WASG(労働と社会正義)とは:ドイツの政党、2005年創設〜2007年に左翼党(Die Linke)へ合併

WASG(労働と社会正義):2005年設立のドイツ新党の理念と活動、2007年の左翼党(Die Linke)合併までの歴史をわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

労働と社会正義-選挙代替案ドイツ語Arbeit und soziale Gerechtigkeit - Die Wahlalternative、略称WASG)は、社会民主・緑の連立政権の経済政策や社会保障改革に反発した人々が2005年に設立したドイツの政党であった。

設立の背景には、当時のSPD=緑の連立政権による市場志向の改革(特に雇用改革・社会保障制度の見直し、いわゆるハルツ改革)に対する強い反発があり、失業対策や社会的再分配の強化、公共サービスの維持・拡充、非正規雇用の抑制などを主張する左派的な立場から結成された。支持基盤は主に西ドイツの労働者や元社会民主党員、労働組合関係者、社会的に弱い立場にある層などであった。

WASGは短期間で地域組織を拡大し、連邦選挙や州選挙に候補者を擁立して選挙活動を行った。設立後まもなく、著名な元SPD政治家らも合流して注目を集め、党は「社会的正義」と「市場原理に対する歯止め」を強調する政策を掲げた。

2007年6月16日、左翼党.PDSと合併し、左翼党(Die Linke)を結成した。合併した時点では、約11,600人が党員であった。PDSとの統合は、旧東独を基盤とする勢力と西側の新しい左派運動を結び付け、全国規模での統一的な左派政党を目指す重要な一歩となった。

WASG自体は合併により解消されたが、そのメンバーと政策の多くは新党Die Linkeに引き継がれた。結果としてDie Linkeは連邦議会(Bundestag)や州議会において、SPDと与野党の政策論争における重要な左派勢力としての地位を確立していった。WASGの流れは、ドイツにおける社会的公正や再分配をめぐる議論に長期的な影響を与えている。



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