MI6(秘密情報局)とは|英国の対外諜報機関の歴史・組織・任務
MI6(秘密情報局)の歴史・組織・任務を解説。英国諜報の役割、協力機関、活動拠点まで詳しく紹介。
秘密情報局(Secret Intelligence Service、通称MI6)は、外国に関する情報を収集する英国の情報機関である。外務省の一部門であり、合同情報委員会に報告される。機密性の高い対外諜報(HUMINT:人的情報収集)を主たる任務とし、国家の安全保障・外交政策を支える役割を担っている。
概要
1909年にシークレット・サービス・ビューローとして結成されたが、その存在が公式に認められるのは1994年になってからである。組織は長年にわたり高い機密性を保ち、活動や人数、詳細な組織構成は公表されていない。
歴史的経緯
設立当初から第一次世界大戦・第二次世界大戦・冷戦を通じて対外諜報活動を行い、20世紀を通じて英国の対外政策や軍事作戦に重要な情報を提供してきた。冷戦期にはソビエト連邦向けの諜報活動が中心となり、近年はテロ対策、拡散防止(WMD対策)、サイバーや情報操作への対応など任務の幅が広がっている。
組織と任務
- 人的情報(HUMINT)の収集:現地でのエージェント網の構築・管理、情報提供者の確保。
- 秘密工作・潜入活動:必要に応じた隠密行動や特殊任務の企画・実行(公表されることは稀)。
- 分析・報告:収集した情報を分析し、政府(外務省や内閣など)に提供。
- 国際協力:他国の情報機関との連携や情報共有を通じた共同作戦・相互支援。
このサービスは、セキュリティ・サービス(MI5)、政府通信本部(GCHQ)、国防情報局(DIS)と連携している。SISは、イギリス国外でのイギリスの諜報(スパイ)活動を扱っている点で、国内治安を担うMI5と役割が明確に分かれている。
法的地位と監督
長い間、MI6の存在は公式に否定または黙示されることが多かったが、1994年の立法や以降の制度整備によりその法的地位が明確化された。現在は議会の監督機関や独立監視機関の監督下に置かれており、活動は政府の方針や国際法・国内法に従って行われるとされている。ただし、具体的な運用や作戦の詳細は高度に機密化されている。
本部
本社はロンドンのヴォクスホール・クロスにある専用ビルです。外観はしばしばメディアに取り上げられるが、内部は厳重な警備下にある。
対外的評価と文化的影響
MI6は国際的な諜報活動で長年の実績を持ち、同盟国との協力関係も深い。一方で、フィクション作品—特にジェームズ・ボンドシリーズ—の影響により一般の認知度は高く、しばしば「スパイ活動=映画」のイメージと結びつけて語られる。
その他の留意点
- 具体的な組織図や力量、個別作戦の詳細は機密のため公開されない。
- SISは国内での逮捕権や捜査権を持たず、必要な場合は警察や国内機関と連携して対応する。
- 現代では従来の人的情報活動に加え、デジタル領域やサイバー関連の対応が重要性を増している。

ヴォクスホール・ブリッジから見たロンドン、ヴォクスホール・クロスのSISビル。
関連ページ
- アメリカ中央情報局
- スペシャル・エア・サービス
質問と回答
Q: 秘密情報局(SIS)とは何ですか?
A:MI6としても知られる秘密情報局(SIS)は、外国の情報を収集するイギリスの諜報機関です。
Q: SISが設立されたのはいつですか?
A: 1909年にシークレット・サービス局として設立され、1994年にその存在が公式に認められました。
Q: SISの報告先はどこですか?
A: SISは外務省の一部門である統合情報委員会に報告しています。
Q: SISが協力している他の諜報機関は何ですか?
A: SISは安全保障局(MI5)、政府通信本部(GCHQ)、国防情報局(DIS)と連携しています。
Q: SISは何を扱っているのですか?
A: SISは英国外におけるスパイ活動を扱っています。
Q: SISの本部はどこにありますか?
A: SISの本部はロンドンのヴォクスホール・クロスにあり、ジョン・ル・カレの小説で「リバー・ハウス」として知られる専用ビルにあります。
Q: SIS本部の用地購入と建設にかかった費用は?
A: 国家監査院(NAO)は、用地購入と基本的な建物に1億3,505万ポンド、サービスの特別な要件を含めると1億5,260万ポンドという最終的な費用を示しています。
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