コーン(Korn)は、カリフォルニア州ベーカーズフィールド出身のグラミー賞受賞バンドです。1990年代半ばに出現した独特のサウンドで広く知られ、後の世代に大きな影響を与えた存在と評価されています。
結成と初期
バンドは1990年代初頭に結成され、初期には「クリープ(Creep)」という名前で活動し、別のシンガーが在籍していた時期もありました。現在一般に知られるラインナップは、ジョナサン・デイヴィス(ボーカル)、ジェームス“マンキー”・シャフナー(ギター)、ブライアン“ヘッド”・ウェルチ(ギター)、レジナルド“フィールディ”・アルビズ(ベース)、デイヴィッド・シルヴェリア(ドラム)らによって固まりました。1994年にセルフタイトルのデビュー作「KoRn」を発表してブレイクを果たします。
音楽性と特徴
Kornのサウンドは、ダウンチューニングされた7弦ギターの重低音、フィールディのパーカッシブなベース、デイヴィスの悲痛で感情的なボーカル(時にスキャット的な唱法やバグパイプの使用も見られる)を特徴とします。ヒップホップ、ファンク、インダストリアル、オルタナティブ・ロックなどさまざまな要素を取り入れ、従来のヘヴィメタルとは一線を画す表現を確立しました。そのためしばしばニュウメタルの先駆者の一つとして語られますが、バンド自身は「ニューメタル」というラベルを嫌い、単純に「メタル」やジャンルの枠に収まらないと主張しています。
代表作とディスコグラフィのハイライト
- KoRn(1994年)— デビュー作。バンドの名を世に知らしめたアルバム。
- Life Is Peachy(1996年)
- Follow the Leader(1998年)— 商業的成功を大きく後押しした作品。
- Issues(1999年)
- Untouchables(2002年)
- Take a Look in the Mirror(2003年)
- See You on the Other Side(2005年)
- Untitled(2007年)
- Korn III: Remember Who You Are(2010年)
- The Path of Totality(2011年)— ダブステップ系プロデューサー(Skrillexなど)と共作し、新たな実験性を示した作品。
- The Paradigm Shift(2013年)、The Serenity of Suffering(2016年)、The Nothing(2019年)、Requiem(2022年)など、長年にわたり活動を継続しています。
影響と功績
Kornは1990年代から2000年代初頭にかけてのニュウメタルおよびオルタナティブメタル、ラップメタルのムーブメントに大きな影響を与え、同時代の多数のバンド(後に成功するLimp BizkitやSlipknotなど)を後押ししたとされます。バンドのカタログは世界中で3500万枚以上を売り上げ、そのうち米国内で約1650万枚を記録しています。長年にわたり商業的成功も伴い、以下のような実績があります。
- 複数のアルバムが連続して高順位を記録し、ビルボード200でのトップ10入りを続けています(スタジオアルバム7作の連続トップ10入りなど)。
- コンピレーションアルバムGreatest Hits, Volume 1を含む多数のリリースが上位にランクインしています。
受賞・ノミネート
- Kornは複数回のグラミー賞ノミネートを受け、合計で6回ノミネートされたことがあり、そのうち2回受賞しています。
- 主な受賞例:シングル「Freak on a Leash」のビデオ(2000年のグラミーで最優秀ショートフォーム・ミュージック・ビデオ受賞)、楽曲「Here to Stay」での最優秀メタル・パフォーマンス(2003年)など。
メンバーの変遷と現在
結成以来メンバーの入れ替わりや一時脱退・復帰がありました。代表的な変化としては、ブライアン“ヘッド”・ウェルチが2005年に脱退し、一時的にソロ活動に専念したのち2013年に復帰したこと、ドラマーのデイヴィッド・シルヴェリアが脱退し、後にレイ・ルジエがドラマーとして加入したことなどがあります。現在はジョナサン・デイヴィス、ジェームス“マンキー”・シャフナー、ブライアン“ヘッド”・ウェルチ、レジナルド“フィールディ”・アルビズ、レイ・ルジエ(ドラマー)を中心に活動しています。
総評
Kornはジャンルの境界を越えた独自の表現と実験的な試みで、1990年代以降のロック/メタルシーンに深い痕跡を残しました。商業的成功と批評的注目を併せ持ち、新旧のバンドやジャンルに影響を与え続ける重要な存在です。