マルーンとは 色・歴史・スポーツ・音楽・軍事までわかる総合解説
「マルーン」という言葉の主な意味(代表的な用法と用例)
意味と語源
英語の "maroon" は文脈によって複数の意味をもちます。大きく分けると(1)色の名称、(2)カリブや南米における逃亡奴隷・その子孫のコミュニティ、(3)海や無人島に置き去りにする行為(marooning)、(4)人名・ニックネームや団体名としての使用、などです。語源は用法によって異なり、色としての "maroon" はフランス語やスペイン語の "marron / marrón"(栗色、焦げ茶)に由来する一方、逃亡奴隷を指す "Maroon" はスペイン語の "cimarrón"(家畜化されていない/逃げ出した、野生の)に由来すると考えられています。
色としてのマルーン
マルーン(色)は深みのある濃い赤〜茶赤の色合いを指します。 英語圏ではワインレッドに近い濃赤色を指すことが多く、ファッションやデザイン、スポーツチームのチームカラーとして広く使われます。ウェブ用の代表的な色コードでは、濃いマルーンは #800000(暗い赤)などが該当しますが、実際の色味は文脈や用途により幅があります。
歴史:マルーン(逃亡奴隷)とコミュニティ
「マルーン(Maroons)」とは、植民地時代にアフリカから連れてこられた奴隷が逃亡して独立したコミュニティを形成した人々やその集団を指す用語です。カリブ海地域、南米、中央アメリカ、ブラジルなどで多くのマルーン社会(自治集落)が成立しました。これらのコミュニティはしばしば山岳地帯やジャングル、離島などに拠点を築き、現地先住民や他の逃亡者と協力して自立し、時には植民者と戦ったり、条約を結んだりしました。
代表例:
- ジャマイカのマルーン:18世紀にイギリス植民地と和平条約を結んだ事例などが知られています。
- スリナムやガイアナのマルーン(Saramaka、Ndyukaなど):独自の文化と自治権を保持した集団。
- ブラジルのキロンボ(Quilombo):逃亡奴隷のコミュニティで、最大級のものにパルマレス(Palmares)があります。
これらの社会は言語、宗教、生活様式の独自性を発展させ、現代でもその子孫や伝統は重要な文化遺産とされています。
マルーニング(置き去り)
「マルーニング(marooning)」は、人を無人島や難所に置き去りにする行為を指します。歴史的には海賊や一部の船乗りが懲罰や処罰として用いた例が知られており、英語では "to maroon someone"(誰かを置き去りにする)という形で使われます。フィクションや海洋冒険の物語でも頻出するテーマです。
スポーツでの「マルーン」
スポーツ分野ではチーム名や愛称、カラーとして「マルーン」が多用されます。代表的な例を挙げます。
- クイーンズランド州のマルーン(Queensland Maroons):正式にはクイーンズランド州州代表チーム(State of Origin)で、ラグビーリーグの強豪チーム。伝統的にマルーン色のユニフォームを着用し、ライバルはニューサウスウェールズ州の「ブルーズ(Blues)」です。
- モントリオール・マルーンは、1924年から1938年まで存在したプロのアイスホッケー(NHL)チームで、1926年と1935年にスタンレーカップを制した歴史を持ちます。
- トレド・マルーン(Toledo Maroons)およびケノーシャ・マルーン(Kenosha Maroons):1920年代初頭に存在したアメリカのプロフットボール(初期のNFL)チームの例です。
- フィリピン大学の陸上競技チーム「ファイティング・マルーン(Fighting Maroons)」:大学スポーツでの愛称の例。
- シカゴ大学の陸上競技チーム、シカゴマルーンズ
- コルゲート大学の新聞であり、アメリカ最古の大学週刊紙のひとつとして知られる「コルゲート・マロン・ニュース」など、大学名やスクールカラーとしての用例も多数あります。
- ロアノーク大学や各地の高校・カレッジで「マルーンズ(Maroons)」をチーム名に採用している例が複数あります。
軍事・部隊の象徴としてのマルーン
「マルーンベレー」は、世界的に空挺部隊(パラシュート部隊)や空挺関連の部隊が着用するベレー帽の色として知られています。特にイギリス陸軍のパラシュート連隊(Parachute Regiment)は第二次世界大戦以降マルーンのベレーをシンボルとしています。現在でも多くの国で空挺・エアボーン部隊のアイデンティティカラーとして用いられています。
音楽・芸術・文化での「マルーン」
- マルーン(Maroon)というバンド名や楽曲名は世界中に複数存在します。
- ドイツのハードコアバンド「Maroon」(ヴィーガン&ストレートエッジ系)
- マルーン5(Maroon 5)はアメリカのポップ・ロックバンドで、世界的に知られた例です。
- 「ラッセル・'マルーン'・ショーツ(Russell 'Maroon' Shoatz)」のように、「マルーン」をニックネームやミドルネームとして持つ人物もいます(政治活動家や文化人など)。
- そのほか、オークランド出身のヒップホップ関係のグループ名など、地域やジャンルごとに同名・類似名のアーティストが見られます。
- また、映像作品や文学作品にも「Maroon(ed)」をタイトルに含むものがあり、置き去りや孤立のテーマと結び付けて使われることがあります(例:「Marooned」などのエピソードや映画タイトル)。
その他の用例・注意点
- 「マロン(marron)」はフランス語由来で「栗(くり)」や栗色を意味し、日本語の「マロン」は食べ物(栗を使ったペーストや色の表現)にも使われます。英語の "maroon" と語源や意味が重なる部分もありますが、文脈で区別されます。
- 「セントマルーン(Saint Maroon)」や地名、人名としての派生も存在します。具体的な固有名詞については個別に確認する必要があります。
- 歴史的・文化的人物や出来事に関する記述は出典により表現が異なる場合があるため、学術的に扱う際は一次資料や専門書での確認をおすすめします。
まとめ
「マルーン」は色名としての用法から、歴史的・社会的に重要な逃亡奴隷コミュニティ、海上での置き去りを指す動詞的用法、スポーツ・軍事・音楽など多様な分野で用いられる語です。用例によって意味が大きく異なるため、文脈を確認して理解することが重要です。
質問と回答
Q:マルーンという言葉の意味を教えてください。A:マルーンには、濃い赤色、カリブ海の逃亡奴隷、無人島に人を置き去りにする行為など、いくつかの意味があります。また、合図に使われる大音量のロケットを指すこともあれば、さまざまな新聞やスポーツチームのことを指すこともある。
Q:エリート空軍のシンボルは何ですか?
A:マルーンベレーは、エリート空軍のシンボルとして国際的に認知されています。
Q: Barenaked Ladiesが2000年にリリースしたアルバムの名前は何ですか?
A: Barenaked Ladiesの2000年のアルバムは "Maroon "と呼ばれています。
Q:マルーン5とは何者ですか?
A: Maroon 5はアメリカのポップバンドです。
Q:「マルーン」という名前を紹介したのは誰ですか?
A:元黒人解放軍のラッセル・ショッツが「マルーン」という名前を紹介しました。
Q:オークランドマルーンとはどんなグループですか?
A: オークランドのマルーン(ヒップホップ・グループ)は、ラテーフとチーフ・エクセルから構成されています。
Q:「ファイティング・マルーン」というスポーツチームがある大学はどこでしょう?
A:フィリピン大学には「ファイティング・マルーン」というスポーツチームがあります。