パケットスイッチングとは:データパケットの構造とルーティング入門
パケットスイッチングの基本を図解で解説。データパケットの構造(ヘッダー・ペイロード)とIPルーティングの仕組みを実例でやさしく学べる入門ガイド。
パケットスイッチングは、送信するデータを小さな単位(パケット)に分割し、各パケットを独立してネットワーク上で転送・ルーティングする通信方式です。複数のユーザーやアプリケーションが同じ通信路を共有できるため、回線利用の効率が高く、インターネットをはじめとする現代のネットワークの基盤になっています。
パケットの構造
一般的にパケットは次の要素で構成されます。
- ヘッダー(Header):送信元・宛先アドレス、プロトコル識別子、シーケンス番号、TTL(Time To Live)やチェックサムなど、ネットワーク機器がパケットを正しく転送・検査・再構築するための制御情報を含みます。
- ペイロード(Payload):実際の送信データ(アプリケーションデータ)。例えば、Webページの一部、音声データ、ファイルの一部などです。
- トレーラー(Trailer, リンク層のフッター):主に物理・リンク層での誤り検出(CRCなど)に使われる情報が含まれることがあります。
各階層(アプリケーション、トランスポート、ネットワーク、リンク)でヘッダーが付加される「カプセル化」により、同じデータが異なるプロトコル単位(例:IPパケット、TCPセグメント、Ethernetフレーム)で扱われます。
ルーティングの基礎
- ワークステーションやサーバーは、送信するデータをパケットに分割し、宛先のIPアドレスなどをヘッダーに付加してネットワークへ送ります。
- ルーターは受け取ったパケットの宛先アドレスを見て、ルーティングテーブルに基づき次に送る最適な経路(ネクストホップ)を決定します。
- 多くのルーターはストア・アンド・フォワード方式でパケットを一旦受け取り、検査(チェックサム、MTU超過の確認など)してから転送します。
- パケットスイッチングでは各パケットが異なる経路を通ることがあるため、到着順が入れ替わる(アウト・オブ・オーダー)ことがあり、トランスポート層(TCPなど)が再構築や順序制御を行います。
関連するプロトコルと技術
- IP(Internet Protocol):ネットワーク層で使われる主要なプロトコル。IPv4/IPv6があり、宛先・送信元アドレスやTTLなどを含む。
- TCP/UDP:トランスポート層の代表。TCPは信頼性(再送・順序制御)を提供し、UDPは低遅延での配信を優先する(リアルタイム通信に適する)。
- Ethernet:ローカルネットワークで広く使われるリンク層プロトコル。MTU(最大伝送単位)によりフレームサイズが制限されるため、IPのフラグメンテーションが発生することがある。
- ルーティングプロトコル(OSPF、BGPなど):ルーター間で経路情報を交換し、最適経路を決定するために使われます。
- NAT/ファイアウォール:ヘッダーを書き換えたりパケットを破棄したりすることで、ネットワークのセキュリティやアドレスの節約に寄与します。
利点と欠点
- 利点
- 回線の共有効率が高い:複数通信が同じ物理資源を利用できる。
- 柔軟性:経路障害が発生しても別経路を選択できる。
- 拡張性:ネットワークを段階的に拡大しやすい。
- 欠点
- パケット遅延やジッター(到着時間のばらつき)が発生することがあり、音声・映像などリアルタイム性が重要な通信では工夫(QoSなど)が必要。
- パケット損失や順序入れ替わりが起き得るため、上位層での再送や制御が必要。
実際の動作イメージ
たとえばWebページの読み込みでは、ブラウザが要求をいくつかのパケットに分割して送信し、サーバーは応答を複数のパケットで返します。途中のルーターは各パケットのヘッダーを見て最適経路へ転送します。経路や混雑状況により、あるパケットは遠回りしたり一時的に遅延したりしますが、受信側のTCPが順序を整え、欠落があれば再送要求を出してデータを復元します。
「データパケットとは、ネットワーク上を移動するデータを1つのパッケージにまとめたものです。データパケットは、Webをナビゲートするデータのインターネットプロトコル(IP)伝送や、その他の種類のネットワークで使用されています。」
-エバン
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