イノセンス(無罪・無垢)とは 意味と使い方 法律上の無罪推定も解説
イノセンスはギルトの反対語です。英語での名詞はinnocence、形容詞はinnocent(「有罪」の反対語)です。日本語では文脈により「無罪・無実・潔白・無垢・無邪気・純真」などと訳されます。
基本の意味と訳し分け
- 法律的な意味:罪を犯していないこと(無実)。判決としては「無罪」。例:prove his innocence(彼の潔白を証明する)
- 道徳的・日常的な意味:悪意や害意がない、純真である、世事に疎い。例:an innocent joke(悪意のない冗談)
- 比ゆ的な意味:経験が少なく、世の中の悪い面を知らない(無邪気・純真)。
法律での意味と「無罪推定」
誰かが犯罪を犯していないなら、その人は無実(イノセント)です。誰かが犯罪の嫌疑をかけられれば、法廷に出て裁判を受け、裁判所が有罪か無罪(無実)かを判断します。人は、有罪が証明され確定するまで無罪と推定され、無罪として扱われなければなりません(推定無罪・無罪推定)。この原則は多くの国の刑事手続の根幹で、検察側に立証責任があり、「疑わしきは被告人の利益に」という考え方が働きます。
- not guilty と innocent の違い:評決・判決用語としては通常「not guilty」(無罪判決)を用い、日常語では「innocent」を使って「その人は無実だ」と言います。
- 無罪と無実:「無罪」は法的判断(裁判所の結論)、「無実」は事実関係として罪を犯していないこと。両者は重なりますが、用法が異なります。
- 定型句:presumed innocent until proven guilty(有罪が証明されるまで無罪と推定される)。
日常語としての「イノセンス/イノセント」
「イノセンス」と「イノセント」は、法律以外でも使われます。例えば、子どもはよく「無邪気」「純真」と表現されます。これは、世の中はすべて良いものだと考えていて、人生の悪いことをまだ知らないという意味です。人々は「無垢の状態」で生きている、と言うとき、ある人々が悪であることをまだ知らない、子どもや単純な心を持った人々について語っています。キリスト教文化圏では、歴史的に「innocence」が性的な知識の欠如を指す婉曲表現として使われることがあり、子どもたちがセックスについて知らない(性的に経験がない)状態を意味する場合もあります。ただし、現代の一般的な日常会話では「悪意がない」「害のない」という広い意味で用いられることが多いです。
よく使う言い回し・コロケーション
- maintain/proclaim/declare one’s innocence(自らの無実を主張し続ける/宣言する)
- prove/establish his innocence(彼の潔白を証明する)
- be innocent of + 行為・容疑(〜について無実である)例:He is innocent of any wrongdoing.
- innocent until proven guilty(有罪が証明されるまで無罪)
- innocent bystander(無関係で巻き込まれた通行人・被害者)
- an innocent mistake(悪意のない単純ミス)
- an innocent remark/question(深い意図のない一言/素朴な質問)
例文
- She maintained her innocence throughout the trial.(彼女は裁判の間じゅう無実を主張し続けた。)
- He was found not guilty by the jury.(彼は陪審により無罪評決を受けた。)
- It was an innocent mistake; no one meant any harm.(それは悪意のないミスで、誰も害意はなかった。)
- The police protected innocent bystanders near the scene.(警察は現場近くの無関係な通行人を保護した。)
- Children’s innocence is often associated with curiosity and openness.(子どもの無垢さは、好奇心や素直さと結び付けられることが多い。)
関連語・類義語のちがい
- guilt(ギルト):罪・罪悪感。イノセンスの対概念。
- blameless:非難されるべきでない。結果に責任がない含み。
- naive/naivety:世間知らずで単純。innocent と重なる部分もあるが、判断の甘さを示唆することが多い。
- harmless/innocuous:害がない(物・発言に対して)。innocent の「害意がない」と近いが、より「無害さ」に焦点。
- 潔白・無実・無罪・無垢・無邪気(日本語):法律(無罪)/事実(無実・潔白)/道徳・心理(無垢・無邪気)で使い分ける。
覚えておきたいポイント
- 法的な場面では評決・判決語としては「not guilty」を用いるのが一般的。
- innocent は「悪意がない」「関与していない」「経験が少ない」という複数のニュアンスを取りうる。文脈で解釈が変わる。
- 人を「innocent(無邪気)」と評するのは肯定にも否定(世間知らず)にもなり得るため、語感に注意。


ブグローの「L'Innocence」。幼い子供と子羊は無邪気さのシンボル
質問と回答
Q:罪悪感の反対語は何ですか?
A: 罪悪感の反対は無邪気さです。
Q: 形容詞「innocent」の意味は?
A:形容詞「innocent」は、「guilty」の反対を意味します。
Q:ある人が犯罪を犯していない場合、どのような意味があるのでしょうか?
A:無実の場合、その人は犯罪を犯していないということです。
Q:誰かが犯罪で告発されたらどうなりますか?
A:誰かが犯罪で告発された場合、彼らは自分の無実を証明するために法廷に行かなければなりません。
Q: 法廷で無実とみなされるのはどんなときですか?
A:裁判で無罪とされるのは、無罪とされた場合です。
Q:裁判で有罪が確定するまで、人はどのように扱われるべきでしょうか?
A:人は、有罪が確定しない限り(あるいは確定するまで)、無実として扱われなければなりません。
Q:「innocent」という言葉は、子どもについてどのように使われるのですか?
A:「無邪気」という言葉は、子どもに対してよく使われます。つまり、子どもは世の中がすべて良いものだと考えていて、人生の悪いことをまだ知らないという意味です。