本文へ移動

アルテミシオンのゼウス像(初期古典期ギリシアの青銅像、紀元前460年頃)

紀元前460年頃の高さ2.09メートルの中空青銅像。アルテミシオン岬沖で発見された。通例ゼウス像とされるが、失われた持物のため異説もあり、現在はアテネ国立考古学博物館に展示されている。

概要

アルテミシオンのゼウス像は、初期古典期(紀元前460年頃)にさかのぼる等身大のギリシア青銅像である。1926年から1928年にかけて、エウボイア島北部のアルテミシオン岬沖に沈んだ船の残骸から発見された。この彫像は高さ約2.09メートルで、古典期ギリシアから今日まで残る数少ない大型青銅像の一つである。保存・展示はアテネ国立考古学博物館で行われている。

画像ギャラリー

10 画像

姿態と同定

像は片腕を上げ、力強く前へ踏み出す姿勢で表されている。四肢の末端の多くと、上げた手にかつて持たれていた物体は失われており、そのため像の同定には解釈の余地がある。伝統的には天空神ゼウスを表すものとされてきたが、海神ポセイドンとみなす別の解釈もある。この曖昧さは、同じポーズが雷霆にも三叉槍にも適しうることに由来する。とりわけキャロライン・ハウサーをはじめとする一部の研究者は、長い三叉槍なら顔を隠してしまうはずだと論じ、ゼウス像説を支持している。均整の取れた人体表現、向きを変えた頭部、そして今にも動き出しそうな感覚は、紀元前5世紀前半の過渡的な「厳格様式」に特徴的である。

美術的特徴と技法

この彫像は、アルカイック期の後に進展した自然主義を示している。筋肉や体重移動は定型的な型ではなく、生身の身体の観察にもとづいて表現されている。同時代のほかの記念碑的青銅像と同様に、別々に鋳造した部分を接合して制作された。おそらくは、等身大の中空像を作るため、ロストワックス法に由来する技法が用いられたと考えられる。残存する表面の細部からは、髪と髭が注意深く造形されていたことがうかがえる。また、全体の躍動感は、リアチェの青銅像なども生み出した紀元前5世紀半ばの作例群に典型的なものである。

背景・発見・保存

この像は、木製・青銅製のほかの断片を含む沈没船から回収された。この発見は、古典期地中海における美術品の移動と交易を示すものである。像が残ったのは、船上という環境にあったことと、青銅が耐久性をもつことによる。しかし海水と腐食によって、多くの当初の部分は失われ、または損傷した。保存処置と復元では、考古学的出土地の証拠を保ちながら、金属を安定化させ、公開展示のために像を設置することに重点が置かれてきた。

意義と主な事項

  • 材質:青銅。技法:中空鋳造と複数部品の組み立て。
  • 年代:紀元前460年頃。初期古典期(厳格様式)。
  • 高さ:約2.09メートル。
  • 発見:アルテミシオン岬沖の沈没船。1926~1928年に発掘。
  • 現在地:アテネ国立考古学博物館。
  • 持物の不確実性:上げた手が雷霆を握っていたのか、三叉槍を持っていたのかはなお論争があり、ゼウスかポセイドンかという同定にも影響する。

大型青銅像は古代にしばしば溶かされたため、アルテミシオン像は紀元前5世紀のギリシア記念碑彫刻、および鋳造と展示の技術を伝える希少で貴重な証人である。その正確な同定が完全に解決されない可能性はあるが、その芸術的質と考古学的文脈は、古典美術と海上交易の理解に引き続き寄与している。

タグ

関連項目

著者

AlegsaOnline.com アルテミシオンのゼウス像(初期古典期ギリシアの青銅像、紀元前460年頃)

URL: https://ja.alegsaonline.com/art/6247

共有