建築基礎とは|定義・種類・施工方法と鉄筋コンクリートの役割
建築基礎の定義から種類、施工方法、鉄筋コンクリートの役割まで図解で解説。地盤別の基礎選びや長寿命化のポイントが分かる入門ガイド。
基礎とは、建物の一番下にある部分で、地盤から建物の荷重を受け止めて地面に伝える役割を持ちます。建物を長持ちさせるには、強固で適切に設計された基礎が必要です。特に重い建物や柔らかい地盤では、より深い基礎や地盤改良が求められます。
基礎の種類と使い分け
- 浅い基礎(直接基礎):地表近くで支持する基礎。住宅など荷重が比較的小さい場合に用いられます。代表的なものに布基礎、独立基礎、べた基礎(スラブ基礎)があります。
- 深い基礎(杭基礎):支持層が深い場合や非常に大きな荷重がある場合に用いる基礎で、杭を地中深く打ち込んで支持力を得ます。
- 地盤改良:軟弱地盤では、地盤改良や置換、柱状改良などを行って基礎容量を確保します。
基礎の一般的な施工の流れ
基礎工事は設計と地盤調査を基に段階を踏んで進めます。主な工程は以下の通りです。
- 地盤調査(ボーリングや表面調査)と設計:地盤の支持力や地下水位を確認して、適切な基礎形式を決定します。
- 根切り・掘削:施工場所の不要土を掘り取り基礎底を整形します。基礎を作るために、エンジニアは地面に溝を掘ることもあります。固い地盤に到達するまで掘るのです。
- 砕石敷設や転圧、地盤改良:必要に応じて路盤を作るか、地盤改良を行います。
- 型枠・鉄筋組立:基礎の形状に合わせて型枠を施工し、鉄筋を配筋します。配筋は耐力・耐久性に直結する重要工程です。
- コンクリート打設:溝が十分に深くなったら、丈夫で硬い材料で埋めます。コンクリートが使われることが多く、施工時には配合、スランプ管理、季節に応じた打設条件に注意します。
- 締固め・仕上げ・養生:打ち込んだコンクリートは適切に締固め、表面を仕上げ、一定期間十分に水分を保持して養生します。
- 検査・仕上げ:強度試験や目視点検を行い問題がなければ、上部構造の工事を進めます。
コンクリートは、さらに強度を高めるために、細長い丸い鉄片を溝に入れることで補強されます。コンクリートが乾くと、鋼鉄が基礎を一体化して支える構造になります。これを鉄筋コンクリートと呼びます。
鉄筋コンクリート(RC基礎)の役割とメリット・注意点
- 役割:コンクリートは圧縮に強く、鉄筋は引張に強いため、両者を組み合わせることで曲げやせん断にも耐える強い基礎を作れます。地震時の変形を抑え、荷重を均等に伝達する働きがあります。
- メリット:耐久性が高く、形状の自由度がある。防火性や水密性にも優れます。
- 注意点:鉄筋のかぶり厚(コンクリート表面から鉄筋までの距離)不足は鉄筋の錆を招き、耐久性能を低下させます。十分なかぶりと適切な配筋、排水対策、適切なコンクリート配合・養生が重要です。
設計・維持管理のポイント
- 必ず地盤調査に基づいた設計を行い、想定される荷重や地震力に適した基礎を選ぶ。
- 施工時は品質管理(コンクリート強度試験、配筋検査、目視による欠陥確認など)を徹底する。
- 長期的にはひび割れや沈下、排水状況、基礎周りの湿気や腐食を定期点検し、必要に応じて補修や防水対策を行う。
基礎は建物の安全性と寿命に直結するため、設計・施工・維持管理の各段階で専門家(構造設計者・地盤技術者・施工管理者)と連携して進めることが重要です。

カメルーンで家の基礎工事をする少年たち。
超高層ビルの鉄骨基礎、カルガリー。
質問と回答
Q:工学における基礎とは何ですか?
A:基礎とは、建物を長く立たせるために必要な、建物の最も低い部分のことです。
Q:なぜ建物には強固な基礎が必要なのですか?
A:建物を安定させ、長く立たせるためには、強固な基礎が必要です。
Q: 基礎の深さにはどのような要素が影響しますか?
A: 建物の重量と土の柔らかさが基礎の深さに影響します。
Q: 技術者はどのようにして基礎を作るのですか?
A: 基礎を作るために、技術者は固い地盤に達するまで地面に溝を掘り、コンクリートのような強くて固い材料で埋めます。
Q: 鉄筋コンクリートとは何ですか?
A: 鉄筋コンクリートとは、コンクリートを流し込む前に、細長い丸い鉄片を溝に入れることで強度を高めたコンクリートのことです。
Q: 基礎が固く詰められたり、固く乾燥したりするとどうなりますか?
A: 基礎がしっかりと固められたり、固く乾いたりしたら、建物の建設が始まります。
Q: なぜ工事を始める前に基礎をしっかり固めることが重要なのですか?
A: 建物を安定させ、長く建てることができるようにするためです。
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