広汎性発達障害(PDD)とは|自閉症スペクトラム・症状と早期発見ガイド

広汎性発達障害(PDD)や自閉症スペクトラムの症状と早期発見法をわかりやすく解説。親向けチェックと具体的な対応策を掲載した実用ガイド。

著者: Leandro Alegsa

広汎性発達障害(PDD)は、障害群の一つです。このグループには、5つの障害があります。これらの障害はすべて、子どもが話したり人の話を聞いたりすることを学ぶ速度を遅くし、また他の問題も引き起こします。

5つの障害とは

  • 特定不能の広範な障害(PDD-NOS)。
  • 自閉症
  • アスペルガー症候群
  • レット症候群
  • 小児期崩壊性障害(CDD)

このうち最初の3つは自閉症スペクトラム障害とも呼ばれます。最後の2つは一般的ではありません。

両親がPDDの兆候に気づき始めるのは、その子が赤ん坊の頃で、通常は3歳までに現れます。

広汎性発達障害(PDD)とは──特徴と共通点

広汎性発達障害(PDD)は、社会的な相互作用やコミュニケーションの発達に遅れや困難を伴う状態を指します。以下のような特徴が見られることが多いです:

  • 対人関係や目を合わせる、笑い返すなどの社会的なやり取りが苦手
  • 言葉の発達が遅れる、または言葉を使ったコミュニケーションが制限される
  • 反復的・常同行為(同じ動作や日課への強いこだわり)や限られた興味・活動
  • 感覚の過敏または鈍麻(音や光、触感に対する過敏さなど)

症状の現れ方や重さは個人差が大きく、「スペクトラム(連続体)」として扱われます。同じ診断名でも支援の必要度や生活への影響は人それぞれです。

5つの障害の簡単な説明

  • 特定不能の広範な障害(PDD-NOS):自閉症やアスペルガーに当てはまらないものの、発達の遅れや社会的・コミュニケーションの問題がある場合に用いられます。
  • 自閉症:言語発達や社会的相互作用、興味の限定・行動の反復が特徴。症状の程度は軽度から重度まで幅があります。
  • アスペルガー症候群:知的発達は比較的保たれるが、社会的技能や非言語コミュニケーション(表情・身振りなど)に困難があるタイプ。DSM-5以降は自閉症スペクトラムに統合されることが一般的です。
  • レット症候群:女児に多く見られる遺伝性の疾患で、生後しばらくは正常に発達した後に急速な退行(言語や運動の喪失)を示します。MECP2遺伝子の異常が関与します。最近の診断分類では自閉症スペクトラムとは別扱いされることが一般的です。
  • 小児期崩壊性障害(CDD):2歳前後まで正常に発達した後、言語や社会的技能が著しく失われる稀な障害です。

早期発見のポイント(保護者・保育者が注目すべき兆候)

早期発見は支援を早く始めるうえで非常に重要です。次のようなサインに気づいたら、かかりつけ小児科や発達専門医に相談してください:

  • 6か月ごろ:目で追わない、笑いかけに反応しない、音や声に対する反応が薄い
  • 9〜12か月ごろ:呼びかけに反応しない、指差しをしない、喃語(ばぶばぶ)や音遊びが少ない
  • 15〜18か月ごろ:単語が出ない、身振り(手を振る、指さすなど)をほとんどしない
  • 24か月ごろ:二語文が話せない、社会的なやり取りが少ない、興味が非常に限定的である
  • 言葉や動作の発達の「後退(退行)」:一度できていた言葉や技能が失われる

診断と評価

診断は医師や発達心理士、言語聴覚士などの専門チームによる総合的な評価で行われます。問診、発達検査、行動観察、言語評価、必要に応じて遺伝学的検査や聴力検査などが含まれます。スクリーニングツール(例:M-CHATなど)を用いて、早期に評価すべきか判断することが一般的です。

支援・治療(介入)

早期からの介入で発達結果が改善することが多く、個々のニーズに応じた支援が重要です。主な支援内容は次のとおりです:

  • 行動療法(応用行動分析:ABAなど)
  • 言語聴覚療法(コミュニケーション能力の支援)
  • 作業療法(感覚処理や日常生活動作の支援)
  • 教育的支援(個別の教育プラン、特別支援学校・学級など)
  • 家族への支援・指導(親教育、相談、地域リソースの紹介)
  • 合併症(不安、てんかん、注意欠如など)がある場合は、それに対する薬物療法や専門治療

予後と生活

PDDは基本的に生涯にわたる特性を含みますが、早期支援や適切な教育により社会的スキルや生活能力を大きく伸ばせる人も多くいます。支援が適切に行われれば、就学や就労、社会参加が可能になるケースもあります。個々の特性に合わせた環境整備と長期的な支援計画が重要です。

注意:診断分類の変化

近年の国際的な診断基準(DSM-5)では、従来の「広汎性発達障害(PDD)」の多くの診断名を統合して自閉症スペクトラム障害(ASD)という枠組みにまとめています。一方で、レット症候群のように明確な遺伝学的原因を持つ疾患は別に扱われることが多くなっています。

受診の目安と相談先

以下のようなときは早めに相談してください:

  • 上記の早期サインに心配がある場合
  • 言葉や社会性の発達が同年代の子どもと大きく異なると感じる場合
  • 一度できていた技能が失われた(退行)が疑われる場合

まずはかかりつけの小児科、発達支援センター、地域の保健センター、発達障害専門の医療機関や相談窓口に相談するとよいでしょう。

早期発見・早期支援が、その子どもの将来の可能性を広げます。不安があれば一人で抱え込まず、専門機関や医療機関に相談してください。



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