Ratatatは、ギタリストのMike Stroudとシンセサイザー操作およびプロデュースを担当するEvan Mastによるアメリカのエレクトロニック・ロック/エレクトロニカのデュオ。二人はスキッドモア大学(Skidmore College)在学中に出会い、2001年頃に「Cherry」名義で活動を始め、その後Ratatatとして作品を発表してきました。特徴的なのはエレクトロニックなビートを土台に、鮮烈でメロディアスなエレキギターを前面に押し出したインストゥルメンタル曲を中心に据えたサウンドです。

メンバー

  • Evan Mast(別名 E*vax)– シンセ、プログラミング、プロデュース
  • Mike Stroud – エレクトリックギター、リード奏者

音楽性と特徴

Ratatatの音楽は、エレクトロニカやインディ・ロック、ヒップホップのビート感を融合させたインスト中心の作品が多く、シンプルで反復的なリフと空間を活かしたアレンジ、歪みやエフェクトを効かせたギターのフレーズが印象的です。歌詞のある楽曲による表現よりも、楽器そのものの音色やメロディで物語を紡ぐスタイルを得意とします。

代表作・ディスコグラフィ(主なアルバム)

  • Ratatat(2004年)– デビュー・アルバム。シングル「Seventeen Years」「Germany to Germany」「Desert Eagle」などを収録。
  • Classics(2006年)– 音色の幅を広げた2作目。
  • LP3(2008年)– よりダイナミックでロック色の強い作品。
  • LP4(2010年)– これまでの路線を発展させた作品。
  • Magnifique(2015年)– バンドの成熟を感じさせる最新フルアルバム(2024年時点)。

シングル・リミックスとコラボレーション

Ratatatはオリジナル曲のほか、他アーティストの楽曲をリミックスする仕事でも知られています。シングルや非アルバム曲としては「Seventeen Years」「Germany to Germany」「Wildcat」「Lex」「Loud Pipes」「Shiller」「Mirando」「Shempi」などが存在します。

リミックス集としては、ヒップホップ系アーティストの楽曲を多数手掛けたコンピレーション(例:Ratatat Remixes No.2など)があり、Young Buck、T.I.、Ludacris、The Notorious B.I.G.、Jay Z、Z-Ro、Devin the Dude、Juvenile、Beanie Sigel、Despot、Memphis Bleek、Slim Thug、Bun B、Young Jeezy、Kanye West、Beans、Saigon、U.G.K.といったアーティストのトラックをリミックスしたものが収録されています。

メディアでの使用例

Ratatatのインスト作品は映画、テレビ番組、ゲームなどさまざまなメディアで使用されています。代表的な使用例:

  • クローバーフィールドで「Seventeen Years」が使用された(劇中や予告編などでBGMとして起用されたことがあります)。
  • Loud PipesはPlayStation用ゲーム「MLB 07: The Show」に収録されました。
  • Duraはテレビドラマ『CSI』シーズン9第7話「Woulda, Coulda, Shoulda」で使用されました。
  • MontanitaはNBCのドラマ「チャック」シーズン2第2話で採用されています。

ライブとツアー

Ratatatはアルバム発表後、北米や欧州、日本などでツアーを行い、インストバンドながらエネルギッシュで観客を巻き込むライヴパフォーマンスが評価されています。過去には2009年に全米ツアーを行い、日本でも公演を行ったことがあります。以降もフェスティバル出演や単発の来日公演を行うことがあり、ライヴではアルバム収録曲に加えリミックスや未発表曲を披露することもあります。

その後の活動(近年)

Evan Mastはソロ名義(E*vax)やプロデューサーとしての活動を継続し、Mike Stroudはギタリストとしてセッションやライブ活動を行っています。バンドとしての最新フルアルバムは2015年のMagnifiqueで、その後は単発のリリースやツアー、フェス出演を中心に活動しており、近年も断続的にライブを行っています(2024年時点)。

影響と評価

Ratatatのサウンドは、ロックの生楽器感とエレクトロニカのビート志向を融合させた点で多くのアーティストやプロデューサーに影響を与えました。特にインスト主体でありながらポップで覚えやすいメロディを作る手腕は高く評価され、映画やゲームなど映像作品のサウンドトラック的な需要も高いです。

参考として、主要アルバムや代表曲を聴くことで彼らの音楽性をつかみやすく、ライブではスタジオ盤とは異なる即興的なアレンジが楽しめる点も魅力です。