オクトパシーは、1983年のイギリス製スパイ・アクション映画で、ジョン・グレンが監督し、Eon Productionsが製作した。長く続くジェームズ・ボンド・シリーズの第13作であり、ロジャー・ムーアがエージェント007を演じている。本作はメトロ・ゴールドウィン・メイヤーによって配給され、冷戦時代に公開された。スパイ映画が東西対立を劇的な背景として用いることが一般的だった時期の作品である。

あらすじと主題

物語は、殺害されたエージェント、いくつかの密輸工作、そして大規模な破局につながりかねない国際的陰謀を結びつける手がかりを、ボンドが追う形で進む。作品は、スパイ活動、アクション演出、異国的なロケーションを、ユーモアのある場面とともに組み合わせている。また、西側の安全保障を脅かす計画を描くことで、冷戦への不安も取り込んでいる。

出演と制作

ジョン・グレンは、豪華なロケ地、実用的なスタント、そしてQが供給するガジェットといった、ボンド作品らしい要素を備えたチームを率いた。題名はイアン・フレミングの短編小説に由来し、さらに他のフレミング作品の要素も取り入れて長編の物語が組み立てられている。音楽は本作のために作られ、主題歌は当時のポップ歌手によって歌われた。

評価とその後

公開時、オクトパシーは興行的に好調で、ロジャー・ムーア期のボンド映画の中でもよく知られた作品の一つとして残っている。批評は分かれ、アクション場面や制作面を評価する声がある一方、トーンのばらつきや定型的な要素を批判する意見もあった。のちに本作は、色彩豊かで、時にキャンプ的でもあり、1980年代ボンドの典型例として存在感を保ってきた。

注目点

本作は、サーカスの場面、フレミングの原作要素をもとにした宝石オークションの筋書き、そして軽妙な場面と緊迫した冷戦設定の組み合わせでしばしば記憶される。ボンド役として6回目の出演となるムーアにとって、オクトパシーはシリーズの転換点に位置し、以前の作品に見られるより真面目な調子と、シリーズ特有の華やかな見せ場とをつないでいる。