ロウの区分は、ニューサウスウェールズ州にあるオーストラリア下院の連邦選挙区で、シドニーの西郊に位置していました。主にパラマッタ川の南岸地域を包含し、以下の郊外がこの選挙区に含まれていました:ドラムモイン、ファイブドック、クロイドン、クロイドンパーク、バーウッド、エンフィールド、ホームブッシュ、ストラスフィールド、コンコード、ローズ、カナダベイ、カバリタ、アボッツフォード、モートレイクなど。都市部に近く、住宅地と商業地が混在する地域です。

選挙区名の由来

選挙区名は、19世紀の有力政治家でありニューサウスウェールズ州議会の元議員、さらに後に英国の内務大臣(Home Secretary)を務めたロバート・ロウにちなんで名付けられました。ロウは植民地政治と本国政治の両方で影響力を持った人物として知られています。

歴史(1949–2009)

このディビジョンは1949年5月11日に創設され、1949年の連邦選挙に初めて登場しました。初代かつ最も著名な議員は、サー・ウィリアム・マクマホン(Sir William McMahon)で、彼は1950年代から1982年までこの議席を維持しました。マクマホンは1971年から1972年にかけて首相を務め、ロウ選挙区は長年にわたって彼の地盤となっていました。

マクマホン退任後は、選挙区の人口構成や住民の移動に伴い度重なる区割り(リディストリビューション)により境界が変化し、次第に“接戦(マージナル)”となりました。労働党(ALP)と自由党(Liberal Party)との間で議席が移ることがあり、地域の多文化化・都市化が選挙結果に影響を与えてきました。

地理と人口の特徴

ロウはシドニー中心部に比較的近い郊外地域を含み、住宅地、商業施設、公園や河岸地域が混在します。戦後からの移民流入で住民構成が変化し、多くの出自を持つ住民が共生する多文化な地域となりました。こうした人口動態の変化が選挙区の政治的性格にも影響を与えています。

廃止とその後

2009年の選挙区再編(リディストリビューション)により、ロウの席は廃止されることが決定されました。廃止は2010年の連邦選挙に向けて実施され、ロウの地域の大部分は近隣のReid課に編入されました。これは有権者数の不均衡を是正し、人口変動を反映するための定期的な区割り見直しの一環でした。

政治的意義

ロウ選挙区は、長年にわたりオーストラリア連邦政治にいくつかの重要な人物を輩出したほか、都市近郊における多文化共生と社会変動が投票行動にどのように影響するかを示す事例となりました。創設から廃止までの約60年間で、選挙区の境界や有権者構成がどのように変化したかを追うことは、地域政治の理解に役立ちます。

(注)ここで述べた日付や主要事実は、選挙区創設時期・代表者・廃止に関する公式記録に基づくものです。詳細な選挙結果や各回の候補者情報については、選挙管理機関や議会記録をご参照ください。