ペナルティシュートアウト(PK戦)とは ルール・進行・歴史と有名な試合
アソシエーションサッカーのPK戦は、両チームが同じ数のゴールを決めた場合、試合の勝敗を決める方法である。トーナメント方式の大会(カップ戦)では延長戦の後、それでも同点ならPK戦で勝者を決めることが一般的だ。
基本的なルール
一般的な進行は次の通りである。
- 延長後に実施:90分の通常時間で同点の場合は通常30分の延長(前後半各15分)を行い、それでも同点ならPK戦へ移る。
- 5本ずつのキック:各チームがまず5本ずつ同じ本数を蹴り、より多く成功させたチームが勝者となる。
- サドンデス:5本ずつで同点の場合は、その後は各チームが1本ずつ蹴り、どちらか一方がリードした時点で勝敗が決まる(サドンデス方式)。
- キッカーの資格:延長終了時点でピッチにいる選手(退場を受けた選手や交代でベンチにいる選手は除く)がキッカーとして登録できる。ゴールキーパーも蹴ることができる。
- 順番の決定:コイントスでどちらが先に蹴るかが決まる。先攻・後攻は試合の流れに影響を与えるため重要視される。
- 反則と再試合:キッカーやゴールキーパーがルール(例えばキッカーが二度触れる、ゴールキーパーがラインを越える)に違反した場合は状況に応じてやり直しや得点無効が適用される。
- 順番と重複:基本的に全ての有資格選手が1回ずつ蹴るまでは、同じ選手が2回蹴ることはできない(大会や規定での細かな運用は異なる場合あり)。
PK戦の進行手順(簡略)
- 審判がキッカーとチーム代表から順番を確認し、コイントスで先攻を決定。
- 順にペナルティマークからキック。ゴールキーパーはゴールライン上に片足でも前に出てはいけない(飛び出しの判定あり)。
- 5本ずつを終え、勝敗が決まらなければ1本ずつのサドンデスへ移行。
- 反則があれば主審が判定、必要ならやり直しや警告・退場を命じる。
戦術・心理面
- キッカーの選び方:技術だけでなく精神面(緊張への強さ)や過去の成功率が考慮される。序盤に得点を取って勢いを作るか、経験者を中盤—終盤に配置するかは監督の判断。
- ゴールキーパーの読み:相手キッカーのクセや助走角度、目線などを読み取って行動する。近年はデータ分析でキッカーの傾向を研究するチームもある。
- メンタル管理:PKは技術よりも心理の勝負になりやすい。呼吸法、ルーティンの確立、ベンチの声かけなどが重要。
誰が蹴れるか・交代について
原則として延長終了時にピッチ上にいる全ての選手が蹴る権利を持つ。退場や負傷で人数が少ない場合でも、残っている選手が同数のキックを行う。大会規約により交代枠や延長での追加交代(近年導入されている大会もある)に差があるため、大会ごとの競技規則を確認する必要がある。
歴史と変化の動き
PK戦は長年にわたりノックアウト方式の試合で勝者を決定するために採用されてきた方法の一つである。過去には延長戦の再試合(リプレイ)やゴールデンゴールなどの方式も試されたが、日程や選手の負担を考慮して現在のPK戦が広く定着している。近年は「先攻の有利」を是正するためにキック順の改良案(いわゆるABBA方式など)を一部大会で試験的に実施するなど、より公平にするための議論も続いている。
批判と議論
- PK戦は個人の技術やメンタルが勝敗を左右し、チーム戦全体の結果を決めてしまう点を批判する声がある。
- 一方で、再試合や延長だけでは日程や選手の負担が大きくなるため、短時間で決着をつける実用的な手段とも評価される。
- 公平性の観点から、先攻・後攻の有利不利をどう是正するかが今後の課題となっている。
有名なPK戦の例
歴史的に注目を集めたPK戦はいくつもある。例:
- 2006年ワールドカップ決勝(イタリア vs フランス)— 延長でのジダンの退場劇の後、PK戦でイタリアが勝利した。
- 1994年ワールドカップ決勝(ブラジル vs イタリア)— ロベルト・バッジョのPK失敗などでブラジルが優勝した。
- 2005年 UEFAチャンピオンズリーグ決勝(リヴァプール vs ACミラン)— 「イスタンブールの奇跡」と呼ばれた試合は120分を終えて3-3、その後のPK戦でリヴァプールが勝利した。
最後に
PK戦はサッカーのトーナメントで不可欠な決着方法の一つであり、選手の技術と精神力、監督の采配、そして運の要素が入り混じる劇的な局面を生む。大会規則やルールの細部は大会ごとに異なるため、観戦・参加する際は該当大会の競技規則を確認することをおすすめする。
質問と回答
Q:アソシエーションフットボールにおけるPK戦とは何ですか?
A: アソシエーションフットボールにおけるPK戦とは、両チームが同じ数のゴールを決めた場合に、試合の勝敗を決める方法です。
Q:サッカーの試合で、90分後に引き分けになった場合はどうなりますか?
A:通常、両チームは30分の延長戦を行います。
Q: PK戦では、各チームは何本のPKを取りますか?
A:通常、各チームが5本ずつPKを取ります。
Q:PK戦の5回のPKの後、両チームが同点だった場合はどうなりますか?
A:5本のPKの後、両チームが同じであった場合、どちらかのチームが優勢になるまで、各チームはさらに1本ずつPKを取ります。
Q:通常、PK戦はどのような試合でのみ行われるのですか?
A:PK戦は通常カップ戦のみで、リーグ戦では行われません。
Q: リーグ戦で誰も勝てなかった場合はどうなりますか?
A: リーグ戦で勝利がない場合、両チームとも引き分けで勝ち点1となります。
Q: カップ戦は引き分けになることがありますか?
A: カップ戦は、次のラウンドに進むために勝者が必要な場合が多いので、引き分けで終わることはありません。