パパハナウモクアケア海洋国定公園とは|世界遺産・固有種が豊富な北西ハワイ諸島
パパハナウモクアケア海洋国定公園|北西ハワイ諸島の広大な海域と約7,000種・4分の1が固有種の希少な海洋生態系を紹介。世界遺産の自然美と保護の魅力。
パパハナウモクアケア海洋国定公園は、世界遺産に登録されているハワイの海域保護区です。英語名は Papahānaumokuākea Marine National Monument とされ、北西ハワイ諸島(Northwestern Hawaiian Islands)を中心に、10の島と環礁を含む約140,000平方マイル(約360,000 km2)の海域をカバーします。その面積は、ギリシャの国土よりも大きく、広大な海洋生態系と文化的景観を保護しています。
2006年6月15日、ブッシュ米大統領によって国定公園(海洋国定公園)に指定されました。2010年7月30日にはユネスコの世界遺産にも登録され、自然保護とハワイ先住民の文化的価値の両面で国際的に重要な場所と認められています。
名称と文化的意義
Papahānaumokuākeaという名前はハワイ語に由来し、母なる大地パパハナウモク(Papahānaumoku)と天空の父ワケア(Wākea)の神話的な繋がりを示します。ハワイ先住民(Native Hawaiians)にとって、この海域は祖先や創世にまつわる聖域であり、文化的・宗教的な意義が深い場所です。保護区の管理には連邦・州の機関に加え、ハワイのコミュニティや伝統知識の関与が重視されています。
含まれる島と環礁(主なもの)
- ニオホア(Nihoa)
- モクマナナ(Mokumanamana/Necker)
- フレンチ・フリゲート礁(French Frigate Shoals)
- ガードナー・ピナクルズ(Gardner Pinnacles)
- マロ礁(Maro Reef)
- レイサン(Laysan)
- リシアンスキー(Lisianski)
- パール・アンド・ハーマーズ環礁(Pearl and Hermes Atoll)
- ミッドウェー諸島(Midway Atoll)
- キュア環礁(Kure Atoll)
生物多様性と保全価値
パパハナウモクアケアには約7,000種の生物が確認されており、そのうち約4分の1が固有種とされています。礁やラグーン、海域は多様な生態系を支え、下記のような重要種が生息・繁殖しています:
- ハワイモンクアザラシ(Hawaiian monk seal)— 絶滅危惧種で、本保護区は生息地・繁殖地として重要です。
- レイサンアヒル(Laysan duck)や固有の海鳥群集 — 世界有数の繁殖地を有します。
- 黒足アホウドリ(Black-footed albatross)や多数の渡り鳥の営巣地
- サンゴ礁と付随する魚類群 — 健全な海洋生態系を支える多様なサンゴ・魚類群集
- ウミガメ類や多様な無脊椎動物
管理体制と保護措置
この海域は連邦・州の複数機関(例:National Oceanic and Atmospheric Administration(NOAA)、U.S. Fish and Wildlife Service、ハワイ州)によって共同管理され、ハワイの文化的代表者とも連携して運営されています。広範囲に渡って漁業や採取を制限する「ノータケ(採捕禁止)」的な管理や、外来種の駆除、モニタリング調査、科学研究といった保全活動が行われています。
主な脅威
- 海洋ごみ(特にプラスチックや漁具)による被害
- 気候変動に伴う海水温上昇とサンゴ白化
- 外来生物の侵入(島嶼固有生物への影響)
- 違法漁業や資源の乱獲
見学・研究と訪問制限
保護区は自然保護と文化保全を最優先しているため、一般的な観光の立ち入りは厳しく制限されています。調査や文化的行事、限定的な訪問には許可(パーミット)が必要で、訪問者は事前に申請・審査を受ける必要があります。見学可能な場所や方法は限定されており、保全方針に従って行動することが求められます。
取り組みと将来
管理機関や研究者、ハワイのコミュニティは、外来種対策、海洋ごみの回収と発生源対策、気候変動への適応策、そして伝統知識を活かした保全教育など多面的な取り組みを進めています。世界自然遺産としての評価を背景に、長期的な生態系の回復と文化保全が期待されています。
パパハナウモクアケアは単なる自然保護区以上の意味を持ち、海洋生態系の多様性を守ると同時に、ハワイ文化の根幹に関わる聖地でもあります。訪問や利用は厳格に管理されており、保護の重要性が強く意識されています。
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