投資銀行とは?定義・役割と資金調達・M&Aの仕組みをわかりやすく解説

投資銀行とは何かを初心者向けに図解と事例で解説。定義・役割から資金調達やM&Aの仕組みまで、実務で使える知識をわかりやすく紹介。

著者: Leandro Alegsa

投資銀行は、企業や政府(発行体)が広く投資家から資金を調達したり、企業の一部または全部を第三者に売却(M&A)したりする際に、その仲介・助言・実行を行う金融機関です。普通の銀行(商業銀行)が預金を受け入れ自ら貸し出すのに対し、投資銀行は自らの資金を直接貸す・買うことは必ずしも主な業務ではなく、発行体と投資家をつなぐ“仲介”や、取引の組成・価格設定・販売(引受)・助言を通じて手数料や成功報酬を得るのが一般的です。

20世紀半ば以降、投資銀行は単に証券を発行する業務のほかに、企業が他社を買収したり(買収側助言)、あるいは企業が第三者に売却される過程(売却側助言)を支援する業務を拡大しました。このような合併・買収(M&A)に関する助言・実行は投資銀行の主要業務の一つとなり、現在ではM&A助言のみを専門とするいわゆる「ブティック投資銀行」も多数存在します。

主なサービスと仕組み

投資銀行が提供する代表的なサービスは次のとおりです。

  • 資金調達の支援:債券(社債など)や株式(新株発行、IPO)による資金調達の企画・引受・販売(ディストリビューション)
  • M&Aアドバイザリー:売却側(Sell-side)・買収側(Buy-side)双方に対する戦略立案、企業価値評価、交渉、デューデリジェンス、取引組成
  • 引受・シンジケーション:発行体のために証券を引き受け(全額引受や保証引受)、投資家に配分するためのコンソーシアムを組成
  • マーケットメイキングやトレーディング:二次市場での流動性提供や自己勘定取引(多くの国では規制がある)
  • 資産運用・リサーチ:機関投資家向けの運用サービスや投資レポートの提供

公募(公開)による資金調達の背景と規制

多くの国では、企業が一般市民や広範な投資家に対して債券株式を売却する際、発行体は一定の会計基準・情報開示(目論見書や開示資料の作成)や運用ルールを満たす必要があります。これにより、投資家は発行体の事業内容や財務状況を把握した上で投資判断を行えるようになり、発行市場(資本市場)が機能する仕組みとなっています。投資銀行は目論見書の作成支援や引受手続き、証券の割当・販売を行います。

なぜ銀行ではなく市場(投資家)から調達するのか

企業が商業銀行からの借入ではなく、投資家を通じた債券発行や株式売却を選ぶ理由には、主に次のようなものがあります。

  • 低い金利で調達できる可能性がある(市場の利回りが銀行融資より低い場合)
  • より長期間、固定金利で調達できる可能性があり、資金計画が立てやすい
  • 銀行融資では受けられないような条件での資金調達ができる(投資家は高リスクを許容することがある)
  • 株式による調達は返済義務がなく、成長投資資金を確保できる

なぜ経営者は自社の一部または全部を売却するのか

企業オーナーが投資銀行を通じて自社を部分・全部売却する主な理由は次の通りです。

  • 投資の回収(キャッシュ化):創業者や初期投資家が投資分の利益を確定させるため
  • 事業拡大のための資金調達:外部資本を入れて成長資金を得る
  • 借入金の返済や財務再編:負債の返済資金を調達して財務を健全化する
  • 後継者問題や経営戦略の変更:経営体制の移行や戦略的提携の一環として売却する場合

引受(アンダーライティング)と価格決定の流れ(概略)

株式公開(IPO)や公募債の典型的な手順は次のようになります(概略):

  • 発行体・投資銀行間で目的と条件を協議
  • デューデリジェンスの実施と目論見書(プロスペクタス)の作成
  • 投資家向けのロードショーやブックビルディング(需要見積もり)による価格形成
  • 引受条件の決定(全額引受、引受保証、配分方法など)
  • 上場・発行後の投資家対応(大口投資家への割当、マーケットサポート)

M&Aの一般的な流れ(概略)

M&Aでは、投資銀行は売り手側(売却助言)または買い手側(買収助言)として次のような業務を行います。

  • 戦略立案と買収候補/売却候補の選定
  • 企業価値(バリュエーション)算定と条件交渉
  • 秘密保持契約(NDA)下での情報提供とデューデリジェンスの実施
  • 取引構造の設計(株式譲渡、事業譲渡、現金・株式対価の組合せなど)
  • 最終契約(SPA等)の交渉とクロージング(取引完了)の支援

報酬と利益相反

投資銀行の報酬は引受手数料、助言料(成功報酬)および取引後の手数料等が中心です。一方で、投資銀行が自らトレーディングや資産管理を行っている場合、同じ投資銀行が複数の立場(例:買い手・売り手双方や引受と投資)を兼ねることで利益相反が生じる可能性があり、適切な情報開示や内部管理が求められます。多くの国ではこの点に関する規制や自主規制が設けられています。

まとめると、投資銀行は「資金を必要とする発行体」と「資金を投じてリターンを求める投資家」をつなぐ専門家であり、資本市場を通じた資金調達、M&Aの助言・実行、引受・販売といった役割を担っています。顧客は主に資金を求める企業・政府と、投資して利益を得ようとする個人・機関投資家の二つに大別されます。

質問と回答

Q:投資銀行とは何ですか?


A: 投資銀行とは、他のビジネス(政府も含む)が他の人々やビジネスからお金を借りたり、ビジネスが他の人々やビジネスに部分的または全面的に売却することを支援するビジネスです。

Q: 投資銀行は普通の銀行とどう違うのですか?


A: 通常の銀行とは異なり、投資銀行は通常、自らの資金を融資したり、自らの資金で事業の一部または全部を購入することはありません。その代わりに、事業への融資や事業の一部を所有することによって収益を得ようとする他の企業や個人投資家と、事業資金のニーズをマッチングさせる手助けをします。

Q: 投資銀行は通常どのような業務を行っているのですか?


A: 投資銀行が最もよく行うのは、債券と呼ばれる契約形態による企業の借入や、株式と呼ばれる契約形態による企業の所有権の売却の支援です。また、一部の投資銀行では、M&A(企業の合併・買収)サービスも提供しています。これは、クライアントがどのような事業を買収すべきかを決定し、その事業の売却価格に基づいて手数料を受け取るというものです。

Q: なぜ企業は銀行ではなく、投資家から資金を借りようとするのでしょうか?


A: 企業が銀行ではなく投資家から資金を借りる理由としては、金利が低くなる可能性があること、ほとんどの銀行が通常許容する金利よりも長い期間固定(変更不可)であること、投資家が銀行よりもリスクの高い企業に喜んで融資する可能性があることなどがあります。

Q: なぜ投資銀行が事業の一部または全部を売却することに合意するのでしょうか?


A: 投資銀行が事業の一部または全部を売却することに同意する理由には、企業への初期投資に対する利益の獲得、さらなる成長のための資金調達、返済不能となった借入金返済のための資金調達などがあります。

Q: 投資銀行はどのような顧客にサービスを提供しているのですか?


A:投資銀行には、資金の借り入れや所有権の売却を希望する企業や政府機関と、他の企業に融資したり所有したりすることで利益を得たいと考える個人や他の企業の2種類の顧客が存在します。


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