歴史的ロス橋(タスマニア)—1836年完成、囚人が築いたオーストラリア現役3番目の石橋
タスマニアの歴史的名橋「ロス橋」—1836年完成、囚人が築いた砂岩の傑作。オーストラリア現役で3番目に古い観光名所と歴史遺産を紹介。
ロス橋は、オーストラリアのタスマニア州中央部に位置するロスの町で、マッコーリー川に架かる歴史的な石橋です。建設は囚人労働を用いて行われ、石造りの橋として1836年に完成し、同年10月21日にタスマニア州知事ジョージ・アーサーによって開通しました。現役で使われているオーストラリアの石造橋としては3番目に古い橋とされています。
背景と以前の橋
ロスに架かる橋は当初、1822年に建てられましたが、その路面は丸太と粘土で作られており、橋脚の一部が損傷したり崩落したりする問題が繰り返されました。1828年の一部崩落を経て修復が行われましたが、1831年にはついに旧橋が崩壊したため、新しい恒久的な橋の建設が急務となりました。
設計と建設
新橋は建築家のジョン・リー・アーチャーが設計を手がけ、材料には砂岩でできたブロックが使われました。当初から何度も工事計画や設計の変更があり、さらに一部の役人が政府が購入した橋材を横流ししたといった不正もあって工事は遅延しました。その後、多数の監督者が交代するなど紆余曲折がありましたが、工事の大きな進展が見られたのは、技能を持つ囚人たちが本格的に加わってからでした。
特に、ジェームズ・コルベック(James Colbeck)とダニエル・ハーバート(Daniel Herbert)という2人の囚人の石工が建設チームに参加して以降、工事が一気に進みました。報告によれば、着工から7年を経た段階で、コルベックとハーバートらが中心となってわずか13カ月で橋の主要部分を完成させたと伝えられています。
彫刻と装飾
橋の両側にはハーバートを中心とした囚人石工による繊細な彫刻が施されており、人物像、動物、植物文様など多数のモチーフが石面に刻まれています。伝統的にはおよそ186点にのぼる装飾的な彫刻があるとされ、その巧緻な彫りはオーストラリアの橋梁彫刻として高く評価されています。中には当時の人物や役人を風刺的に描いたと解される像もあり、囚人たちの視点や創意が反映された貴重な歴史資料ともなっています。
歴史的意義と現況
ロス橋は単なる交通施設にとどまらず、タスマニアの囚人制度と植民地時代の建築技術を物語る文化遺産です。1836年の完成以来、橋は道路交通と地域生活を支え続け、観光名所としても人気があります。1978年にはナショナル・エステートの登録簿に登録され、以後も保存・修復の対象として保護が図られています。
現在でも橋は車両や歩行者が通行できる状態で維持されており、ロスの町は橋のほかにも歴史的建造物や資料館が点在する観光地として訪れる人が多く、橋はその中心的な見どころとなっています。
質問と回答
Q: ロス・ブリッジとは何ですか?
A: ロスブリッジは、オーストラリアのタスマニア州中央部にあるロスの町にある歴史的な橋です。
Q: ロス・ブリッジはいつ作られたのですか?
A: ロス・ブリッジは1836年の7月に完成しました。
Q: ロスブリッジはどこの川を渡っているのですか?
A: ロス・ブリッジはマッコーリー川を横断しています。
Q: 誰がロスブリッジを作ったのですか?
A: ロスブリッジは囚人たちによって建設されました。
Q: 誰がロスブリッジを設計したのですか?
A: ロスブリッジは、建築家ジョン・リー・アーチャーによって設計されました。
Q: ロス・ブリッジはいつ完成したのですか?
A: ロスブリッジは、2人の囚人石工、ジェームズ・コルベックとダニエル・ハーバートが建築チームに加わってから13ヶ月後に完成しました。工事はその7年前に始まっていました。
Q: 誰がロスブリッジを開通させたのですか?
A: 1836年10月21日、タスマニア州知事ジョージ・アーサーがロスブリッジを開通させました。
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