ピック(プレクトラム)入門:種類・素材・演奏方法を徹底解説

ピック(プレクトラム)の種類・素材・持ち方から奏法まで写真&図解で徹底解説。初心者〜上級者必見、音作りや選び方のコツも紹介。

著者: Leandro Alegsa

ピックplectrum)は、弦楽器を演奏するために使われる小さな道具です。親指と人差し指で挟んで弦を弾くことで、指だけでは得られない明瞭でアタックのある音色を作ります。硬めの素材で弾くと、硬く金属的な「ツーン」という音を出すことができ、音量や倍音の出方も変わります。ギター、リュート、マンドリンなどの弦楽器で広く使われています。なお、チェンバロも弦を弾きますが、この楽器の「プレクトラ」は通常のピックではなく「ジャック」と呼ばれる機構で、鍵盤を押したときに弦をはじく仕組みになっています。

ピックの種類と形状

  • ティアドロップ(スタンダード):最も一般的な形。弾きやすく、ストロークから単音弾きまで幅広く使える。
  • ジャズピック(小型・尖り):先端が尖っており、速いフレーズやシングルノートの明瞭さを重視するプレイヤー向け。
  • トライアングル(ロックピック):角が複数あるため角度を変えて使える。耐久性が高いものが多い。
  • サムピック/フィンガーピック:親指用、指用に装着するタイプ。ブルーグラスやフィンガースタイルで安定したピッキングが可能。
  • フェルトピック:やわらかく、ウクレレやマンドリンで柔らかい音を出したいときに有効。

素材と音色の違い

  • セルロイド:伝統的な素材で、温かみのある音。滑りやすいものもある。
  • ナイロン:やや柔らかく、丸みのある音。耐久性と弾きやすさのバランスが良い。
  • デルリン(ポリアセタール):タイトで明瞭な音。摩耗に強く長持ちする。
  • ウルテックス/アクリル:硬めで明るい高音が出やすい。アタックが強い。
  • 金属・木・石・骨など:個性的な音色を出すが、弦やピックガードに傷をつける可能性があるので注意。

厚み(ゲージ)と用途

  • 薄手(~0.6mm程度):柔らかく弦に「しなる」ため、ストローク(伴奏)に向く。アコースティックギターのバッキングなど。
  • 中厚(0.6~1.0mm):汎用的で、ストロークにもリードにも使える。初めての人はこのレンジがおすすめ。
  • 厚手(1.0mm~):ピッキングのアタックが強く、ソロや速弾き、一音一音の粒立ちを重視する奏法に向く。ベースピックにも厚手が好まれる。

基本的な持ち方と演奏テクニック

  • 持ち方(グリップ):親指の腹側と人差し指の側面で挟み、先端が2~3mm出るくらいが標準。力を入れすぎないで弾くと柔軟にコントロールしやすい。
  • ピック角度:弦に対してわずかに傾ける(ピック先端が弦に沿う角度)と滑らかに弾け、ノイズが減る。角度を変えると音色が大きく変わる。
  • ピッキングの動き:手首中心で小さく動かすか、腕全体で大きく動かすかは奏法次第。速いフレーズは手首や指の微妙な動きで、力を入れすぎないことがポイント。
  • テクニック:ストローク、オルタネイト(交互)ピッキング、エコノミー/スウィープ、ハイブリッド・ピッキング(ピックと指を併用)、トレモロ(マンドリンやクラシック的な連打)など、用途に応じた技術を使い分ける。

楽器別の選び方の目安

  • アコースティックギター:ストローク主体なら薄手~中厚、フィンガーピッキングの補助なら中厚がおすすめ。木材や弦の鳴りを活かす素材選びが大切。
  • エレキギター:リードや速弾きなら厚手で明瞭な音色が出るピックが好まれる。ロック系のパワーコードには中厚~厚手。
  • マンドリン/リュート:マンドリンはトレモロや速い単音に耐える硬めのピックが一般的。リュートは伝統的にナイロンや羊毛の指で弾くことも多いが、曲や編成によりピックを用いる場合もある。
  • チェンバロ:前述のとおり、通常のピックではなくジャックという機構で弦をはじく仕組みです(人が持つピックとは性質が異なります)。

メンテナンスと交換の目安

  • ピックは摩耗しやすく、角が丸くなったり滑りが悪くなったら交換を検討する。摩耗したピックは音の立ち上がりが鈍くなる。
  • 合成素材のピックは比較的長持ちするが、金属や硬い素材のピックは弦やピックガードに傷をつけることがあるので扱いに注意。
  • 滑り止め加工(表面の凹凸やラバー)は握りやすくなるが、剥がれたら交換を考える。

最適なピックの見つけ方と練習法

  • 複数の厚さ・素材を試してみる。楽器・弾き方・好みの音色で選ぶのが基本。
  • 同じ曲を異なるピックで弾き比べて、音の違い(アタック、サステイン、倍音)を耳で確かめる。
  • 持ち方や角度を少しずつ変えてみて、ノイズの出し方や弾き心地をチェックする。
  • 基本練習:メトロノームに合わせたオルタネイト・ピッキング、ストロークのダイナミクス練習、ジャズピックでの速いフレーズ練習など。

ピックは小さな道具ですが、素材・形状・厚み・持ち方で音や弾き心地が大きく変わります。最初は汎用性の高い中厚のピックから始め、演奏スタイルに合わせて少しずつ替えていくと、自分に合った一本(あるいは数種類)を見つけやすくなります。

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