段落(パラグラフ)とは:定義・構成・トピックセンテンスと書き方
段落の定義・構成・トピックセンテンスの役割と書き方を例付きでわかりやすく解説。エッセイや文章力アップに役立つ実践テクニック満載。
段落とは、共通の話題や役割を持つ複数の文をまとめたまとまりです。通常は一つの中心的な考え(主題)を表し、その主題を説明・展開・支持する文が続きます。段落の長さは目的や文体によって異なりますが、一般的には3文から8文程度と言われます。ただし、短い段落(1〜2文)や長い段落(10文以上)も文脈によっては適切です。段落の区切りは、行先頭のインデント(スペースやタブ)を付ける方法、段落間に空行を入れる方法などがあり、読む人に新しいまとまりの開始をわかりやすく示します。
段落の基本構成
典型的な段落は次のような要素で構成されます。
- トピックセンテンス(主題文): 段落の最初に置かれることが多く、その段落が何について述べるかを明確にします。
- サポート文(説明・例・証拠): トピックセンテンスの内容を具体化し、理由や例、データなどで補強します。
- 結び(場合によっては移行文): 段落内の論点をまとめたり、次の段落への橋渡しをしたりします。
トピックセンテンスの役割と書き方
トピックセンテンスは読者に段落の焦点を伝える短い文です。以下の点を意識するとよいトピックセンテンスになります。
- 明確で具体的な主張を示す(漠然とした表現は避ける)。
- 段落内で述べる内容と一致させる(段落の他の文は必ずこの文を支持する)。
- エッセイ全体の論(thesis statement)と関連づけられるものにする。
例:「適切な段落構成は読者の理解を助ける」というトピックセンテンスなら、その後に理由や具体例を並べることで説得力が増します。
段落の長さとまとまり(統一性)
段落は一つの主題に集中することが大切です。複数の異なる主題を一つの段落に詰め込むと読者が混乱します。段落が長くなりすぎる場合は、自然な切れ目で2つ以上に分けてそれぞれにトピックセンテンスを与えましょう。逆に短すぎて情報不足なら、補足の説明や例を加えて補強します。
段落のつなぎ(コヒーレンス)
段落間の流れを良くするために、以下の方法を使います。
- 移行語(しかし、また、それに加えて、したがって など)を用いる。
- 前の段落のキーワードや概念を繰り返して結びつける。
- 各段落の結びに次の段落の主題をほのめかす文を置く。
段落を分けるタイミング
次のようなときに段落を分けます。
- 話題(主題)が変わるとき。
- 時間、場所、登場人物、視点が移るとき。
- 対比・反論・別の理由を示すとき。
- 読者に情報を整理して見せたいとき(長い説明を小分けにするため)。
書く手順(実用的な手順)
読みやすい段落を作るための簡単な手順:
- 1) まず段落で伝えたい主題(トピック)を一文でまとめる。
- 2) 主題を支持する理由や例を箇条書きで洗い出す。
- 3) トピックセンテンスを書き、その下に支持文を順序立てて並べる。
- 4) 必要なら結びの文を入れてまとめ、次へつなげる。
その他の注意点
ビジネス文書やウェブ記事では、短い段落(2〜4行程度)を使うと読みやすくなります。学術論文では、論理的な展開と十分な証拠提示が重視されるため、段落の構成をより厳密にする必要があります。また、段落の開始を示す記号としてピルクローマーク(¶)が使われることがありますが、通常の文書では一般的ではありません。
最後に、段落の例として、複数の文で構成されたまとまりを確認してください。段落は多くの場合、いくつかの文から構成され、段落の始まりをインデントや空行で示して読みやすくします。エッセイなどの形式的な文章では、各段落がトピックセンテンスを含み、全体の論(thesis statement)を支持する役割を果たします。

5世紀の聖書の断片から、テキストがパラグラップされていることがわかる。


段落の始まりの位置を示すために使われることもある記号
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