ミジンコ(クラドセラ)とは|淡水性甲殻類の種類・形態・生態まとめ
ミジンコ(クラドセラ)の種類・形態・生態を図解で徹底解説。生殖や休眠卵、分散の仕組みと見分け方まで、淡水甲殻類の基礎をわかりやすくまとめました。
ミジンコ目ミジンコ科に属する甲殻類。現在までに約620種が確認されており、さらに多くの未記載種が存在する。
内陸の水辺ではどこにでもいるが、海では珍しい。体長0.2〜6.0mmで、頭部は下を向き、胸部と腹部は甲羅で覆われているものが多い。中央部に複眼が1つある。ノミのようにピクピクとした動きで泳ぐ。
ほとんどの種は周期的な単為生殖を行い、無性生殖に有性生殖が加わることがある。有性生殖では休眠卵を産み、過酷な環境下でも生き残り、遠方の生息地へ分散することができる。
分類と代表種
「ミジンコ」は一般にクラドセラ類(Cladocera)を指す総称で、淡水プランクトンを構成する重要なグループです。代表的な属にはDaphnia(ミジンコ属)、Moina、Bosmina、Chydorusなどがあり、特に実験や毒性試験で用いられるのはDaphnia属(例:Daphnia magna, Daphnia pulex)です。
形態の特徴
- 体長: 種によって0.2〜6.0mm。成長段階で大きさが変わる。
- 外殻(甲羅): 胸部と腹部が一対の殻板で覆われ、体側が殻によって保護されている。種によっては背側に突起や角(ヘルメット状)を持つものもある。
- 複眼: 中央に1個の複眼を持ち、光や影を感知する。原文どおり複眼が1つある。
- 触覚(第二触角): 主に遊泳に使われ、規則的に拍動させて泳ぐ。これにより特徴的な「ピクピク」した跳ねるような泳ぎ方になる(原文参照:ノミのように)。
- 胸肢: 濾過給餌に使う多数の胸肢があり、水流を作って微小藻類や微粒子を捕える。
生態・分布
淡水の湖沼、溜池、河川の緩流域、田んぼ、湧水域など、多様な内陸水域に広く分布します(原文どおり内陸の水辺では至る所に存在)。塩分の高い海域では種類が限られるため珍しいです。
水温、光、栄養塩、捕食圧などの環境因子に敏感で、これらの変化に応じて個体数が大きく変動します。
食性と役割
- 食性: 主に濾過摂食性で、微小藻類(藍藻を含む)、シスト、細菌、デトリタス、原生動物の幼生などを食べる。胸肢で微粒子を捕らえ口に送る。
- 食物連鎖での位置: 一次生産者(藻類)を効率的に摂取し、魚類や水生昆虫の主要な餌資源となるため、淡水生態系の物質循環とエネルギー流において重要な役割を果たす。
- 水質指標: ミジンコの群集構造や個体数の変化は水質や富栄養化、汚染の指標として利用されることがある。
行動と移動
短い拍動で跳ねるように泳ぐため、一見するとランダムに見える動きをします。種や個体のサイズにより泳法や反応速度は異なります。また、休眠卵(有性生殖で作られるもの)は乾燥や低温に耐え、鳥類や風により長距離分散することがあるため、新しい水域へ到達しやすいです。
繁殖と生活史
多くのミジンコは周期的単為生殖(cyclical parthenogenesis)を行います。普段は無性生殖(単為生殖)で雌が通常の(有核の)卵を産み、これが孵化して雌を増やしますが、環境が悪化すると有性生殖が誘導されます(原文参照:ほとんどの種は周期的な単為生殖を行い、無性生殖に有性生殖が加わる)。有性生殖によって作られた受精卵は頑丈な殻に包まれた休眠卵(エフィピウム:ephippium)となり、長期間休眠できます。
- 単為生殖期: 短期間で爆発的に増殖し、個体群を維持する。
- 有性生殖期: 日長・温度・餌不足・密度ストレスなどの環境トリガーで雄が出現し、受精卵(休眠卵)を作る。
- 休眠卵の特性: 干上がりや低温を越えて生存でき、堆積物中で数年〜数十年生存する場合もある。これにより時間的・空間的な分散と種の持続が可能になる。
捕食者と防御
魚類、トビケラやコオロギの幼虫、その他の甲殻類や大型の原生動物などが捕食者です。防御としては、形態的適応(角や突起、殻の厚化)、行動的適応(斑紋や群集形成、昼夜の垂直移動)や化学的・生理的応答(捕食者のフェロモンに対する反応)を示す種があります。
人間との関わり
- 研究利用: Daphnia属は生態学・進化学・毒性学のモデル生物として広く用いられる。短寿命で培養が容易なため、環境汚染物質の急性・慢性毒性評価に利用される。
- 水質評価: 群集構造や種多様性の変化から、富栄養化や化学汚染の指標として用いられる。
- 養殖・水産: ミジンコは稚魚の餌としても重要で、人工飼育下で増やして給餌することがある。
観察・採集のコツ
- プランクトンネットや細目のろ過器で採取し、ルーペや顕微鏡で観察する。
- 採集は風や水温、日照の条件で結果が変わるため、複数回行って比較するのが良い。
- 休眠卵は底泥に多く含まれるため、堆積物の採取・孵化実験が有効。
以上のように、ミジンコ(クラドセラ)は淡水生態系で重要な位置を占め、種多様性、生態機能、環境指標、生物学的研究素材として幅広い価値を持っています。
質問と回答
Q:クラドセラとは何ですか?
A:ミジンコと呼ばれる小型の甲殻類です。
Q: 現在までに何種の生物が確認されていますか?
A: 現在までに約620種が確認されています。
Q: クラドセラはどこに生息しているのですか?
A: 不定形生物は内陸の水辺に多く生息していますが、海洋では稀です。
Q: ほとんどのクラドセラの大きさはどのくらいですか?
A: ほとんどのクラドセラは、長さ0.2~6.0mmです。
Q:クラドセラはどのように泳ぐのですか?
A: ノミのようにピクピクとした動きで泳ぎます。
Q: 単為生殖とは何ですか?
A:単為生殖とは、無性生殖に有性生殖が加わることをいいます。
Q: 有性生殖で作られる休眠卵は何のためにあるのですか?
A: 有性生殖によって生み出される休眠卵は、種が過酷な環境を生き延び、遠くの生息地に分散することを可能にします。
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