リンカーン城(Lincoln Castle)—イングランドのノルマン様式、二つのモットと見どころ
リンカーン城—ノルマン様式の希少な二つのモットを持つ城。保存良好な城壁や大聖堂の絶景、歴史散策の見どころを徹底ガイド。
リンカーン城は、イギリス・リンカーンにあるノルマン様式の代表的な城である。11世紀後半、ローマ時代の要塞の跡地に建てられた。この城は、2つのモットを持つ珍しい城である。このような城は国内に2つしかなく、もう1つはサセックス州のルイスにある。リンカーン城は、近代まで刑務所や裁判所として使われ、イギリスでも保存状態の良い城の一つです。城壁は一般に公開されており、城郭、大聖堂、市街地、周辺の田園風景を眺めながら歩くことができる。
歴史の概要
リンカーン城は、ノルマン征服後の防衛拠点として11世紀後半に築かれました。元々はローマ時代の要塞の位置を利用しており、丘の上に立つことでリンカーンの街と周辺地域を見渡す重要な要所となりました。中世から近代にかけて、要塞としての軍事的役割に加え、城内の建物は裁判所や刑務所としても利用され、長い間地域の行政・司法の中心でした。
二つのモット(盛土)について
リンカーン城の特徴の一つは、二つのモットを持つ点です。モットとは、土を盛って作った丘の上に構築された防御施設で、通常は上に木造または石造の櫓(やぐら)や天守が置かれます。リンカーン城では、主たるモットに石造の守りが配され、もう一つのモットは補助的な防御と見張りの役割を果たしていました。この「二つのモット」を持つ構造は国内でも稀で、戦略的・歴史的に重要な遺構とされています。
見どころ
- マグナ・カルタ(Magna Carta): 1215年制定の文書の現存写本の一つを所蔵していることで知られています(展示は保存・公開方針により変わる場合があります)。
- 城壁の散策: 城壁は一般公開されており、リング状に歩くことで城郭やリンカーン大聖堂、旧市街の屋根並みや周辺の田園風景を眺められます。散策路は城の防御構造を間近に観察する良い機会です。
- ビクトリア朝の刑務所(Victorian prison): 近代まで実際に使われていた刑務所が保存され、当時の生活や司法制度を紹介する展示が行われています。ガイドツアーや再現展示が人気です。
- 展示と解説: 城内の展示では、発掘調査の成果や城の変遷、地域史に関する資料が見られます。家族向けのワークショップや歴史イベントも開催されます。
訪問のポイント
- 城と大聖堂は丘の上に位置するため、徒歩での移動が中心です。歩きやすい靴を推奨します。
- 展示の公開状況や所蔵文書の展示は時期によって変更されるため、訪問前に公式情報を確認すると安心です。
- 城壁は一部バリアフリー対応が難しい箇所もあるため、移動に制約がある方は事前にアクセス情報を確認してください。
- 季節や特別イベント時には夜間開館や歴史再現イベントが行われることがあり、普段と異なる体験ができる場合があります。
保存と評価
リンカーン城はイングランドに残るノルマン期の城郭の中でも保存状態が良く、建築的・史料的価値が高いと評価されています。二つのモットや城壁、長年の司法・監獄施設としての利用史は、地域史研究や観光資源として大きな意味を持っています。訪問時には歴史的背景に思いを馳せながら、遺構の細部に注目してみてください。

リンカーン大聖堂から見たリンカーン城。
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