き込まれていく。筋書きは意図的に整然とした要約を拒み、雰囲気、偶然、そして移行期にある社会の混乱を強調する。繰り返し扱われる主題には、1960年代のカウンターカルチャーの終焉、制度的腐敗、記憶、真実の捉えがたさがある。
画像ギャラリー
2 画像キャスト
- ホアキン・フェニックス — ドック・スポーテロ役の主演
- ジョシュ・ブローリン
- オーウェン・ウィルソン
- キャサリン・ウォーターストン
- エリック・ロバーツ
- リース・ウィザースプーン
- ベニチオ・デル・トロ
- ジェナ・マローン
- ジョアンナ・ニューサム
- ジーニー・バーリン
- マーヤ・ルドルフ — ほかの助演陣とともにアンサンブルを構成
- マイケル・K・ウィリアムズ
- マーティン・ショート
製作と作風。アンダーソンは、原作に特有の気まぐれさと不穏さの混合を捉えようとし、ゆるやかで即興性のある演技と、歴史的な時代を想起させるサウンドトラックを重視した。撮影と編集は、時に散漫にも感じられる穏やかで夢幻的なリズムを形作るが、それは意図されたものである。主人公の精神状態と、原作の連想的な構造の双方を反映している。車、衣装、音楽といった時代考証的な細部に、影に包まれた室内、尋問、入り組んだ手掛かりなどのノワール的モチーフを周到に組み合わせている。
公開と評価。2014年の映画祭でのプレミア上映後、本作は同年12月12日からアメリカで限定劇場公開された。批評家の反応は賛否両論で、ホアキン・フェニックスのカリスマ的な演技と作品固有の雰囲気を称賛する評が多かった一方、筋立てを不透明、あるいは過剰とみなす意見もあった。脚本は主要な賞の選考団体から評価され、アカデミー賞脚色賞にもノミネートされた。
特筆すべき点と遺産。ピンチョン作品の映画化には、その濃密さ、ユーモア、物語の脱線ゆえに特有の困難が伴う。アンダーソンの映画はしばしば、原作の精神への忠実さと映画という媒体の要請との均衡をいかに取ったかという観点から評価される。一部の観客にとっては、味わい深い雰囲気の作品であり、原作の調子を忠実に移し替えたものだった。他方で、楽しめるが困惑させられるミステリーと受け取る観客もいる。それでも本作は、著名な監督が、複雑さで名高い小説を映像化しようとした注目すべき例であり続けている。
著者
AlegsaOnline.com インヒアレント・ヴァイス(2014年の映画) Leandro Alegsa
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