マスターカード(Mastercard)とは:企業概要・歴史・事業内容

マスターカードの企業概要・歴史・事業内容をわかりやすく解説。ブランドの成り立ち、決済仕組み、最新動向まで網羅。

著者: Leandro Alegsa

Mastercard Incorporated(通称マスターカード)は、米国ニューヨーク州パーチェスにあるマスターカード・インターナショナル・グローバル本社にある米国の多国籍金融サービス企業である。その事業は、「Mastercard」ブランドのデビットカードやクレジットカードを使って買い物をする加盟店の銀行と、購入者のカード発行銀行または信用組合との間の支払いを処理することである。マスターカードのネットワークは、決済の承認(オーソリゼーション)、決済データの清算(クリアリング)、資金移動(決済)といった一連のプロセスを提供し、加盟店や発行銀行に対して手数料やサービスを提供することで収益を得ている。

会社概要

マスターカードは世界中で決済ネットワークを運営し、カードブランドのライセンス供与、決済処理、データ分析、詐欺防止サービス、トークン化やデジタルウォレット連携など幅広いサービスを提供している。取り扱う決済はクレジット、デビット、プリペイド、商業決済など多岐にわたり、銀行や金融機関、フィンテック企業、加盟店、政府機関などに向けたソリューションを展開している。加盟店やカード発行会社と協働し、世界中で受け入れられる決済インフラを維持・拡張している。

沿革(主な出来事)

  • 1966年:いくつかのカリフォルニア州の銀行が共同で組織を立ち上げ、インターバンク(Interbank Card Association)としてカード事業を開始。ビザ(当時はバンクアメリカのバンクアメリカカード)に対抗する目的があった。
  • 1969年〜1970年代:組織名やブランドを「Master Charge(マスター・チャージ)」などで展開し、事業を拡大。1966年から1979年までは「インターバンク」「マスターチャージ」という名称で活動していた。
  • 1979年:ブランド名を「Mastercard(マスターカード)」に統一。
  • 1990年代〜2000年代:国際展開と技術投資を進め、マグネットストライプからEMV(ICチップ)やコンタクトレス決済へと移行。
  • 2006年以降:企業形態の再編や上場(証券コード:MA)を経て、データサービスやセキュリティ分野への投資、フィンテックとの提携を強化。
  • 2016年:ブランドロゴや表記を小文字「mastercard」へと刷新し、ビジュアル・アイデンティティを更新。また同年は英国の決済インフラ事業者の買収などを通じリアルタイム決済分野を強化。

事業内容と主要サービス

マスターカードの事業は大きく分けて次の分野に分類される:

  • 決済処理・ネットワーク:カード決済の承認・清算・決済のためのネットワーク運用。世界中の加盟店での取引を中継・管理する。
  • ブランド・ライセンス:銀行や金融機関に対して「Mastercard」ブランドの使用ライセンスを提供し、共同で商品(クレジット、デビット、プリペイドカード)を発行する。
  • データ&サービス:取引データを活用した不正検知、リスク管理、マーケティング解析、決済ソリューションの構築支援などを提供。
  • 技術ソリューション:EMV、コンタクトレス(PayPassなど)、トークン化、デジタルウォレット連携、リアルタイム決済のための技術提供。
  • 商業決済:企業間(B2B)決済ソリューション、経費管理、サプライチェーン金融などを含む法人向けサービス。

技術・イノベーション

近年はセキュリティと利便性の両立を重視し、機械学習やAIを用いた不正検知、トークン化による安全な認証技術、オープンバンキングやAPI連携による新サービスの支援、スマートフォンやウェアラブルを使った決済連携などに注力している。買収や提携により、リアルタイム決済(Instant Payments)やオープンデータを使ったサービスも拡充している。

市場での位置づけ

マスターカードは、国際決済ネットワークとしてVisaと並ぶ主要プレーヤーの一つであり、世界中の加盟店・カード発行機関に広く利用されている。地域や国によってシェアは異なるが、グローバルな受け入れ網の広さとブランド認知が強みとなっている。

ガバナンス・上場

マスターカードは公開会社として株式を上場しており、取締役会や経営陣による企業統治の枠組みを持つ。収益は主に決済処理手数料、データ・サービスの提供、ブランド・ライセンス料などから構成される。公表される年次報告書や投資家向け資料で、業績や戦略、リスク管理の状況を確認できる。

規制・訴訟

クレジットカード業界は各国で厳しい規制の対象であり、マスターカードもインターチェンジ手数料や競争制限に関する訴訟や規制対応に直面してきた。消費者保護や手数料の透明性、カードネットワークのルールに関する法的問題は継続的な課題である。これに対して、同社は法的対応やルール改定、市場との対話を行っている。

近年の動向(2020年代)

フィンテックとの協業、デジタルアイデンティティやオープンバンキング関連サービス、サステナビリティへの取り組みを強化している。買収(例:オープンバンキングやデータ分析関連企業)を通じてサービスを拡充し、非接触決済やリアルタイム処理への対応を進めている。また、気候変動や社会的責任に関する取り組みを投資家・顧客に対して示す動きも見られる。

まとめ

マスターカードは、カードブランドとグローバルな決済ネットワークを通じて、消費者・加盟店・金融機関向けに多様な決済サービスと関連ソリューションを提供する大手企業である。技術革新、規制対応、提携・買収を通じて変化する決済環境に適応しつつ、利便性と安全性の向上を目指している。



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