乱視とは?原因・症状・検査・治療(メガネ・コンタクト・手術)をわかりやすく解説

乱視の原因・症状・検査・治療(メガネ・コンタクト・手術)をわかりやすく解説。見え方の特徴や対処法、検査の流れと選べる治療法を具体紹介。

著者: Leandro Alegsa

乱視とは、目が網膜上に1つの像ではなく、方向によって異なる像(複数の像)を作り出す状態を指します。多くの場合、目の前面にある角膜の曲率が完全な球形ではなく、スプーンの背のように縦横で曲率が異なるために光が均一に屈折せず起こります。乱視自体は必ずしも目の健康(眼底や視神経など)に問題があることを意味しませんが、視力の質を低下させ、日常生活に支障を来すことがあります。例えば、ある文字は見えるが別の文字はぼやける、輪郭が二重に見える(ゴースティング)などが典型的です。

原因

  • 先天性:生まれつき角膜や水晶体(レンズ)の形が非対称である場合。
  • 角膜性乱視:角膜の形状異常(不規則な曲率)が主因。弱度〜強度まで幅がある。
  • 水晶体性乱視:加齢や白内障などで水晶体の形や位置が変化することで起こることがある。
  • 角膜疾患や外傷:円錐角膜(keratoconus)や角膜手術後、外傷後に不規則な乱視が生じる。
  • 手術や病気の影響:白内障手術や角膜移植後に乱視が変動することがある。

症状

  • 物がぼやける、歪んで見える(特に縦方向・横方向で見え方が異なる)。
  • 文字が二重に見える、輪郭がにじむ(ゴーストイメージ)。
  • 近視・遠視と併発することが多く、ピントが合いにくい。
  • 目の疲れ、まぶしさ、頭痛—長時間の読書やPC作業で悪化することがある。
  • 片眼でも乱視があれば単眼での二重像(単眼複視)が生じることがある。
  • 子どもでは視力の発達が妨げられ、弱視(視力低下)につながる恐れがあるため注意が必要。

検査・診断

  • 視力検査:視力表での見え方、矯正視力の測定。
  • 屈折検査(屈折度数の測定):自覚・他覚的(オートレフラクトメーターやレフ)でシリンダー(乱視度数)と軸(角度)を測定します。
  • 角膜曲率測定(ケラトメトリー):角膜の主曲率を測定し、乱視の有無と程度を確認します。
  • 角膜トポグラフィー(地図作成):角膜の形状を詳しく調べ、不規則乱視や円錐角膜の早期発見に有用です。
  • 細隙灯検査や眼底検査:角膜や水晶体、網膜の健康状態を評価します。

治療・矯正

乱視は完全に治す(元の角膜や水晶体を元通りにする)ことが難しい場合もありますが、視力を改善し日常生活の質を上げるための選択肢が複数あります。

メガネ

  • 円柱レンズ(シリンダー)で乱視を矯正します。軸(度数の向き)を正確に合わせることが重要です。
  • 弱い乱視から中等度の乱視では非常に有効で、安全かつ簡便な方法です。
  • 両眼で乱視度数が大きく異なる場合は、両眼のバランスをとる処方が必要です。

コンタクトレンズ

  • ソフトトーリックレンズ:軸方向を安定させる設計で、装用感が良く日常使いに向きます。
  • ハード(RGP)レンズ:不規則乱視や角膜形状の補正に優れ、鮮明な視力が得られることが多いです。
  • スカーフィックルや強度乱視向けの特殊レンズや、長時間装用する場合のケア法などもあります。
  • オルソケラトロジー(夜間装用で角膜形状を一時的に変える方法)は近視と乱視の軽減に使われることがありますが、適応や効果には個人差があります。

手術(屈折矯正手術)

  • レーシック(LASIK)やPRK、SMILEなどのレーザー手術:角膜の形を局所的に削り、乱視を含む屈折異常を矯正します。適応は角膜の厚さや形状、度数に依存します。
  • トーリックIOL(眼内レンズ):白内障手術の際に乱視を補正するトーリック眼内レンズを挿入する方法。白内障と乱視を同時に改善できます。
  • 角膜形態異常(円錐角膜)に対する特殊治療:角膜クロスリンキングや角膜リング(INTACS)、角膜移植など、病態に応じた治療が行われます。
  • 手術には利点(メガネ・コンタクト依存の軽減)とリスク(ドライアイ、ハロー・グレア、過矯正・不足矯正など)があるため、事前の検査と十分な説明が必要です。

日常で気をつけること・受診の目安

  • 視力低下、物が二重に見える、頭痛や疲れ目が続く場合は眼科または眼鏡店で検査を受けましょう。
  • 子どもは乱視が放置されると弱視になる可能性があるため、定期的な視力検査・早期治療が重要です。
  • コンタクトレンズやレーザー手術を検討する場合は、角膜の形状検査やドライアイ評価など専門的な検査を受けて適応を確認してください。
  • 乱視度数は年齢や角膜の状態で変化することがあるため、処方や治療法は定期的に見直す必要があります。

まとめ:乱視は角膜や水晶体の非対称な屈折により生じる視力の乱れで、メガネやコンタクトレンズ、手術などで多くの場合改善できます。症状や生活の困りごとに応じて適切な検査と治療を受けることが大切です。眼科専門医や検眼士に相談して、自分に合った矯正方法を選びましょう。

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乱視B

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質問と回答

Q: 乱視とは何ですか?


A: 乱視とは、角膜の不規則な形状によって、網膜上に1つの像ではなく2つの像が見える状態のことです。

Q : 乱視は目の健康に影響しますか?


A: いいえ、乱視は眼の健康に影響しません。

Q : 乱視の原因は何ですか。
A: 乱視は、角膜の不規則な形状によって起こります。

Q : 乱視の症状は何ですか?


A : 乱視の症状には、目がかすむ、文字が読みにくい、頭痛、眼精疲労などがあります。

Q : 乱視は簡単に治りますか?


A : はい、乱視は眼鏡やコンタクトレンズ、手術で簡単に治すことができます。

Q : 乱視はどのように診断されますか?


A : 乱視は、角膜の形状や曲率を測定し、視力をチェックする総合的な眼科検査によって診断されます。

Q : 乱視のある目は不健康と見なされますか?


A: いいえ、乱視のある目は完全に健康な場合もあります。


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