ソフィー・ジェルマン素数とは?定義・性質・例と無限性の未解決問題
ソフィー・ジェルマン素数の定義・性質・具体例をわかりやすく解説。無限性の未解決問題や関連用語(安全な素数)まで網羅。
ソフィー・ジェルマン素数は素数の一種で、ある素数 p に対して 2p + 1 も素数であるものを指します。つまり、素数 p があって、その 2 倍に 1 を加えた 2p+1 が素数であれば、元の p はソフィー・ジェルマン素数です。逆に、ある素数 q が q = 2p+1 の形で表されるとき、その q は 安全な素数(safe prime) と呼ばれます。
この名前はフランスの数学者 ソフィー・ジェルマンにちなんで付けられました。彼女は数論や弾性理論などで業績を残しています。
定義(まとめ)
- ソフィー・ジェルマン素数:素数 p であって 2p+1 も素数であるもの。
- 安全な素数:ある素数 q が q = 2p+1 の形になっており、対応する p が素数であるときの q。
小さな例
初めの方のソフィー・ジェルマン素数と対応する安全な素数の組(p, 2p+1)は次の通りです:
- p = 2 → 2p+1 = 5
- p = 3 → 2p+1 = 7
- p = 5 → 2p+1 = 11
- p = 11 → 2p+1 = 23
- p = 23 → 2p+1 = 47
- p = 29 → 2p+1 = 59
- p = 41 → 2p+1 = 83
- p = 53 → 2p+1 = 107
- p = 83 → 2p+1 = 167
- p = 89 → 2p+1 = 179
性質
- 2 を除くソフィー・ジェルマン素数 p は奇数であり、その対応する安全な素数 q=2p+1 は常に q ≡ 3 (mod 4) を満たします(ただし p=2 の場合は q=5 でこれは例外)。
- ソフィー・ジェルマン素数 p は、素数性を確認する際に p と 2p+1 の両方の検査が必要になります。大きな素数探索ではまず p を走査し、次に 2p+1 の素数性を試すという手順が使われます。
- 安全な素数 q=2p+1 を用いると、q の素因子として大きな素因子 p が確保されるため、暗号(例:Diffie–Hellman 鍵交換や一部のDLPベースのプロトコル)で好まれることがあります。これは位数 p の大きな素因子を持つことで、群の小さな因子による弱点を避けられるためです。
未解決問題(無限性)
多くの数論家は「ソフィー・ジェルマン素数は無限に存在する」と考えていますが、これを証明する一般的な理論的結果はまだありません。ハーディ=リトルウッドの予想に基づく確率論的推定や数値的なヒューリスティクスは、ソフィー・ジェルマン素数が無限に現れることを示唆しますが、厳密な証明は未だ得られていません。
探索と記録
- コンピュータを用いた探索により、非常に大きな桁数のソフィー・ジェルマン素数が見つかっています。最新の最大記録は日々更新されており、分散コンピューティングや専用アルゴリズムによって高桁数の候補が確かめられます。
- 探索にはまず簡単な篩(mod による除去)で候補を絞り、続いて高速な確率的素数判定(例えば Miller–Rabin)や決定的な判定法で 2p+1 の素数性を確認します。
関連トピック
- ツイン素数やその他の素数族と同様に、ソフィー・ジェルマン素数の分布を理解することは解析的整数論の重要な問題です。
- 安全な素数は暗号学的応用の観点から特に重要で、対応するソフィー・ジェルマン素数の存在がその鍵になります。
まとめると、ソフィー・ジェルマン素数は定義が簡潔でありながら深い理論的・実用的意義を持つ素数族です。無限に存在するかどうかは未解決のままで、数論研究の現在も重要な対象となっています。
例
11は23((2×11)+1=23)も素数なので、ソフィー・ジェルマン素数である。
13は素数だが、27((2×13)+1=27)は素数ではないので、ソフィー・ジェルマン素数とはならない。
百科事典を検索する