セティ・ゾーン(ネパール語: सेती अञ्चल)は、ネパールの行政区分の一つで、極西開発地域(Far-Western)に位置していた。名称は、国西部を流れる主要河川であるセティ川に由来する。セティは、低地の平野と起伏のある丘陵地帯の両方を含み、農業が行われる谷あいの集落から、より遠隔の山岳コミュニティまで抱えていた。audio speaker icon

地理と自然環境

セティ・ゾーンの地形は、南部のテライ平原から、北部の急峻な丘陵やヒマラヤ山麓へと連なっていた。標高差が大きいため気候も多様で、低地では耕作地や河川沿いの湿地が広がり、高地では森林に覆われた斜面や高山の牧草地が見られた。セティへ流れ込む河川や支流は、地域の農業や漁業を支えると同時に、交通路や集落の分布にも影響を与えていた。

行政区分

ゾーン制度のもとで、セティにはいくつかの地区が含まれていた。主要な地区と人口中心地には次のものがあった。

  • アチャム
  • バジャーン
  • バジュラ
  • ドーティ
  • カイラリ(ダンガディ市を含む)

ドーティのディパヤルや、カイラリの都市中心地ダンガディのような地区本部は、行政サービス、市場、医療の地域的な拠点として機能していた。

歴史と行政改革

セティを含むゾーン制度は、20世紀半ばのネパールの行政編成の一部だった。2015年の新憲法採択後、同国は連邦制へ移行し、ゾーンは主要な下位行政単位ではなくなった。かつてセティ・ゾーンを構成していた地域は、現在では主にスドゥルパシチム州(第7州)に含まれ、州および地方の組織へ再編されている。この移行については、州への再編を参照。

経済・社会・文化

地域経済は、主に自給的農業と商業農業、季節的な出稼ぎ、テライにおける越境貿易、小規模な町の商業が組み合わさっていた。民族的・文化的には多様で、畜産や棚田農業の伝統を持つ丘陵地のコミュニティと、独自の言語や慣習を持つ低地のグループが含まれる。地域の祭り、手工芸、民俗音楽は、今も文化生活の重要な要素である。

特筆すべき点

ネパールの中央部や東部ほど訪問者は多くないものの、かつてのセティ・ゾーンには景観の美しい河川渓谷、伝統的な村々、そして人の少ない地域を歩くトレッキングの機会がある。開発上の課題としては、遠隔地での道路、医療、教育へのアクセス改善が挙げられる。地域情報や資料については、地方政府のページや地域研究(言語と地名、国の文脈、地域プロファイル)を参照。