ロマーナ(Romanadvoratrelundar)は、イギリスのSFテレビシリーズ『ドクター・フー』に登場する架空の人物である。彼女は惑星ガリフリーのタイムレディで、4代目ドクターのコンパニオンだった。タイム・ロードであるためロマーナは再生(regeneration)能力を持ち、画面上ではやや異なる人格を伴う二つの姿(ファンの呼称でロマーナIとロマーナII)として描かれている。ロマーナIは1978年から1979年までメアリー・タム(Mary Tamm)が演じたが、俳優の都合(妊娠や契約上の理由など)で同役は再キャストされ、ロマーナIIを1979年から1981年までララ・ワード(Lalla Ward)が演じた。
テレビシリーズでの経歴
ロマーナは「キー・トゥ・タイム」編(シーズン16)でドクターの相棒として登場し、その後もトム・ベイカー演じる4代目ドクターと共に数多くの冒険に加わった。代表的な出演作には以下がある(抜粋):
- 「The Ribos Operation」(登場・序盤の物語)
- 「The Pirate Planet」「The Stones of Blood」「The Android Invasion」「The Armageddon Factor」(キー・トゥ・タイム関連)
- 「Destiny of the Daleks」(ロマーナIIの登場/再生描写がある)
- その後の連作群(例:The Creature from the Pit、The Horns of Nimon、The Leisure Hive、Meglos、Full Circle、Warriors' Gate)
ロマーナは「Warriors' Gate」(1981年)でシリーズを離れる。物語の結末で彼女はドクターと別れ、自分の選んだ行き先に留まる決断をする(並行宇宙E-スペースに残る、という設定の扱い)。
人格の違いと再生(regeneration)について
ロマーナI(メアリー・タム)は、冷静で知的、やや貴族的な礼節を重んじる人物として描かれ、ドクターに対しても初期はやや距離を置いた態度を見せることが多かった。対してロマーナII(ララ・ワード)は、より軽やかで遊び心があり、ドクターと対等にふざけ合ったり恋愛めいたニュアンスを見せる場面もある。両者とも高い知性と機知に富む点は共通しているが、表現や行動様式に顕著な差がある。
劇中の再生描写では、ロマーナのケースはユニークな扱いを受ける。通常タイム・ロードの再生は生物学的プロセスであり外見や性格に変化をもたらすが、ロマーナは『Destiny of the Daleks』で“試着”のように複数の体を試し、自ら好みの姿を選ぶ描写があり(コミカルに描かれている)、タイム・ロードの再生に一定の変化や自己選択の余地があり得ることを示している。一般には再生後も記憶と核心的な自己同一性は保たれるが、個性や行動傾向は変わり得るため、ロマーナI→IIの変化はその典型的な例とされる。
拡張メディアでの扱い
テレビ本編終了後も、ロマーナは小説、コミック、音声ドラマなど多くの拡張メディアで扱われ続けた。とくにBBC系のノベライズや派生作品では、ロマーナが後年ガリフリーで重要な地位(大統領や高官など)についた設定が用いられることが多い。音声作品ではララ・ワードがロマーナIIを何度も演じており、ファンの間では公式外伝の中で長く活躍するキャラクターとなっている。
人物像と影響
ロマーナはドクターの相棒として「対等な知性の持ち主」「時にドクターを諭す存在」「ガリフリーの文化・価値観を体現する人物」として評価される。女性のタイム・ロード(タイムレディ)という設定、再生を経て性格が明確に変化する描写、そして高い自己決定性は、シリーズの中で印象的なキャラクター造形となった。ファンの間ではロマーナIとIIの対比や、彼女がその後ガリフリーで果たした役割について熱心な議論と創作が続いている。
補足:ロマーナのフルネーム「Romanadvoratrelundar」はガリフリー語風の長い名前で、作中では一般に「ロマーナ」と短縮される。テレビ版と拡張メディアでは描写や帰結が異なる部分もあるため、どの設定を“準正史”として扱うかは媒体やファンによって差がある。