hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)とは:妊娠・検査値・ダイエット論争を解説

hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の基礎解説:妊娠中の役割・検査値の目安・腫瘍との関連、そしてhCGダイエットの真実を分かりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、妊娠初期に胎盤(正確には胞状栄養層のシンシチオトロホブラスト細胞)から主に産生されるホルモンです。hCGは妊娠を維持するために重要な役割を果たし、とくに妊娠初期には黄体を刺激してプロゲステロン産生を維持させます。また、妊娠以外でも、一部の腫瘍(例:絨毛性疾患や生殖細胞腫瘍など)がhCGを産生することがあります。妊娠検査や妊娠管理、腫瘍のマーカーとして臨床で広く用いられます。

hCGの構造と検査で測る部分

hCGはαサブユニットとβサブユニットからなる糖タンパクホルモンです。多くの妊娠検査ではβサブユニット(β-hCG)を検出対象にしており、血液検査(定量)と尿検査(定性)が使われます。血中定量検査はmIU/mL(国際単位)で数値を示し、妊娠の進行や異常の評価に役立ちます。

検査法とその使い分け

  • 尿妊娠検査(市販の妊娠検査薬):感度の高い製品であれば生理予定日ごろから陽性を示すことが多い。定性的(陽性/陰性)判定。
  • 血清定性検査:血液で陽性/陰性を判断。尿検査より早期に陽性となることがある。
  • 血清定量検査(β-hCG値):数値を測定し、妊娠週数の目安や妊娠経過(増加や減少)を評価するのに使う。異所性妊娠や流産、胞状奇胎(モル)などの診断・経過観察にも重要。

妊娠中のhCG値の目安(参考)

(LMPは最終月経の初日からの日数。単一の数値だけで妊娠の正常性を判断することはできません。値には個人差と検査法の差があります。)

  • 3週(LMP): 約5–50 mIU/mL
  • 4週: 約5–426 mIU/mL
  • 5週: 約18–7,340 mIU/mL
  • 6週: 約1,080–56,500 mIU/mL
  • 7–8週: 約7,650–229,000 mIU/mL
  • 9–12週: 約25,700–288,000 mIU/mL
  • 13–16週: 約13,300–254,000 mIU/mL
  • 17–24週: 約4,060–165,400 mIU/mL
  • 25–40週: 約3,640–117,000 mIU/mL

早期妊娠では、hCGはおよそ48〜72時間で二倍前後に増えるのが典型的とされますが、個人差が大きく、必ずしもこの増加率に当てはまらない場合もあります。値が期待通り増加しない場合は、異所性妊娠(子宮外妊娠)や流産の可能性を考慮し、追加の血液検査や超音波検査が必要になります。

異常値が示す可能性

  • 著しく高値:正常妊娠でも高値になることがありますが、胞状奇胎(モル)や絨毛性腫瘍、ある種の生殖細胞腫瘍(例:絨毛癌、胚細胞腫瘍)の可能性を示唆することがあります。
  • 上がらない・低値:流産や異所性妊娠の可能性。経時的な測定と超音波検査で評価します。
  • 持続的な微量陽性:最近の流産や産後、あるいは腫瘍による持続的産生などが考えられます。

hCGを産生する腫瘍

以下のような腫瘍でhCGが上昇することがあります:

  • 絨毛性疾患(胞状奇胎、侵入奇胎、絨毛癌など)
  • 生殖細胞腫瘍(卵巣や精巣に発生するもの)
  • まれに、肺がん、肝がん、胃がんなどの非生殖器腫瘍がβ-hCGを産生することがある

誤判定の原因(偽陽性・偽陰性)

  • 偽陽性:妊娠以外のhCG産生腫瘍、最近の妊娠や流産後の残存、特定の薬剤(hCG注射)、または検査法に影響する交差反応やヘテロフィル抗体の存在など。
  • 偽陰性:検査時期が早すぎる、尿希釈、検査の操作ミスなど。

hCGとダイエット論争

過去に「hCGダイエット」と呼ばれる低カロリー食+hCG注射やhCG製剤を組み合わせた減量法が宣伝されましたが、臨床的に有効性を示す十分な科学的根拠はありません。2011年12月6日以降、米国食品医薬品局(FDA)は、hCGを用いるダイエット製品の販売・広告に対して警告を出し、体重減少を目的としたhCG製品の販売・表示を問題視しました。さらに「ホメオパシーhCG」と称する製品の多くは極度に希釈されており、実質的に有効量のhCGを含まないか、わずかしか含まないため、効果がないとされています。

科学的レビューや臨床試験では、hCG投与が非常に低い熱量食より優れて体重減少を促すという証拠はなく、著名な医療機関や専門家団体はhCGダイエットを推奨していません。さらに、極端な低カロリー食は栄養不足や代謝障害、健康被害を引き起こすリスクがあります。

臨床的に使われる場面

  • 妊娠の確定(尿検査や血液検査)
  • 妊娠初期の経過観察(定量値の推移で正常妊娠かどうかの判断補助)
  • 胞状奇胎や絨毛性腫瘍の診断・治療後のフォロー(hCGが腫瘍マーカーとなる)
  • 不妊治療での卵巣刺激や排卵誘発のトリガーとして使用(医師の管理下で)

注意点・受診の目安

  • 妊娠検査で陽性が出た場合は、産婦人科を受診して妊娠週数の確定と子宮内妊娠かどうかの確認(超音波検査)を受けてください。
  • hCG値が想定外に高い・低い・急速に変化する場合は、速やかに医師の診察を受け、追加検査(血中hCGの経時測定、超音波など)を行う必要があります。
  • 体重減少目的でのhCG使用は推奨されません。ダイエット目的でhCG製品を検討している場合は、医師/専門家に相談し、科学的根拠に基づいた安全な減量法を選んでください。

まとめると、hCGは妊娠の診断と管理で重要なホルモンであり、値の解釈には時期や個人差、検査方法などの理解が必要です。異常な数値や疑問がある場合は専門医に相談してください。

質問と回答

Q: ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)とは何ですか?


A:hCGは妊娠中や一部の腫瘍によって産生されるホルモンです。

Q: FDAが薬局でのhCGダイエット製品の販売を違法としたのはいつですか?


A: FDAは2011年12月6日に薬局でのhCGダイエット製品の販売を違法としました。

Q: なぜ注射によるhCG減量に関して論争が起こったのですか?


A: 体重コントロールのための「ホメオパシーhCG」注射のマーケティングキャンペーンにより、減量のための注射hCGに関して論争が起こりました。

Q: 「ホメオパシーhCG」製品の成分は何ですか?


A: 「ホメオパシーhCG」製品に含まれる成分は、ホメオパシー希釈によって真のhCGから調製された場合、hCGを全く含まないか、少量しか含みません。

Q: hCGレベルはどのように測定できますか?


A: hCGレベルは、妊娠検査薬を用いた血液検査や尿検査で測定することができます。

Q: 妊娠中、hCGのレベルは一定ですか?


A: いいえ、hCGのレベルは、妊娠期間中に上昇します。

Q: LMPとは、妊娠中のhCGレベルに関して何を意味していますか?


A: LMPとは最終月経のことで、女性の最終月経の初日を意味します。


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