X-Men: Dark Phoenix(日本題:ダーク・フェニックス)は、2019年公開のアメリカのスーパーヒーロー映画で、原作コミックの「ダーク・フェニックス・サーガ」を基にした作品です。シリーズのメインラインとしては7作目、スピンオフ作品などを含めると通算で12作目にあたります。監督はサイモン・キンバーグ(長編監督デビュー)、主演はソフィー・ターナー(ジーン・グレイ)で、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンスらシリーズの主要キャストが再登場します。
概要・背景
本作は長年にわたって映画化が望まれていた「ダーク・フェニックス」編を、フランチャイズのタイムラインに合わせて描いた再解釈版です。制作は20世紀フォックスが手がけ、スタジオの合併や製作段階でのリテイク(追加撮影)、脚本の調整などを経て公開されました。宣伝や公開時期の事情もあり、興行的には当初の期待には届かない結果となりましたが、興行成績自体は世界で約2億5,240万ドルを記録しています。
あらすじ(ネタバレを含む可能性があります)
宇宙からのエネルギーによって生じた事故の影響で、ジーン・グレイは強大な力(ダーク・フェニックス)を手に入れます。初めは自分の力をコントロールしようとするジーンですが、次第に内面の恐れや過去のトラウマ、外部からの圧力が引き金となり、力が暴走。彼女を救おうとするX-MENたちと、ジーンを利用しようとする勢力との間で対立が深まります。物語はジーンの葛藤と、それに伴うチームの変化、犠牲を描き、シリーズの主要人物それぞれの成長や関係性が問われる展開になります。
キャスト・スタッフ
- ジーン・グレイ:ソフィー・ターナー
- チャールズ・エグゼビア(プロフェッサーX):ジェームズ・マカヴォイ
- エリック・レーンシャー(マグニートー):マイケル・ファスベンダー
- ミスティーク:ジェニファー・ローレンス
- クイックシルバー:エヴァン・ピーターズ
- ビースト、サイクロップス、ストームなどシリーズの常連キャラクターも出演
- 監督:サイモン・キンバーグ(脚本・製作も担当)
- 音楽・映像効果・アクションシーンなどは大規模な制作体制で作られている
製作経緯と問題点
本作は企画段階から制作に至るまでに複数の変更がありました。監督業はキンバーグの長編デビューであり、スタジオ側の意向や試写の反応を受けたリテイクが行われたことが報じられています。こうした製作上の混乱や、シリーズとしてのこれまでの設定との整合性の取り方が批評の対象になりました。
評価・興行成績
批評家と観客の評価は分かれました。以下の点が主に指摘・評価されています。
- 好評だった点
- ソフィー・ターナー、マイケル・ファスベンダーらの演技やキャラクターの感情的な描写を評価する声
- 登場人物同士の関係性やジーンの内面を中心に据えたドラマ性
- 一部のアクションシーンや特殊効果、クイックシルバーの見せ場など
- 批判された点
- 脚本の粗さやヴィラン(敵役)の描写不足、動機付けの弱さ
- 編集やプロットの詰めの甘さから来るテンポの悪さ、設定の説明不足
- 宣伝とのギャップやシリーズの総決算としてのまとまりの欠如
興行的には、製作費や宣伝費を考慮すると採算的に厳しい面があり、公開時には「期待を下回った」と評されました。それでも世界的には約2億5,240万ドルの興行収入を上げています。
影響・その後
本作の評価や興行結果は、今後のX-MENフランチャイズの在り方やリブートについての議論につながりました。のちの作品や配給権の移行(スタジオ統合など)を踏まえ、シリーズは再構築の段階に入っています。また、本作は俳優たちの演技面での評価が改めて注目されるなど、単なる興行成績だけでは語れない側面も残しました。
まとめ
『ダーク・フェニックス』は、原作の有名エピソードを現代的な映画として再構築した試みでしたが、制作上の問題や脚本の整合性の不足から、評価は賛否両論となりました。演技や一部シーンには高評価がありつつも、シリーズの締めくくりとしては不完全だとする意見も多く、X-MEN映画史の中で議論を呼ぶ一作となっています。