チェリーピッキング(確認バイアス)とは?意味・事例・対策を解説

チェリーピッキング(確認バイアス)の意味・具体例と科学・医療での危険性、実践的な対策を分かりやすく解説。偏りを見抜くコツも紹介。

著者: Leandro Alegsa

チェリーピッキングとは、自分の主張や期待を裏付ける事例・データだけを選んで示し、反対の証拠や全体像を無視する行為です。しばしば「確認バイアス(confirmation bias)」と結びつき、意図的なものもあれば無意識の選択によることもあります。

典型的な例

たとえば、新薬に関する研究が20件あり、そのうち19件が有効だと結論づけているのに、1件の否定的な研究だけを取り上げて「この薬は効かない」と主張するのがチェリーピッキングです。現実には、研究の質やサンプルサイズ、測定方法の違いなどを総合的に判断する必要がありますが、特定の結果だけを抜き出すと誤解を招きます。

語源とニュアンス

「チェリーピッキング」という語は、木から熟した実だけを摘み取る様子に由来します。外から見れば摘まれたチェリーだけを見て「この木の実は全部赤くて甘い」と誤解するように、選ばれた一部の事例だけを見せることで全体を誤って印象づけるのです。この言葉には、観客を欺く意図や、事実を軽視しているといった否定的な含意が含まれます。

科学・医学における問題点

医学や科学分野でチェリーピッキングが行われると、誤った結論や治療方針の決定につながるため「悪い科学」と見なされます。特に臨床や公衆衛生の分野では、人命や社会的意思決定に直接影響するため重大です。

チェリーピッキングの主な種類

  • 選択的引用:自分の主張を支持する論文だけを引用し、反対の研究を無視する。
  • 文脈の切り取り:引用文を文脈から外して意味を変える。
  • 強調の偏り:ある証拠を大げさに取り上げ、他の証拠を軽視する。
  • アウトカムの選択:複数の結果指標のうち、有利に見える指標だけを報告する(Selective reporting)。
  • サブグループの恣意的利用:多数の解析のうち都合の良いサブグループ結果だけを強調する。
  • 公表バイアス:陽性結果だけが出版され、否定的結果は出回らない(publication bias)。

疑似科学とチェリーピッキング

疑似科学では、科学的な印象を与えるためにチェリーピッキングが多用されます。実際の科学研究は方法や条件が異なると結果が食い違うことがあり、その中から自分に都合の良い研究だけを選べば、科学的根拠があるかのように見せかけられます。研究間の差異は、測定法の違いや人為的なミス、あるいは単なる偶然が原因である場合もありますが、疑似科学者はこれを利用して主張を強化します。研究同士が矛盾することは珍しくないため、複数の研究群を無視して都合のよい一例だけを取り上げることが可能です。

チェリーピッキングを見分けるチェックリスト

  • 主張の根拠として引用されている研究が多数あるか、あるいは単一の研究だけかを確認する。
  • 引用された研究が十分なサンプルサイズと適切な方法論を持っているかをチェックする。
  • 反対の証拠や否定的な研究への言及がないかを探す(「なぜ他の研究は無視されているのか」を問う)。
  • 引用やデータが文脈から外して使われていないか確認する。
  • メタアナリシスや系統的レビューが存在するかを調べ、総合的な結論を参照する。
  • 一次データや事前登録(preregistration)、方法の透明性が示されているかを確認する。

対策と防止策

  • 研究者側:事前登録やプロトコルの公開、すべての結果の報告、データの共有、登録報告(registered reports)の採用などで選択的報告を抑える。
  • 編集者・査読者:否定的結果の重要性を認め、出版バイアスを減らすための方針を採る。
  • 一般読者・メディア:一つの研究だけで結論を出さず、複数の信頼できるレビューやガイドラインを参照する。主張を裏付ける複数の独立した証拠の有無を確認する。
  • 政策決定者:エビデンスの品質評価(GRADEなど)を用いて、全体のエビデンスに基づいた判断をする。

具体的な日常例

  • ソーシャルメディアで「ある人が副作用を経験した」といった単発の事例だけを強調してワクチン全体の安全性を否定するケース。
  • 気候変動の議論で、短期的な一時的な寒冷化のデータだけを取り上げて長期的な温暖化傾向を無視すること。
  • ダイエット食品が「ある試験で効果があった」と宣伝するが、その試験が小規模・非盲検であり、対照群がない場合。

最後に

チェリーピッキングは意図的な誤導にも、無意識の偏りにもよって起こります。重要なのは、一つのデータや印象だけで短絡的に結論を出さない姿勢です。特に医療・科学の分野では、複数の高品質な研究を総合的に評価すること、透明性と再現性を重視することが信頼できる結論につながります。情報に接したときは上に挙げたチェックリストを使い、疑問があれば原典や系統的レビューを確認する習慣を持ちましょう。

質問と回答

Q:チェリーピッキングとは何ですか?


A:チェリーピッキングとは、誰かが自分の意見をサポートする証拠を選択し、それをサポートしない証拠を無視したり隠したりすることです。これは確証バイアスの一種であり、「悪い科学」あるいは疑似科学の兆候と見なされることがあります。

Q:チェリーピッキングという言葉はどこから来たのですか?


A: チェリーピッキングという言葉は、人が木からチェリーを収穫するとき、チェリーピッカーが最も赤く熟した果実だけを取ることから来ています。もし、その人が収穫したさくらんぼの実を全部見たら、全部赤い実だと思うかもしれませんが、木の上に行くと、まだ熟していない淡い色のさくらんぼがたくさんついていました。

Q:さくらんぼ狩りはどのような形で行われるのでしょうか?


A:チェリーピッキングにはいくつかの形態があります。チェリーピッキングの最も明白な例は、ある論点を支持する証拠のみを使用し、それを支持しない、あるいはそれに反する他の証拠を無視したり、隠蔽したりすることです。他の例としては、その考えを支持する証拠に多くの重点を置き、他の証拠にはほとんど重点を置かない、引用を文脈から取り出して本来の意味とは異なる意味に見せかける、などがあります。

Q:疑似科学とは何ですか?


A:疑似科学とは、科学的根拠がないにもかかわらず、あたかも真実であるかのように見せかける主張のことです。多くの疑似科学者は、自分たちの主張を支持するために、本当の科学的証拠を選んでいます。

Q:科学には矛盾した研究がよくあるのでしょうか?


例えば、ある結果を測定するために異なる方法が用いられたり、人為的なミスや偶然によって異常な結果がもたらされたりするような場合です。つまり、誰かが自分の主張を支持するために使える研究がしばしばあり、多くの研究がそれに反していても、その1つの研究を選ぶことができるのです。

Q: たった一つの失敗した研究を使うということは、どのような行動を意味するのでしょうか?


A: 失敗した研究を一つだけ使うということは、確証バイアス(人は自分が見たい、あるいは期待するものに対する証拠を見て、自分の信念に反する証拠を無視すること)を意味します。また、この方法を用いて聴衆を欺こうとすることは「悪い科学」とみなされるため、欺瞞を暗示しています。


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