ソーシャル・ディストーション(Social Distortion)は、パンク/オルタナティブ音楽グループ。1978年にカリフォルニア州ロサンゼルスでシンガー/ギタリストのマイク・ネスによって結成された。ネスはバンドのリーダーであり、唯一の常任メンバーである。結成当初からパンクを基盤に、ロカビリー、カントリー、ブルース、アメリカーナなど幅広い音楽要素を取り入れたサウンドと、人生や償い、友情、犯罪、愛憎などを題材にした歌詞で知られている。
経歴と主な出来事
Social Distortionはインディーズから活動を始め、初期の作品で地元ロサンゼルス/オレンジカウンティのパンク・シーンで支持を集めた。これまでに7枚のスタジオアルバムをリリースしている。初期の2枚(1983年のMommy's Little Monster、1988年のPrison Bound)は評価は得たものの商業的成功は限定的だった。
1989年にエピック・レコードと契約し、1990年にリリースした3枚目のセルフタイトル作はバンドにとって主流への突破口となった。このアルバムにはシングル「Let It Be Me」「Ball and Chain」「Ring of Fire(カバー)」 「Sick Boys」「Story of My Life」などが収められ、いくつかがアメリカのチャート入りを果たした。この作品はバンドとして初めて米国のビルボード・ミュージック・チャートで200位以内に入った。
続く1992年のSomewhere Between Heaven and Hellも成功を収め、アルバム収録の「Bad Luck」はモダン・ロック・トラック・チャートで上位に入り、グループの代表的な楽曲の一つとなった。4年後に発表されたWhite Light, White Heat, White Trashは1990年代の彼らの集大成的な作品となり、ビルボード200で27位を記録してバンド最高位を記録した。このアルバムからのシングル「I Was Wrong」は、バンドとして唯一ビルボード・ホット100に入ったシングルとして知られている。
White Light, White Heat, White Trashのリリース後、バンドは長期の活動休止を経験し、ネスはソロ活動を行った。2000年2月29日、長年のギタリストであったデニス・ダネルが脳の病気により38歳で急逝した。ダネルの死を受けて一時は解散も検討されたが、メンバーは継続を決意し、新たにJonny "2 Bags" Wickershamを迎えて活動を続けることになった。Jonnyは以降バンドの主要メンバーとして活動している。
2004年秋にリリースされた6枚目のアルバムSex, Love and Rock 'n' Rollは再び商業的成功を収め、ビルボード200のトップ40入り(31位)を果たした。リード・シングルの"Reach for the Sky"は当時のラジオでも大きく支持された。
その後も活動を続け、2011年1月にはニューアルバム『Hard Times and Nursery Rhymes』をリリースし、同作は全米ビルボードで4位を記録した。以降も断続的にツアーを行い、ライブバンドとしての評価を維持している。
音楽性と影響
Social Distortionの音楽は、パンクのエネルギーに加え、ロカビリーや古典的ロック、カントリーのメロディやリズムを融合させた点が特徴で、荒削りながらも哀愁を帯びたギター・フレーズとメロディアスな歌唱が聴き手に強い印象を残す。歌詞はしばしば自己反省や社会的孤立、罪と贖罪といったテーマを扱い、多くの若いリスナーの共感を呼んだ。後進のパンク/オルタナ系バンドにも大きな影響を与え、アメリカ南カリフォルニアのシーンを代表する存在となった。
ディスコグラフィー(主なスタジオアルバム)
- Mommy's Little Monster(1983年)
- Prison Bound(1988年)
- Social Distortion(1990年)
- Somewhere Between Heaven and Hell(1992年)
- White Light, White Heat, White Trash(1996年)
- Sex, Love and Rock 'n' Roll(2004年)
- Hard Times and Nursery Rhymes(2011年)
ラインナップと変遷
結成以来、マイク・ネスがバンドの中心を務める一方で、多くのメンバー交代があった。デニス・ダネルは長年ネスの片腕としてギターを務めたが、2000年に急逝した。彼の死後、Jonny "2 Bags" Wickershamが加入して以降は主要メンバーとして定着している。その他にも長年活動を支えたベーシストやドラマーが交代しつつ、ツアーや録音を継続している。
評判と遺産
Social Distortionは「パンクの反逆性」と「アメリカン・ルーツ・ミュージック」を結びつけたことで評価され、幅広い層から支持を受けた。彼らの楽曲はカバーされることも多く、ライブでは名曲群が定番として演奏され続けている。マイク・ネスの歌詞世界とギターワークは、現在のパンク/オルタナティブ・シーンにおいて重要な影響力を持ち続けている。
現在もマイク・ネス率いるSocial Distortionは断続的に活動を続けており、アルバム制作やツアーを通してその存在感を保っている。