概要
ローヌ川は西ヨーロッパの主要河川のひとつである。アルプスに源を発し、スイスとフランスを流れて地中海に注ぐ。全長は一般に約812キロメートルとされる。氷河を源とするこの川は、主要な湖や都市を通り、大きな流域を排水し、地中海沿岸の他の河川と比べても相当な平均流量を持つ。
流路、流域、特徴
ローヌ川はスイスアルプスのローヌ氷河から流れ出し、すぐにレマン湖(Lac Léman)へ注いだのち、スイスを離れてフランスに入る。流路の途中では多くの支流を受け、主なものにソーヌ川(リヨンで合流する)、イゼール川、デュランス川などがある。流域面積はおよそ95,500平方キロメートルで、タラスコンのような観測地点では平均流量は約1,700立方メートル/秒に達する。極端な出水時には、歴史的な洪水で12,000立方メートル/秒を超えたこともある。
デルタ、生態系、カマルグ
下流域ではローヌ川は2つの主な流路に分かれ、国際的に重要な生態学的価値を持つ広大な湿地・デルタ地域であるカマルグを形づくる。グラン・ローヌとプティ・ローヌのあいだには、沼地、ラグーン、塩性平地、水田がモザイク状に広がり、フラミンゴを含む鳥類のほか、野生化した馬や伝統的な牛の品種でも知られる。これらの湿地は洪水の緩衝となり、漁業を支え、保護対象の生息地も抱えている。
人間の利用、インフラ、航行
この川は長く、交通、灌漑、発電のために利用されてきた。多くの区間で航行が重要で、運河連絡や閘門によって商業航行やレジャー航行が可能になっている。流量の調整、水力発電の供給、洪水リスクの軽減を目的として、19世紀から20世紀にかけてダム、貯水池、分流路などの大規模な工学的整備が行われた。調整されたローヌ川の流れは、その谷での農業、産業、都市用水を支えている。
歴史、文化、注目点
ジュネーヴやリヨンを含む河畔の集落は、古代以来、交易や連絡のためにローヌ川に依存してきた。この川とその河岸は芸術家や作家にも着想を与え、とりわけフィンセント・ファン・ゴッホはアルル周辺のローヌ川を描いた(その上流部にある象徴的な場所としてレマン湖も挙げられる)。また、ローヌ川は地中海に達する最大級の河川のひとつであるため、地中海への河川流出量を論じる際にはナイル川との比較がしばしば登場する。二股のデルタ、整備された洪水管理システム、カマルグの生物多様性は、この川の最も特徴的な要素の一部である。