ジャーンサックス(別名 サターンL、仮符号 S/2006 S 6)は、土星の衛星の一つで、2006年に発見された小型の不規則衛星である。発見は2006年1月5日から4月29日にかけて撮影された画像にもとづき、スコット・S・シェパード、デヴィッド・C・ジューイット、ジャン・クレイナ、ブライアン・G・マースデンによって2006年6月26日に発表された。

軌道と物理的特徴

本衛星は平均公転半径がおよそ1.85569×10^7 km(約1,855万7千km)で、土星の周りを公転する周期は約943.784日である。軌道傾斜角は黄道に対して162.9°(土星の赤道に対して164.1°)と大きく、離心率は0.1918である。この傾斜角が示すように、公転は逆行(レトログレード)であり、軌道は比較的傾いてかつ楕円的である。

直径は約6 kmと推定されているが、これは見かけの明るさと表面反射率(アルベド)に関する仮定に基づく推定値であり、実測値はまだ確定していない。形状は不規則(非球形)であると考えられている。自転周期や表面組成などの詳細な物理パラメータは十分に解明されておらず、追加の観測が必要である。

分類と起源

ジャーンサックスは北欧群(Norse group)と呼ばれる不規則衛星群に属する。北欧群は土星の遠方を逆行で回る多数の小型衛星からなり、共通の起源として捕獲や巨大破砕イベント(衝突破砕)によるものが考えられている。これらの衛星は軌道要素が類似していることから、かつての大きな親天体の破砕残骸である可能性が示唆されているが、ジャーンサックスが特定の破砕族に属するかどうかは明確ではない。

命名

名称は北欧神話に登場する巨人女(ジャイアントネス)ヤルンサクサ(Járnsaxa)にちなむ。国際天文学連合(IAU)の命名規則に従い、土星の逆行不規則衛星には北欧神話由来の名前が付けられる慣例がある。

観測と今後の研究

ジャーンサックスは視等級が非常に暗く、小口径望遠鏡では観測が難しいため、発見や軌道追跡には大口径の地上望遠鏡と長期の追観測が必要である。今後の観測では、より正確な軌道要素の決定、自転周期や形状の推定、スペクトル観測による表面組成の解明などが期待される。これらの情報は、土星の不規則衛星群の起源や進化の理解に寄与する。