力学的エネルギー(機械エネルギー)とは — 定義・単位・保存則をわかりやすく解説

力学的エネルギー(機械エネルギー)の定義・単位・保存則を図解と例でやさしく解説。運動・位置エネルギーの変換と演習で理解が深まる入門ガイド

著者: Leandro Alegsa

物理学における力学的エネルギー(機械エネルギー)とは、系の構成要素が持つ位置エネルギーと運動エネルギーの和として定義されます。一般に、ある物体や系が持つ力学的エネルギーは状態関数として扱えることが多く、系が別の状態に移るときに行われる機械的仕事は、そのエネルギーの増減として表されます。

基本的な定義と式

代表的な式を示します。

  • 運動エネルギー(K):K = 1/2 m v² (質量 m、速度 v)
  • 重力による位置エネルギー(U):U = m g h (高さ h、重力加速度 g)
  • 力学的エネルギーの総和:E = K + U

これらは単純な例ですが、弾性エネルギー(ばねのエネルギー)など他のポテンシャルエネルギーも同様に加えて考えられます。ポテンシャルエネルギーは、力が保守的(保存力)である場合にのみ一意に定義できます。

単位

機械的エネルギーは他のエネルギーと同じ単位で表されます。SI単位ではジュール(J)を用い、1 J = 1 N·m(ニュートン・メートル)です。単位の換算では、力(N)×距離(m)でエネルギーが得られることを覚えておくと便利です。

仕事とエネルギーの関係(仕事エネルギー定理)

外力が物体に対して行う仕事 W は、運動エネルギーの変化に等しい(仕事エネルギー定理)という関係があります。

ΔK = W(ここで W は物体に外部からなされた全仕事)

系全体に着目すると、外部から系に対してなされた仕事は系の力学的エネルギーの増減として現れます。

力学的エネルギー保存の条件

力学的エネルギー保存則とは、系内に働く力がすべて保守的(例:重力や弾性力)で、非保存力(摩擦や粘性力、空気抵抗など)が仕事をしない場合、力学的エネルギーの総和 E = K + U は時間的に一定である、という原理です。式で表すと:

もし非保存力による仕事がゼロなら、ΔE = ΔK + ΔU = 0

実際には摩擦や粘性、熱伝導、音としての散逸などによって力学的エネルギーが内部エネルギーやその他の形(熱、音、変形エネルギー)に変換されると、系の機械エネルギーは減少します。しかし、全エネルギー(力学的+内部エネルギーなど)は保存されるという点は、物理学の基本原理です。つまり、エネルギーは創造も破壊もされず、形を変えるだけです。

具体例と注意点

  • 振り子:空気抵抗や軸の摩擦が無視できるなら、振り子の最大位置での位置エネルギーは最低点での運動エネルギーに変換され、総和は一定になります。
  • 滑り落ちる箱:滑り面に摩擦がある場合、箱の位置エネルギーの一部は熱に変わるため、力学的エネルギーは減少します。
  • 弾性衝突と非弾性衝突:弾性衝突では運動エネルギーの一部が保存されますが、非弾性衝突では一部が内部エネルギー(変形や熱)に変わるため運動エネルギーは減少します。

どこに適用できるか(系の取り方)

力学的エネルギーの保存を正しく適用するためには「系の境界」を明確にする必要があります。系に含める物体やエネルギーの形をどう定めるかによって、「保存するかどうか」の判定が変わります。たとえば摩擦で熱が生じる場合、系にその熱を蓄える部分(周囲の物体や内部エネルギー)を含めれば全エネルギーは保存されますが、純粋に機械的エネルギーだけを見ると保存されないことになります。

まとめ

力学的エネルギー(機械エネルギー)は、運動エネルギーと位置(ポテンシャル)エネルギーの和として定義され、単位はジュール(J)です。保守的な力だけが働く系ではその総和が保存されますが、摩擦や空気抵抗などの非保守力が働くと力学的エネルギーは他の形に変換されます。なお、エネルギー全体(機械的+内部エネルギー等)は常に保存されるという原則は物理学の基本です。

質問と回答

Q: 機械的エネルギーとは何ですか?


A:機械エネルギーとは、機械システムの構成要素に存在する位置エネルギーと運動エネルギーを表します。

Q: 機械的な仕事とは何ですか?


A: 機械的な仕事とは、ボールを投げるとき、箱を持ち上げるとき、ソーダ缶を砕くとき、飲料をかき混ぜるときなど、与えられた量の機械的エネルギーを伝達することです。

Q: 機械的エネルギーと機械的仕事はどのように測定されるのですか?


A:力学的エネルギーと力学的仕事は、一般的なエネルギーと同じ単位で測定されます。

Q:状態関数とは何ですか?


A: 状態関数とは、あるシステムの構成要素がある量の機械的エネルギーを持つときのことです。

Q:「機械的仕事」とは何を表すのですか?


A: 「機械的な仕事」とは、コンポーネントが得た、または失った機械的なエネルギーの量を表します。

Q: 機械的エネルギー保存の原則とは何ですか?


A:機械エネルギー保存の原則とは、ある条件下では、システムの総機械エネルギーは一定であることを示すものです。

Q: 機械的エネルギーが他の形態に変換された場合でも、機械的エネルギー保存の法則は成り立つのでしょうか?


A:いいえ、機械的エネルギーが化学、核、電磁気など他の形態に変換された場合は、この法則は成り立ちません。しかし、一般的なエネルギー保存の原則は、物理学の不変のルールです。


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