肺がんとは?定義・原因・症状・種類(小細胞/非小細胞)と治療

肺がんの定義・原因・症状、主な種類(小細胞/非小細胞)と最新治療法、検査・早期発見や喫煙リスクまでわかりやすく解説。

著者: Leandro Alegsa

肺がんは、片方または両方の肺に異常な細胞が無秩序に増殖する病気です。タバコを吸うと、煙に含まれる多数の発がん物質が肺に入り、DNAの損傷を引き起こすため、肺がんの主因となります。世界では肺がんによる死亡者数は年間で約180万人と推定され、主要ながん死因の一つです。現在、肺がんは男性のがん死亡原因の第1位、女性のがん死亡原因の第2位となっています。

肺がんになる人の大多数は長年の喫煙経験者ですが、非喫煙者でも発症することがあり、その場合は遺伝的要因や環境因子(受動喫煙、ラドン、アスベスト暴露、大気汚染など)が関与していることが多いです。

原因・危険因子

  • 喫煙(能動喫煙): 最も重要な危険因子。喫煙量と罹患リスクは概ね比例します。
  • 受動喫煙: 周囲のタバコ煙によるリスク上昇。
  • ラドン: 屋内ラドン濃度の上昇は肺がんのリスクを高めます。
  • 職業性曝露: アスベスト、クロム、ニッケルなど一部の化学物質への曝露。
  • 大気汚染: 微小粒子状物質(PM2.5)などが関連。
  • 遺伝的素因・分子変異: EGFR、ALK、ROS1、KRASなどの変異は治療選択にも影響します。

症状

早期は無症状のことが多いですが、進行すると次のような症状が現れます。

  • 持続する咳(数週間以上続く)
  • 喀血(血の混じった痰)
  • 息切れ・呼吸困難
  • 胸痛(肋骨や胸膜への浸潤による)
  • 体重減少、食欲不振、疲労感
  • 反回神経侵犯による嗄声(声がれ)
  • 骨や脳、肝臓へ転移した場合はそれぞれの臓器症状(骨痛、頭痛・神経症状、黄疸など)
  • パラネオプラスティック症候群(ホルモンや免疫の異常に伴う脱力、電解質異常など)

診断

診断は画像検査と組織検査の組み合わせで行います。

  • 胸部X線、胸部CT(高解像度CTが一般的): 腫瘍の有無、大きさ、位置、リンパ節転移や肺以外の転移の評価。
  • PET-CT: 全身評価、転移検索に有用。
  • 気管支鏡、経皮針生検(CTガイド下)などで組織を採取し病理診断を行う。
  • 分子検査・バイオマーカー検査: EGFR変異、ALK再配列、ROS1、BRAF、MET、RET、NTRK、KRAS、PD-L1発現などは治療選択に重要。
  • 病期診断(ステージング): TNM分類に基づき、治療方針と予後を決める。

病期(ステージ)と転移

肺がんの治療方針と予後は主に病期によって決まります。病期は腫瘍の大きさ(T)、リンパ節転移の有無(N)、遠隔転移の有無(M)で分類され、早期(Ⅰ期)ほど治癒が期待でき、進行・転移があると治療は全身療法が中心になります。肺がんは骨、脳、肝臓、副腎などへ転移しやすい傾向があります。

種類(小細胞肺がんと非小細胞肺がん)

肺がんは大きく分けて小細胞肺がん(SCLC)非小細胞肺がん(NSCLC)の2種類に分類されます。

小細胞肺がん(SCLC)
小細胞肺がんは増殖が非常に速く、早期に転移する傾向があります。喫煙との関連が強く、臨床的には「限局期(片側の胸腔内に限られる)」と「進展期(広範囲に転移)」に分けられます。化学療法と放射線療法に高い感受性を示し、場合によっては予防的全脳照射(PCI)を行うことがありますが、再発率が高く予後は一般に不良です。

非小細胞肺がん(NSCLC)

非小細胞肺がんは肺がんの約85%から90%を占め、さらにいくつかの組織型に分かれます。進行速度は小細胞に比べて遅く、治療法も多岐にわたります。

  • 扁平上皮(表皮)癌: 気管支に発生しやすく、喫煙との関連が強い。
  • 腺癌: 非喫煙者や女性にも多く見られ、末梢肺野に発生することが多い。EGFR変異など分子異常が検出されやすく、ターゲット療法の適応になることがある。
  • 大細胞(未分化)癌: 分化度が低く、比較的稀なタイプ。診断や治療方針決定のために詳細な検査が必要。

治療

治療はがんの種類、病期、患者さんの全身状態や遺伝子異常の有無によって個別化されます。

  • 手術: 早期(主にI期・II期、一部III期)非小細胞肺がんでは根治切除が第一選択。肺葉切除や区域切除、リンパ節郭清が行われます。
  • 放射線療法: 手術不能例や手術後の補助療法、疼痛緩和目的、局所制御のために用いられます。定位放射線(SABR/ SBRT)は早期の小さな病変で使用されます。
  • 化学療法: 小細胞肺がんでは治療の中心。非小細胞肺がんでも進行例や術後補助療法として用いられる。
  • 分子標的療法(チロシンキナーゼ阻害薬など): EGFR変異、ALK再配列、ROS1、BRAFなど特定の遺伝子異常がある場合に効果的。例: EGFR阻害薬(オシメルチニブ等)、ALK阻害薬(アレクチニブ等)、ROS1阻害薬など。
  • 免疫療法: PD-1/PD-L1阻害薬(ペムブロリズマブ等)は、PD-L1発現やその他の因子に基づき単独あるいは化学療法と併用して使用され、一部の進行・再発例で生存延長効果が示されています。
  • 緩和ケア(支援療法): 痛みや呼吸困難、精神面のサポートなど、生活の質を保つために重要です。治療の早期から並行して行われることが推奨されます。

予防・早期発見

  • 最も有効な予防策は禁煙です。喫煙をやめることで、肺がんリスクは徐々に低下しますが、完全に元に戻るわけではありません。
  • 受動喫煙の回避、住宅のラドン濃度測定と低減、職場での有害物質対策も重要です。
  • 高リスク者(長年の喫煙歴など)には低線量CTによるスクリーニングが推奨されることがあります。ただしスクリーニングの対象基準や推奨は国や診療ガイドラインにより異なるため、医療機関で相談してください。

予後

予後は病期やがんの分子特性、患者さんの全身状態に依存します。早期発見・早期治療で治癒が期待できる一方、進行・転移がある場合の治療は延命と症状のコントロールが主眼となることが多いです。近年は分子標的治療や免疫療法の導入で生存期間が改善している例も増えています。

日常生活とフォローアップ

  • 喫煙者は禁煙支援を受けること、規則正しい生活や栄養管理、適度な運動が推奨されます。
  • 治療後は定期検査(画像検査、血液検査、症状の確認など)で再発や治療副作用を早期に見つけることが大切です。
  • 気になる症状(持続する咳、血痰、息切れ、体重減少など)がある場合は速やかに医療機関を受診してください。

肺がんはタイプや病期によって治療法や予後が大きく異なります。疑いがある場合や診断後は、呼吸器内科・呼吸器外科・腫瘍内科などの専門チームと相談し、個々の状況に合わせた治療計画を立てることが重要です。

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左の肺の白い塊は気管支癌で、先進国では男女ともに癌による死亡原因の第1位となっている。

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気管支鏡で見た左気管支の肺がん。

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三次元(3D)CT画像、左肺に腫瘍がある。

質問と回答

Q:肺がんとは何ですか?


A:肺がんは、肺の片方または両方に異常な細胞が制御不能に増殖する病気です。

Q: 肺がんの主な原因は何ですか?


A: タバコの煙が肺に入ると、ほとんどの肺がんを引き起こします。

Q: 毎年何人の人が肺がんで亡くなっていますか?


A: 肺がんは、他のどのがんよりも多く、毎年180万人が死亡しています。

Q: 男性のがん死亡原因の第1位は何ですか?


A:肺がんは、男性のがん死亡原因の第1位です。

Q: 肺がんの主な2つのタイプは何ですか?


A: 肺がんには、主に小細胞肺がんと非小細胞肺がんの2種類があります。

Q: 肺がんの症状にはどのようなものがありますか?


A: 肺がんの症状には、胸の痛み、咳、鼻づまり、心筋梗塞などがあります。

Q: 肺がんにかかるリスクが高いのはどんな人ですか?


A:低色素数が不足している人は、肺がんに罹患する確率が高いと言われています。


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