ガトリングガンとは|誕生から衰退までの歴史と仕組み、ミニガンとの違い

ガトリングガンの誕生から衰退までの歴史と仕組み、ミニガンとの違いを図解でわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

ガトリングガンは、たくさんの銃身を持ち、その銃身をぐるぐる回して弾丸を発射する機関銃である。世界で初めて作られた機関銃の一つとされ、発明者はアメリカのリチャード・J・ガトリング(Richard J. Gatling)で、1860年代に考案・特許化された。南北戦争で北軍が使用したのが始まりとされるが、当時は重くて高価だったため広範な普及には至らなかった。19世紀後半には各地の戦場で使われ、アングロ・ズールー戦争、戊辰戦争、米西戦争などでも記録が残っている。20世紀初頭には、より扱いやすく信頼性の高い単一銃身式の機関銃が登場したため一時衰退したが、後に電動や油圧で銃身を回転させる方式に改良され、航空機や艦載の高火力兵器として復活した。

ミニガンはガトリングガンの基本原理(複数の銃身を回転させて高い発射速度を得る)を受け継いだものである。伝統的なガトリングガンは手でクランクを回して動作させるため、単純に引き金を押すだけで連射する「自動小銃」や単一銃身の自動火器とは区別される。現代のミニガンは電動で銃身を回転させるため、実用上は完全な回転式自動機関銃として扱われる。

発明と仕組み

ガトリングガンの基本原理は、複数の銃身が円周上に並び、順次同じタイミングで薬室に弾薬が装填され、発射、薬莢(かかく)の排出が行われる点にある。銃身が回転することで各工程が機械的に分担され、過熱を軽減しながら短時間に多数の発射を可能にする。主な構成要素は以下の通りである。

  • 回転する銃身群:複数(初期は6本程度)の銃身が回転して順番に発射される。
  • 給弾機構:弾薬を薬室へ送り込む装置。初期は給弾トレイやマガジン、後期はベルト給弾が一般的。
  • 作動源:初期は手動のクランク、現代は電気モーターや油圧モーターで回転させる。
  • 撃発機構:回転に連動してハンマーや撃針が作動し、順次発射する。

歴史的な流れ(誕生から衰退、そして復活)

  • 誕生(1860年代):リチャード・ガトリングによって発明、南北戦争期に導入されたが大量生産と運用の面で制約があった。
  • 19世紀後半の使用拡大:植民地戦争や地域紛争で高火力の利点が評価され、一部で採用された。
  • 20世紀初頭の衰退:単一銃身で高い信頼性を持つボルトアクション機関銃や軽量な機関銃が普及し、従来型ガトリングは次第に姿を消した。
  • 20世紀中盤の復活:電動や機械式駆動を取り入れて回転式の利点(非常に高い発射速度と冷却性)を活かす設計に改良され、航空機の機関砲(例:M61バルカン)や車両・艦載の機関砲として再び実戦配備された。

動作の段階(簡略化した流れ)

  • 銃身が回転する。
  • 弾薬が給弾口から薬室に押し込まれる(装填)。
  • 銃身が所定位置にきたところで撃発機構が作動し発射される。
  • 発射後、薬莢が抜かれて排出される。
  • 次の銃身に処理が移り、同様のサイクルが繰り返される。

ガトリングガンとミニガンの違い

基本原理は同じだが、運用・駆動・用途が異なる点がある。

  • 駆動方式:ガトリングガン(歴史的なもの)は手動クランクで駆動される。ミニガンは電動モーターで銃身を回転させる。
  • 発射速度:手動式は人間の力に依存して比較的低め。電動式(ミニガン)は数千発/分の高レートを出せる。
  • 用途:歴史的ガトリングは陸上での固定据え付けや防御に使われたことが多い。ミニガンは主に航空機、ヘリコプター、車両搭載、特殊部隊用として移動体に搭載されることが多い。
  • 自動性の違い:古典的なガトリングはクランクを回し続ける必要があり“完全自動”とは言い難い。一方で現代の電動回転銃は引き金操作でモーターを作動させ自動的に連射するため、運用上は自動火器である。

発射速度と口径の目安

モデルや仕様によって大きく変わるが、一般的な目安は次の通りである。

  • 古典的なガトリング:数百発/分程度(設計・操作により幅あり)。
  • 現代のミニガン(例:M134):数千発/分(約2,000〜6,000発/分)を出せる機種が多い。
  • 航空機用回転砲(例:M61ヴァルカン):約6,000発/分程度の高い発射速度を持つ。

長所と短所

  • 長所:
    • 銃身を分散して使用するため連射時の過熱に強い。
    • 構造上、非常に高い発射速度を実現できる。
    • 電子・機械的駆動と組み合わせることで信頼性と制御性が向上する。
  • 短所:
    • 機構が比較的複雑で保守が必要。
    • 初期のモデルは重量やコストが高かった。
    • 高レートの弾薬消費と発射時のリソース(電力・弾薬供給)を要する。

現代での位置づけと用途

現代では、ガトリングの原理を受け継いだ回転式機関砲は、航空機やヘリコプター、艦艇、車両搭載の近接防御装置などに広く用いられている。高速で多数の弾を短時間に投射できるため、防空や近接火力支援、対人・対軽装甲任務で有効である。また、非軍事用途では射撃性能を生かした映画や展示、歴史復元でも利用されることがある。

よくある誤解

  • 「ガトリング=常に手動」:歴史的には手動式が主流だったが、現代の同系統兵器は電動や油圧駆動が一般的である。
  • 「ミニガンはまったく別物」:構造や発想は同系だが、駆動方法や用途が近代化されている点で差がある。

まとめ

ガトリングガンは、銃身を回転させることで高い連射性と過熱対策を実現した革新的な兵器であり、発明当初は運用面で課題があったものの、その基本原理は現代の高火力自動機関砲やミニガンにも受け継がれている。歴史的には誕生から一度衰退したが、技術の進歩によって復活し、現在も特定用途で重要な役割を果たしている。

1887年版ガトリンガンZoom
1887年版ガトリンガン

質問と回答

Q: ガトリング砲とは何ですか?


A:ガトリングガンは、多数の銃身を持ち、銃身をぐるりと回すことで弾丸を発射する機関銃です。

Q: ガトリング砲は、史上初のマシンガンだったのですか?


A: はい、史上初のマシンガンです。

Q: ガトリングガンを最初に使ったのは誰で、いつですか?


A: アメリカ南北戦争で北軍が初めてガトリングガンを使用しました。

Q: なぜガトリング砲はアメリカ南北戦争であまり使われなかったのですか?


A: お金がかかり、重かったので、アメリカ南北戦争ではあまり使われませんでした。

Q: 19世紀後半にガトリング砲が多く使われた戦争はどこですか?


A: ガトリング砲は、アングロ・ズールー戦争、戊辰戦争、米西戦争で多く使用されました。

Q: なぜ20世紀初頭にガトリング砲が使われなくなったのでしょうか?


A: 20世紀初頭、他の機関銃の方が優れていたため、ガトリングガンは使われなくなりました。

Q: ミニガンとは何ですか、またガトリングガンとの関連は?


A: ミニガンは、ガトリングガンをベースにしています。ガトリングガンは機関銃ですが、引き金を引くだけでなく、回し続ける必要があるため、自動小銃とは呼びません。


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